よくあるご質問

飼い主さんからよく受ける質問にお答えします。
※10年前に掲載した内容もあり、情報が古い場合もございます。お気付きの点がありましたらご指摘、ご指導ください。

よくあるご質問


  • うちには、犬(2才)と猫(3才)を飼っています。毎朝同時にドッグフードとキャットフード(どちらもドライタイプ)与えていたのですが、最近犬がキャットフードの食べ残しを食べてしまい、味を覚えたのか、キャットフードを欲しがり、だんだんドッグフードを食べなくなってしまいました。犬にキャットフードを与えてもかまいませんか?


    犬は人間と同じ雑食動物であるのに対して、猫はライオンと同じ肉食動物です。だから当然、犬と猫 各々の必要とする栄養素のバランスも全く異なります。嗜好性よりも健康面を重視しているフードメーカーの同タイプのドッグフードとキャットフード(例えば成犬用と成猫用)の栄養組成表を比較してみると ドッグフードが炭水化物中心であるのに対して、キャットフードはタンパク質と脂肪が中心です。そしてもう一つ明らかに違うのがナトリウム量で、キャットフードはドッグフードの約1.5倍も含まれており、即ち塩味がかなり効いているわけです。
    だから、お宅の犬が食べ比べてタンパク質と脂肪たっぷりの塩味がきいたキャットフードを好んだのは当然かもしれません。しかし、飼い主さんは、見た目にはあまり大差のないドライタイプのドッグフードとキャットフードですが、中身は全然違うものである事と 犬にとってキャットフードが健康面から考えて非常に望ましくないバランスの食事である事をしっかりと認識して頂いて、一日も早くまたドッグフードを食べさせるように努力してください。とりあえず、犬と猫は別々の部屋で食事を与えられたら如何でしょうか。人間もそうですが、一度口当たりのよい味を覚えると元の食事に戻すのは結構つらいものですが、以前は喜んで食べていたはずのドッグフードに戻すだけですから、飼い主さんが根気よく続けられれば必ずうまくいくと思います。頑張ってください。


  • ミニウサギ(2歳メス避妊済み)を飼っていますが、二ヶ月位前から頭部に丸い脱毛が出来て、痒そうにしていました。様子をみているうちに私も腕の内側の部分が円形に赤くなり 掻いているうちに水ぶくれが出来てしまいました。ウサギから皮膚病がうつったのでしょうか?


    ウサギに6月頃から円形にくっきりと脱毛(リングワームと呼ばれます)して痒みを伴っていれば、毛そう白癬菌(真菌 いわゆるカビの一種で人間の水虫の原因菌の仲間)による皮膚病を想定します。まして、飼い主さんに同様の円形の発赤と水ぶくれが認められるなら、この病気は抱っこしたりする時の接触によりヒトに感染しますから、ほぼ間違いないでしょう。
    まず、ウサギは直ぐに動物病院へ行き治療を受けてください。その程度によりますが抗真菌剤の内服又は外用薬を用いれば、少し期間はかかると思いますが治ります。それと同時に 飼い主さんも直ぐに皮膚科で治療を受けてください。ウサギの経過も忘れずに報告してください。診断に役立つでしょう。
    さて、このウサギの毛そう白癬菌症は、カビの一種ですから、生活環境の湿度が高まる事により発生しやすくなります。ですから、特に梅雨から夏場はからっと乾燥するよう注意してください。もし、来年も同様の症状が認められましたら、自然に治る事は殆どありませんから、気付いたら直ぐに病院へ行きましょう。そして、そのような症状がある時はウサギを直接肌に触れるような接触は慎んでください。再び飼い主さんもかかってしまいますよ。


  • 血液検査で もしフィラリア症に罹っている事が解ったときはどうしたらよいのですか?


