7月13日 このブログで カラスの事を何度か書いたからなのか ちょくちょく保護されたカラスが来院されます

こんな文字だけしかない そしてほとんどが私のボヤキばかりが並んでいる 面白みのないブログですから 読んでいただける方はほんの数人ぐらいだろうと思っておりましたが 結構いろんな人の目に触れる機会があるみたいで これまでに保護されたカラスの面倒をみさせていただいたときのことを綴った文章をお読みいただいたからだと思いますが カラスが怪我をして飛べなくなっているのを保護した方からと 連絡を頂いて 来院頂くことがちょくちょくあります。
昨日マンションの中庭で保護したカラスを 本日も連れてこられました。保護した時には あおむけにひっくり返っていたのだそうですが 今日になって ようやくお腹を下にした普通の状態に近づいたのだそうですが 食欲があまりないので 来院されました。まずは診察台の上で カラスの様子を観察しました。外傷や出血はありませんでしたが ふらついてまともに立てないのだそうなので顔の状態をしっかりと 観察しました。カラスの目は普通の場合 黒目だけが見えていますが 定期的に白い瞬膜が両目とも内側から飛び出してくるのがくっきりと見えます。
本人が事の成り行きを全く語ってくれませんから 勝手に想像するしかありませんが 結構高いマンションの中庭にあおむけになって動けなくなっていたのだとしたら 飛行しているときに マンションの壁に 衝突したので 所謂頭部に大きなダメージを貰ってしまったのかもしれません。幸いなことに 頭部に特に外傷もなければ 触診してもそれ程嫌がりませんから 正面衝突ではなくて かすった程度の接触だったのかもしれません。
昨日よりも本日の方が 症状が改善しているのは 時間薬もあるのでしょうが 瞬膜の周期的な飛び出しのある状態では あまり食欲がないのは当然だと思えますので 取り敢えず東部のダメージの程度を軽くするために 脳圧を下げる薬と 消炎剤それと抗生物質を投与してみる事にしました。皮下に注射したところで 食べやすそうなペースト状のキャットフードを食べやすいように 缶に入ったまま目の前に置いてみました。鰹節をかけて 香りをよくしてあげると 少しずつ缶詰をつつき始めてくれました。暫く食べたいだけ食べさせてから 水をやはり飲みやすいようにコップに入れて与えてみると 美味しそうに飲んでくれました。
取り敢えず空腹とのどの渇きが癒されたみたいで 診察室にも少し慣れてきたみたいなので 床におろして様子を見ると 何とか自力で立ち上がろうとしました。更には羽ばたこうとまでしてくれました。取り敢えずは両方の羽根も足も 満足に動かせそうな状態のようです。連れてこられた方が 鳥を飼っておられるので 鳥の面倒をみるのにはなれておられるみたいでしたので カラスは雑食性なので 人間の食べるものなら殆ど何でも食べるはずなので 塩分過多にならないように注意していただいて 食べやすい器に入れて与えてもらい 注射で投与したのと同じ内容の飲み薬を渡して 朝晩に投与していただくことにしました。
割と年齢も若いようなので 回復力もそこそこありそうですから 頭部に受けたダメージが治まってしまえば 恐らく自然に帰れる見込みが強いと判断しましたので そのようにお連れ頂いた方に説明して 内用薬をお渡ししてお帰り頂きました。どれくらいの日数で 飛び立っていってくれるかは分かりませんが上手に面倒をみてあげて頂ければ 自然の世界に帰ってもらえると思います。当院では 治療費の半分は 当院が負担しますが 残りの半分は保護して連れてこられた方に負担していただいております。正直申し上げて EPARKを通じて連絡してこられましたので そちらにも紹介手数料を持っていかれますので 殆ど当院の利益はありませんが 不慮の事故で傷ついて弱ってしまったカラスが 順調に回復してくれて 元気に自然の世界に戻ってくれましたら 取り敢えずはとても嬉しいです。野生動物の治療に消極的な病院が多いのは 利益が殆ど期待できないから 致し方のないことなのかもしれませんが 残念です。

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