よくあるご質問

飼い主さんからよく受ける質問にお答えします。
※10年前に掲載した内容もあり、情報が古い場合もございます。お気付きの点がありましたらご指摘、ご指導ください。

よくあるご質問


  • ノミはどんな一生を送るの?


    ノミは寄生虫ですが、犬や猫に寄生するのは成虫だけです。
    成虫は寄生するとその日のうちに吸血して交尾し、2~3日目から1日に10~20コ位づつ卵を産み始めます。
    卵は犬猫の寝床などにおちて、環境条件によりますが5日前後で孵化して幼虫になります。幼虫は1~2週間でサナギになり、更に10日前後で成虫になり、条件がよければ1年位生きつづける場合もあるようです。


  • 8歳のヨーキー(雌)を飼っていますが、月に一回は美容室でシャンプーカットしてもらい、週に一回は家でもシャンプーしているのに体臭が臭くて困っています。どうすれば匂いがなくなりますか?


    特に皮膚病等には罹っていないという事なので、年齢と犬種を考えると、歯周病に罹っていて 強い口臭がしている可能性が高いように思います。小型犬は 大型犬に比べて歯が小さくてその隙間も狭いので 歯垢が付着しやすく、それが歯石となり歯周病なりやすいのですが、特にヨーキーとミニチュアダックスは7~8歳になると歯周病に罹っている比率が高いように思います。唇をめくって歯と歯茎の状態をチェックしてみましょう。歯が茶色くなったり、歯茎が赤く腫上がっていたら、歯周病に罹っていると思います。その場合は、なるべく早く動物病院で歯石を除去して、歯茎の治療をする必要があります。放置しておくと歯が抜け落ちて、噛む力が低下し、ひいては寿命を縮める事にもなりかねません。治療をすれば、口臭も殆どなくなると思います。但し歯石は、毎日歯磨きしている人間でもいつのまにか付着しているわけですから、犬の場合もっと短期間で再び付着します。犬用の歯磨きセット等が販売されていますが、殆どの犬は嫌がりますし、あまり強引に磨いても歯茎を傷つけたりして逆効果の場合もありますからあまりお勧めはしません。指にガーゼ等を巻いて歯の表面を拭いながら歯茎のマッサージをしてあげる方が簡単で効果的かもしれませんので試してみてください。歯石の付着しにくいフードが販売されていますが、メーカーや犬種によって その効果はまちまちですから、またご相談ください。
    尚週に一回シャンプーされているそうですが、これは毛にとっても皮膚にとっても非常に負担をかけていますから、最低2週間 できたら3週間は間隔をあけた方がよいと思います。(特殊な皮膚病の治療などで行う薬浴は別です)


  • 柴犬(1才、オス)を飼っていますが、躾けに失敗してしまったようで、飼い主の言う事を聞かず、咬み癖も全然直りません。去勢の手術をすればおとなしくなりますか?


    去勢手術とは、精巣を摘出して繁殖能力をなくする処置をいいます。結果として繁殖本能に基づく攻撃性はある程度低下すると思われます。但し、その程度は個体差が大きく、とてもおとなしくなる場合もあれば、あまり代わり映えしない場合もある事を知っておいてください。
    去勢手術によるメリットは、他にもあります。摘出により、精巣腫瘍の心配がなくなるだけでなく、会陰ヘルニア、肛門周囲腺腫、前立腺肥大、前立腺癌等の予防にもなります。
    以上の事から、去勢の手術をするか否か、判断してください。まあ、ある程度はおとなしく聞き分けのよい犬になるでしょうし、中年以降に悩まされる幾つかの病気の予防にもなりますから、積極的に考えられたら如何でしょう。
    但し、まだ1歳なら、「躾け」というか 「犬との適切な付き合い方」をあきらめるのは早過ぎると思います。今からでも、犬と飼い主さんの適切な関係についてもう一度勉強し、根気よく努力されれば、きっと今よりもずっと良い関係になれると思いますよ。「適切な付き合い方」については、またご質問頂ければお答えします。


  • 5歳のダックスフントですが、歯が茶色くなって強い口臭がします。歯磨きをすれば治りますか?


