よくあるご質問

飼い主さんからよく受ける質問にお答えします。
※10年前に掲載した内容もあり、情報が古い場合もございます。お気付きの点がありましたらご指摘、ご指導ください。

猫のフィラリア症


  • 猫のフィラリア症には、治療法や予防法がありますか?


    猫のフィラリア症の治療は、海外ではヒ素化合物を投与される場合もあるようですが成虫の死滅による循環障害と呼吸不全から死に至る場合もまれではないようです。外科的に虫体を摘出する方法もありますが、全ての虫体摘出は困難であり、虫体損傷による循環不全の危険性もあるので、いづれも現在の所あまりお勧めできません。ですから、この病気は犬と同様 予防がとても重要であると思います。予防法も犬と同様で 内服薬を月に一回 必要な時期に投与する事で簡単にできますから、飼い猫が快適に長生きすることを望まれる飼い主さんは是非考えてあげてください。


  • 猫がフィラリア症にかかると、どんな症状がみられますか?


    フィラリアは猫の体内でも 犬と同様に成長するが、最終的な寄生部位は主に肺です。従って、症状は急性であれば、循環障害と呼吸不全を起こして突然死を招く場合もあるようです。慢性的であれば非特異的な 咳や呼吸困難、嘔吐や食欲低下等です。 いずれにしても、猫のフィラリア症は確定診断が難しいので、原因不明の突然死や咳、嘔吐と診断されている場合も多いのが現実のようです。


  • フィラリア症は犬の病気だと思っていましたが、最近は猫もかかると聞きましたが本当ですか?


    猫にも犬糸状虫(いわゆるフィラリア)が蚊を媒介として呼吸器(心臓から肺)に寄生する病気 即ちフィラリア症があります。犬のフィラリア症が初めて報告されたのは17世紀の事だそうで、現在では 犬にとってとても恐ろしい病気の一つ としてよく認知されていますが、猫のフィラリア症は20世紀になってから やっと研究が始まった段階で、未だ御存知の方も少ない病気であるようです。猫のフィラリア症の研究が遅れている理由は、犬のフィラリア症が血液検査等で診断が容易であり、解剖すれば虫体を高い確率で確認できるのに対して、猫のフィラリア症は生前の確定診断が難しく、例え解剖しても虫体の確認が出来ない場合も多くて見過ごされがちな病気であったからだと思います。ですから、最近になって猫がフィラリア症にかかるようになった訳ではなくて、ずっと以前からかかっていたが最近になってようやく確認され始めた、と言うのが正確な表現かもしれません。

ネコ風邪


  • ネコ風邪を予防するにはどうすればよいでしょう?


    予防はまずワクチンを適切な時期に接種する事が大切です。きちんとワクチンを接種しておけば、風邪に罹る確率はすごく低くなりますし、もし罹ったとしても症状が軽くて済みます。それから人間と同様、きちんと食事をとり、雨にぬれたりして体を冷やさないように気をつけ、外部の猫との接触を出来る範囲でいいですから避けるように気をつけましょう。風邪の治療は対症療法、つまり熱が高ければ解熱剤、咳がひどければ咳止め薬、食欲がなければ点滴等により、体内に風邪に対する抗体ができるまで体力をもたせる治療です。その為、特に子猫や老齢の猫は抗体が出来るまでに命に関わる事が少なくありません。ですから、風邪は予防が非常に大切だと思います。


  • 近所の人から猫にとって「風邪」は命に関わる恐ろしい病気だと聞きましたが本当ですか?

    ヘルペスウイルスによる「猫ウイルス性鼻気管炎」と カリシウイルスによる「猫カリシウイルス感染症」が、人間の風邪と似たような症状(鼻水、クシャミ、目ヤニ等)から始まるので「ネコ風邪」と呼ばれていて、猫にとっても人間同様「万病の元」であると思います。鼻や口内に炎症が起こるので食欲が落ちて衰弱し、更に発熱や下痢を伴う場合も多く、抵抗力が低下して肺炎などの二次感染を起こすと命に関わる事も少なくありません。ですから、特に冬は猫にとって「風邪」は一番身近な、そして一番恐ろしい病気と言えるかもしれません。


  • 猫の風邪が人間にうつることはありませんか?