    人間は自分の健康管理でさえ、なかなかうまくできないものです。ましてや、犬のこと、どんなに大切に可愛がっていても、うっかりする事もあれば、病気に対する認識が不十分であったりして病気に罹ることは、少なからずあると思います。重要なことは、フィラリア症に限らず病気に罹ったとき どう対処してあげるかではないでしょうか。
    フィラリア症の場合、外科的に成虫を心臓から駆除する方法、薬剤で内科的に成虫を駆除する方法、現在いる成虫はそのままにしてもうこれ以上感染を拡大させない温存療法等があります。どの治療法を選択するかは、その犬の年齢や状態、治療費用等を配慮して、飼い主さんと獣医師が十分に相談すれば、きっと適切な治療法がみつかります。もし、諦めて何もしないでいると、病状はどんどん進行して犬自身も、それをみている飼い主さんもすごくつらい思いをする事になるでしょうから、決して諦めないでください。


  • 「猫は避妊の手術をすると太る」と、聞きましたが本当ですか?


    猫も犬同様 卵巣を摘出する事により、各種ホルモンの分泌バランスに多少の狂いが生じます。その為に、表面的な現象としては 一時的に(数週間から長くとも数ヶ月)食欲がそれまでよりも亢進します。この時期に動物の要求に応じて食事の量を増やしてしまうと当然体重が増加してしまいます。ですから、飼主さんが、この食欲は体内のアンバランスによるものである事を理解していただき、可愛そうですが今までどうりの食事量で辛抱してもらってください。そうすれば太ることは無いと思います。しばらくすれば、また今までの食事量で満足してくれるようになると思います。どうしても、食事量が足りなくて辛そうであれば、同カロリーでも量の多いフード(ライトフード等)を一時的に利用されてもいいと思います。


  • 家の犬(雑種、10歳)があくびをしたときに気付いたのですが、上の右側の奥歯が左側より2本少ないのです。これは、抜けてしまったのでしょうか、それとも、奇形でしょうか?


    犬には乳歯と永久歯があります。乳歯は、上下とも左右に切歯が各3本、犬歯が各1本、臼歯が各3本、合計28本です。永久歯は、上が左右に切歯各3本、犬歯各1本、前臼歯各4本、後臼歯各2本、下が左右に切歯各3本、犬歯各1本、前臼歯各4本、後臼歯各3本、合計42本です。お宅の犬の歯の数を上下左右とも数えてみてください。奇形という可能性もあるかもしれませんが、年齢から推察すると歯周病などが原因で既に何本か抜けてしまった可能性が高いでしょう。残っている歯の状態、歯茎の状態等によっては、今後どんどん抜け落ちる危険性もありますから、なるべく早く病院で診察を受けて、適切な処置をされたほうがよいと思います。


  • 生後5ヵ月のポメラニアンを飼っているのですが、先日歯が抜けて出血していました。全く変わった様子も無く普通にしていますがケガ又は病気ですか?治療が必要で しょうか?


    犬にも人間と同様に 乳歯と永久歯があります。乳歯は生後3週間位から12週間位の間に大体前から奥へと生え揃います。但し、乳歯の存在期間はとても短くて、順調なら生後6ヶ月位までに全て抜けて 永久歯に生え変わります。ですから、生後5ヶ月位の子犬であれば乳歯が抜けていく時期ですから、順調に発育しているとのではないかと思います。飼い主さんが犬の口を開けて確認してみてください。恐らく、細くて頼りなさそうな乳歯と太くてしっかりした永久歯が混在していると思います。
    むしろ、心配なのは6ヶ月を過ぎても乳歯が残ってしまう状態(乳歯遺残症)です。
    噛み合わせが悪くなったり、歯が重なって生えたり、歯垢が付き易くなり歯周病などの原因になったりします。生後8ヶ月位まで様子をみて、まだ残っているようなら病院で抜歯してもらうことをお勧めします。


  • 親戚の家で生まれた雑種犬の子犬を貰い受けて、飼いはじめました。「フィラリアの予防は必ずして欲しい」と言われましたが、フィラリアとはどんな病気で、どんな予防をすればよいのですか?