    歯が茶色くなっているのは歯石が付着していて、口臭が強いのもその為だと思われます。歯石は、唾液中のミネラルと歯垢が結びついて石灰化し、歯の表面に沈着したもので、一旦ついてしまったら一生懸命歯磨きしても効果は無いので、人間と同様 病院で除去してもらうしかありません。麻酔をかけての処置になる場合が殆どですから、どこの病院でも 一度診察を受けて、全身状態をチェックしてもらって予約してから、といった流れになると思います。歯の治療は、自分の事でもつい先延ばしになりがちで、ましてや可愛がってはいても犬の事となると尚更かもしれませんが、あまり放置されますと歯周病になり多くの歯を失うことにもなりかねませんから、是非早めに処置してあげてください。
    尚、一度処置しても、歯石は又すぐに付き始めますから要注意です。歯垢を除去するには、歯磨きがある程度有効ですが、犬は大抵嫌がるでしょうし、乱暴にブラッシングをすると、かえって歯茎を傷つけてしまう場合も多いので よほど大人しい犬にしかお勧めしません。指にガーゼ等を巻きつけて、数日に一度 歯の表面を拭ってあげる方が、犬もそんなに嫌がらず安全で効果的かもしれませんので、お試しください。歯石の付きにくいフードが販売されていますが、効果はありますから食べさせてみてください。


  • 1才の柴犬を飼っていますが、動物病院からワクチンの時期を知らせるハガキが届きました。予防注射は子犬の時期を過ぎても必要なのですか?


    飼い主の皆さんは、犬を飼い始めた時それなりに勉強されて例えば躾についてとかワクチンやフィラリアの予防について等のいろいろな知識を身につけておられますが、一年もたつと当然なのですが、忘れてしまったり、うっかりされるている事も少なくないのではないでしょうか。
    ですから当院でも混合ワクチンの接種時期にはハガキでお知らせしています。最初にワクチンを接種するときに、どうして一月間隔で二回接種するのか(二重免疫効果と言って一生続く高い免疫効果を得る為)とか、何故一年間隔で追加免疫が必要なのか(予防効果は接種後数週間でピークに達して約一年でかなり低下してしまう為)について、私なりに一生懸命説明させて頂いているつもりですが、どの程度飼い主さんが理解して一年後まで覚えて頂けているのかあまり自信はありません。
    前置きが長くなってしまいましたが、前回接種されたワクチンによる免疫効果は全て失われたわけではありませんが、かなり低下しているはずですからこの時期にもう一度接種されますと、またこれから一年間安心して過ごせると思います。
    そして、久しぶりに病院で簡単な健康診断のつもりで体重や体温、眼や耳、歯、皮膚や爪等の状態をチェックしてもらえば、気付かずにいた病気が見つかるかもしれませんし、生活習慣などについてのよきアドバイスが得られるかもしれません。
    言葉で身体の異状を表現できない動物のために病院へ行く良い機会だと思って頂ければ嬉しく思います。


  • 3歳のシーズー(雄)を飼っていますが 夏頃から両耳とも繰り返し綿棒で掃除しているのに すぐに汚れてすごく臭いのですがどうすればよいでしょう?


