9月5日 グリーンイグアナとすっぽん という爬虫類が来院しました

グリーンイグアナは 鮮やかな緑糸の それなりに美しいトカゲです。体長が30センチ位とシッポも同じぐらいの長さのかなり大きめの子でした。見た目は結構いかつくて恐ろしげですが 性格は私が診察したイグアナは皆穏やかで大人しかったです。そんなにたくさん診たわけではないので ひょっとしたら気の荒い子もいるのかもしれませんが 咬みつかれたり引搔かれたりしたことはありません。
本日来院した子は 目の周りを痒がり掻き毟っていました。まぶたの部分がかなり炎症がひどくて 元々瞼は皮膚が薄くてもろいので 出血までしていました。取り敢えず掻き毟らないようにエリカラーを装着しました。首の部分にくびれがないので 前足にたすき掛けの要領で包帯をかけて固定しました。炎症の原因は 分りませんが 炎症の起こっている瞼を消毒して 抗生剤を目に入ってもいい様に眼軟膏を塗布してもらう事にしました。炎症の程度がかなりひどいので 念のために内服薬で やはり抗生剤と消炎剤を渡しました。甘くて美味しいシロップなので 注射ポンプで規定量飲ませてもらいますが そんなに難しくはないと思います。
大人しい子みたいですから きちんと消毒して軟膏を塗布してもらえれば 内服薬も併用していますから 割とすんなりと回復に向かってもらえると思います。いつも不思議に思うのですが 爬虫類を好んで買っている飼い主さんには 大人しそうな女の子が多いように思います。この子の飼い主さんも やはり二十歳前後の もうお勤めされているみたいでしたが 可愛らしい女の子でした。普通の女の子なら 巨大なトカゲなんて 気持ち悪がりそうな気もしますが そういえばナーちゃんも大の爬虫類好きで 大きな蛇を首にまいたり トカゲに頬ずりして喜んでいましたから 近頃そういう趣味の女の子が増えているのかもしれません。
続いて 頻回に下痢をしているというすっぽんが来院しました。すっぽんは 基本的に水中で生活していますが 普段は排便するとウンチが水槽の底に形をとどめたまま沈んでいるのに ここ二三日は 水中に排泄されるとすぐに水に溶けてしまうので下痢をしていると判断されたのだそうです。すっぽんは一度咬みついたら 容易にはなれてくれないので有名な動物ですから 手袋をはめて様子を観察しました。基本的に人にはなれない動物だと思いますので 飼い主さんも慎重に扱っていました。
体重を測ったり 甲羅や手足の状態を観察しながら 慎重に診察していたら たまたま排便してくれましたので ウンチの様子を観察しましたが 確かに泥状便で下痢をしているのは間違いないようです。食欲や元気は 普段と変わりないのだそうですので 取り敢えずは整腸剤と腸の粘膜を保護する収斂剤を内服で投与して 様子を見てもらう事にしました。正直な所 カメやすっぽんの診察経験はあまり多くありませんが これまでに爬虫類の下痢はその類のお薬で効果が出ているみたいなので 何とか便の状態も改善してくれると思います。
はっきり申し上げて 爬虫類の顔に表情があるのかどうか 疑問に思いますが 飼い主さんが仰ることには 先生の顔を見て 喜んでいるので 先生の事が好きみたいなのだそうです。以前にもやはり爬虫類の飼い主さんから 似たような事を言われました。飼い主さんには 動物の微妙の顔つきの違いが分かるのかもしれませんから 私は結構爬虫類の人気があるのかもしれませんけれど まあ飼い主さんのおべんちゃらと受け取っておいた方が無難かもしれません。
爬虫類の類をペットにする方も徐々に増えているのかもしれませんが 本日はたまたまに弾き続けて来院してくれましたので 雰囲気が変わって楽しかったです。普段は 犬猫が患者さんの大半ですので たまに異なる種類の動物を診察できると 勉強にもなりますし 楽しくもありますので 色んな種類の動物が来院してくれると 嬉しいです。

ブログ一覧