    ウイルスの種類が異なりますから、猫から人間にうつる事も、逆に人間から猫にうつる事もありません。但し、人間も猫も同じ動物ですから、急な冷え込みや空気の乾燥、体力の消耗等の風邪をひきやすい条件も共通しています。ですから、同じ環境で暮らしている飼い主さんと猫ちゃんが、ほぼ同時に もしくは相前後して風邪にかかることはよくあるみたいです。

猫のエイズ(FIV)


  • 猫のエイズ は予防できないのですか?

    同じレトロウィルス科に属する白血病ウィルスに対するワクチンはありますが、エイズウィルスは形態が微妙に変化するために、現時点でワクチンが開発されておらず確率の高い予防法はありません。ですから、現在の所 完全に予防できるわけではありませんが自衛策として、室内だけで飼育して 他の猫との接触を出来る限り避けること位しか無いようです。


  • もし猫がエイズにかかってしまった場合どのような治療法があるのですか?


    残念ながら、現在の所、人間のエイズと同様、対症療法はありますが根治療法はありません。しかし、感染してから発症するまでの期間が長いので、食餌や生活習慣等の改善を目指し 体調の管理に務め、免疫力の維持をはかることで、発症する時期を遅らせることができれば、もって生まれた寿命の大部分を全う出来る可能性は高いと思います。 ですから、エイズにかかったことが解っても、飼い主さんに 諦めないで病気に立ち向かう姿勢があれば、その猫にとって幸せな生涯が送れるのではないかと思います。


  • 隣で飼っている猫が病院で検査を受けたところ、エイズにかかっている事がわかったそうです。うちの猫は、その猫とよく一緒に遊んでいて、現在は何の症状もなく普通に生活していますが大丈夫でしょうか?

    猫エイズはウィルスによる伝染病で、既にかかっている猫との接触により感染します。但し、伝染力は強くないので、汚染されている粘膜や血液との直接的接触がなければ感染する可能性は高くありません。具体的には、かんだり かまれたりといった喧嘩の場合が一番感染する可能性が高く、交尾による接触では低いと言われています。仲の良い猫同士でよほど濃厚に舐め合ったりした場合も、感染する可能性は多少ありそうですから、心配であればすぐに病院で血液検査を受けましょう。

    猫がエイズに感染した場合の症状と経過について簡単に説明しておきます。
    1)感染すると、まず軽い風邪の症状(クシャミや目やに)や軟便が数ヶ月続きます。
    2)やがて症状は治まり、無症状の潜伏期間が数年から長いと10年位続きます。
    (但し、この間もウィルスの増殖はすすんでいます)
    3)ウィルスの増殖がある限度を越すと発症して 免疫力が低下します。口内炎や慢性的な目ヤニや鼻水、下痢が続き徐々に痩せ衰えて死に至ります。

    以上の事から考えますと、外出する猫は何処でどんな猫とどの様に接触しているかわかりませんから、現在全く症状が無くてもエイズに感染している可能性が少なからずある事を知っておきましょう


  • 子供が子猫を拾ってきたのですが、「この猫がエイズにかかっていないか」、そして「人間にうつらないか」 と言う点がとても心配で飼おうかどうか迷っていますアドバイスをお願いします。


    まず、猫がエイズにかかっているか否かは、動物病院で血液検査を受ければわかります。(幼猫の場合、検査結果に正確さを欠く場合もありますから1~2ヶ月後に再検査される事をお勧めします)もしかかっていなければ、とりあえず安心ですが自由に外出できるような飼い方をすれば何時かかるかわからない事は覚悟しておいてください。(野良猫の約10%がエイズに感染している、と言うデーターもあります)例えかかっていても、それなりの対処法がありますから諦めてしまわないで 落ち着いて病院の指示に従ってください。
    次に、猫のエイズが人間に感染することはありませんからご安心ください。(逆に人間のエイズが猫に感染することもありません)尚、エイズよりも 回虫等のお腹の寄生虫や、ノミやカイセン等の皮膚の寄生虫の方が人間への被害が心配されますから、病院で診察と必要な検査を受けることをお勧めします。