    以前に耳の病気について説明したときにも書きましたが、普通健康な犬の耳はあまり耳垢がこびりついたりして汚れません。勿論 耳の皮膚でも新陳代謝により耳垢はできますが、健康な耳の中は適度に乾燥していますから たまに首を左右に振ることにより飛散してしまうので特にこびりついて汚れたりはしません。
    しかし、細菌やカビ、ダニ等により炎症が起こると浸出液によってジュクジュクした状態になりますから そこに耳垢がこびりついて汚れ、匂いを発生します。恐らくさかんに首を左右に振ったり耳を掻いたりしているのではないでしょうか。
    直ちに病院へ行って外耳炎の治療を受けてください。経過が長いので、慢性化していて治療には時間と労力を要するかもしれませんが頑張って完治するまで続けましょう。治療が終了すれば耳の匂いも自然と無くなっていると思います。
    但し治療が終わっても細菌やカビを完全に死滅させたわけではありませんから、体質的に耳道内の細菌やカビに対する免疫力の弱い犬は再発するする可能性が低くありません。ですから、時々耳の状態をチェックしましょう。
    体質的に毛深い犬は耳の穴の中にも毛が生えてきますから 抜いて風通しをよくしてあげましょう。指で摘まんで抜けると思いますが、難しければ犬用の毛抜きがありますから試してみてください。
    もし、汚れていても綿棒で掃除をする事はおすすめ出来ません。場合によっては耳垢を中へ押しこんだり 炎症の起こっている粘膜に更にダメージを与えるかもしれないからです。
    繰り返し申し上げますが、もし犬の耳が汚れていたら必要なのは適切な治療であって、綿棒等による耳掃除ではありません。


  • 外耳炎の治療をしても、よく再発するのは何故ですか?再発を予防する方法はありますか?


    細菌、カビの増殖による外耳炎の場合、治療しても細菌、カビを全滅させるわけではありません。ある程度減少させれば、自分の免疫力で増殖を押さえて健康な状態を維持できるはずです。ところが、体質的に耳の免疫力が弱い場合、例えば体力を消耗した時や、細菌、カビの増殖しやすい条件(高温、多湿等)のそろった時に、再発しやすくなります。体質を変えることは難しいので、予防対策として、こまめに耳垢や臭い、痒がる仕草の有無をチェックしましょう。耳の穴に毛がはえていたら、抜いて風通しを良くしてあげましょう。もし、治療薬が残っていても、予防的に使うことは、薬が効かなくなる場合がありますので、やめてください。
    ダニによる外耳炎の場合、治療の目標は寄生しているダニを最後の一匹まで殺すことです。治療が中途半端だと、生き残ったダニが再び増殖するので最後まで続けましょう。耳ダニは、感染源の動物との接触によりうつされたわけですから、その感染源と再び接触しないように努力することが、重要な予防対策でしょう。


  • 生後三ヶ月の子猫をオス、メス一匹ずつ飼う事になりました。避妊と去勢の手術はいつ頃すればよいでしょうか?


    生後六ヶ月位で体の成長は止まります。即ち肉体的に、そして性的にも成熟しますから避妊や去勢の手術はそれ以降にされたら良いと思います。六ヶ月未満で手術すると、身体の発育が不十分になる場合があり、特にオス猫は尿道が十分に発達せず尿石症等に罹り易くなる心配がありますから気をつけてください。但し、六ヶ月を過ぎればメス猫はすぐに発情して即妊娠、という可能性もありますからあまりのんびりもしていられませんよ。
    尚、「犬や猫は、一度 生理や発情もしくは出産を経験してから避妊した方が良い」等という説があるようですが あまり医学的には根拠は無いと思います。


  • 熱射病になったら、どんな処置をすればよいのですか?


    まず、体温を下げる為、涼しい場所で風に当たらせてください。出来れば体に少しずつ水をかけたりゆっくりと水を飲ませてあげてください。呼吸が苦しそうなら、酸素吸入器を使用しましょう。酸素吸入器は、スポーツ用品店等においてあるもので十分ですから、熱射病や心臓病が心配な飼い主さんは、常備されることをおすすめします。以上の処置をしながら、かかりつけの病院に連絡して、速やかに治療を受けられた方が良いと思います。


  • うちの猫は最近 頻繁にトイレに長時間座っていますが、あまりおしっこは出ていません。どうしてですか?


    尿検査をしてみないと、はっきりした事は解りませんが、尿中にストルバイト、シュウ酸カルシウム等の結晶が生じ、それらが寄り集まって尿道に詰まってしまい、尿が出難い状態になっている可能性が高いと思われます。尿道が完全に詰まってしまい、尿が全くでない状態になってしまうと、三日くらいで命に関わる場合もありますから、出来るだけ速やかに病院で診察を受け、適切な治療を始めてください。