フェレット(4歳、メス)を飼っていますが、以前が凄く活発で注意深かったのですが、最近は昼間なのに寝ぼけたようにボーっとして、涎をダラダラ流したりしています。もうボケの症状が始まったのでしょうか?


フェレットの寿命は、8~10年と言われていますから、ボケが始まるには、ちょっと早すぎるでしょう。3~4歳で、ボーっとしたり涎が続くのなら、膵臓が腫瘍、それも悪性の癌に侵されている場合が予測されます。
膵臓は、グルカゴンと言って血糖値を上げる働きをするホルモンとインスリンと言って血糖値を下げる働きをするホルモンが分泌されて、血糖値を一定に保つように働いている臓器です。そこに腫瘍が出来ると、インスリンの分泌量が増加して、血糖値が下がりすぎる状態、つまり低血糖の状態になります。フェレットのこの病気をインスリノーマと呼びます。
症状としては、初期にはボーっとしたり涎が認められます。やがてふらついて腰が抜けたようになったり、痙攣を起こして、昏睡状態になる場合もあります。
治療法としては、外科的に腫瘍を摘出する方法があります。但し、1~2年のうちに再発する可能性が高いと言われています。内科的治療法は、血糖値を正常にする事を目的とする根治療法ではなくて、低血糖状態になる事を防ぐ為にステロイドホルモン等を死ぬまで投与し続けます。勿論副作用の心配もありますが、手術の危険性と再発の可能性を考えると、私は状態を見ながら内科的な治療を施す方が、本人の苦痛も少なくて長生きできる治療法である場合が多いように思います。
何れを選択されるかは、飼い主さんが先生と納得のいくまで相談された上で決めてください。

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