    フィラリア(犬糸状虫)とは、主に犬の心臓に蚊を媒介として寄生する20~30cm位の素麺状の虫で、フィラリアに寄生される病気をフィラリア症と言います。フィラリアが寄生しても、最初は殆ど無症状ですが、徐々に血液の循環が悪くなる為、ゼーゼーと咳き込んだり、散歩の途中で動けなくなったり、食欲はあるのに段々体重が減少したりします。更に病状が進むと、呼吸困難、腹水の貯留、四肢の浮腫等が表れ、死に至る恐ろしい病気です。
    フィラリア症の予防は、蚊に刺されないように注意するのも ひとつの方法かもしれませんが、現実的にはかなり難しいことですから、感染の恐れのある時期に予防薬を投与することになります。予防薬としては、毎日若しくは月に一回の内服薬、月に一回の滴下薬、年に一回の注射薬等があります。当院としては、月一回の内服薬と、同じく月一回の滴下薬が安全で確実そして経済的なのでお勧めしています。


  • ノミにによる被害はペットが痒がるだけなの?


    ノミによる被害は吸血された部分の強烈な痒みだけではありません。ノミの唾液に対するアレルギー反応が起こり、尾根部や臀部を中心に皮膚炎になる場合があります。脱毛し皮膚が肥厚して悲惨な状態になることもあります。
    またノミはサナダムシ(瓜実条虫)を媒介します。サナダムシは犬や猫の腸内に住んでいるヒダ状の寄生虫で虫卵を多数含んだ片節を便とともに体外に放出します。この片節は3~5ミリ位でウジムシのように動き回り、やがてはじけて虫卵を放出します。この卵をノミが好んで食べるのでノミの体内に入ります。そしてそのノミを犬や猫が毛づくろいする時等に飲み込むことにより、腸にサナダムシを寄生させるのです。


  • ノミはどんな一生を送るの?


    ノミは寄生虫ですが、犬や猫に寄生するのは成虫だけです。
    成虫は寄生するとその日のうちに吸血して交尾し、2~3日目から1日に10~20コ位づつ卵を産み始めます。
    卵は犬猫の寝床などにおちて、環境条件によりますが5日前後で孵化して幼虫になります。幼虫は1~2週間でサナギになり、更に10日前後で成虫になり、条件がよければ1年位生きつづける場合もあるようです。


  • 8歳のヨーキー(雌)を飼っていますが、月に一回は美容室でシャンプーカットしてもらい、週に一回は家でもシャンプーしているのに体臭が臭くて困っています。どうすれば匂いがなくなりますか?


    特に皮膚病等には罹っていないという事なので、年齢と犬種を考えると、歯周病に罹っていて 強い口臭がしている可能性が高いように思います。小型犬は 大型犬に比べて歯が小さくてその隙間も狭いので 歯垢が付着しやすく、それが歯石となり歯周病なりやすいのですが、特にヨーキーとミニチュアダックスは7~8歳になると歯周病に罹っている比率が高いように思います。唇をめくって歯と歯茎の状態をチェックしてみましょう。歯が茶色くなったり、歯茎が赤く腫上がっていたら、歯周病に罹っていると思います。その場合は、なるべく早く動物病院で歯石を除去して、歯茎の治療をする必要があります。放置しておくと歯が抜け落ちて、噛む力が低下し、ひいては寿命を縮める事にもなりかねません。治療をすれば、口臭も殆どなくなると思います。但し歯石は、毎日歯磨きしている人間でもいつのまにか付着しているわけですから、犬の場合もっと短期間で再び付着します。犬用の歯磨きセット等が販売されていますが、殆どの犬は嫌がりますし、あまり強引に磨いても歯茎を傷つけたりして逆効果の場合もありますからあまりお勧めはしません。指にガーゼ等を巻いて歯の表面を拭いながら歯茎のマッサージをしてあげる方が簡単で効果的かもしれませんので試してみてください。歯石の付着しにくいフードが販売されていますが、メーカーや犬種によって その効果はまちまちですから、またご相談ください。
    尚週に一回シャンプーされているそうですが、これは毛にとっても皮膚にとっても非常に負担をかけていますから、最低2週間 できたら3週間は間隔をあけた方がよいと思います。(特殊な皮膚病の治療などで行う薬浴は別です)