人間の食物で原材料や産地の偽装が相次いでいますが、ドッグフードの袋に表記されている原材料や保証分析値は信用してもいいのでしょうか?


関西の人間なら誰もが一度は食事をしてみたいと憧れていた「吉兆」というお店がお客さんの信頼を裏切っていました。少し前なら、雪印や日本ハム、不二家そして歴史のある赤福や世界中何処にでもあるマクドナルドといった誰もが知っていて少なくとも何度かは口にした事のある食品メーカーが消費者に嘘をついていました。
現在の所、人間の食物よりも多少は軽く考えられてもしょうがないのかもしれない立場のペットフードメーカーに対して飼い主さんがより一層の不安や疑問を持たれるのは当然かもしれません。
私に限らず普通の開業獣医師は正直申し上げてペットフードメーカーの方たちと直接のお付き合いは殆どないと思います。病院で扱っている一般食(ペットショップ等の一般のお店でも販売しているフード)にしても処方食(病気の治療や予防を目的とする動物病院でしか販売していないフード)にしても薬品を仕入れている問屋さんから購入するからです。
ただし、処方食については新製品が発売された時などにフードの説明を兼ねた講演会が開かれたり、病院に簡単な勉強会のような形で出向いてきていただいて直接説明を受けたりする事があります。講師は獣医師さんなので製品についてやフードについての私達が普段から抱えている疑問にごく初歩的なことからかなり専門的なことまで教えてもらったりする事もあります。
その様な機会はそれほど多くはありませんが直接のお付き合いのあるメーカーについてはやはり他のフードメーカーよりも信頼をおいてしまいます。従って、当院で処方食として扱っているフードメーカーは限られています。
一般食についても飼い主さんにおすすめする、つまり私が信頼をおいているフードメーカーは「ヒルズ」「アイムス」「プロプラン」の三社です。申し訳ないけれどそれ以外のメーカーは基本的に飼い主さんにおすすめしません。(これはあくまでも私がこれまでの乏しい経験や先輩方からの意見を参考にしたうえでの判断ですのであしからず)
勿論この三社にしてもこれまでにも消費者レベルでのトラブルが全くなかったわけではないですし今後も何らかのトラブルが発生する可能性は否定できませんので参考にしていただければ幸いです。
尚、フードの保証分析値は正直言って私もそんなに信用していません。理由はそのメーカーにとって都合よく表示する事(保存料等含まれているものを省略する事や実際には含まれていない成分を含まれているかのように表示する事)が割と簡単に出来るという話を聞いたことがあるからです。賞味期限についても申し上げましたが、あまり細かい数値やデーターに振り回されないで飼い主さんが冷静に対応される事を期待します。

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