10月9日 本日は語呂合わせで 塾の日なのだそうです

私は塾に生徒として通ったことはありません。素直な性格ではないので 人から個人的にものを教わることがあまり得意ではないからかもしれません。でも岐阜大学に通っていたころには 塾の先生のアルバイトで生計を立てていました。最初は規模の小さな塾で働いていました。一人である地域の教室を任されて 小学生から中学生まで 全教科を教えていました。

岐阜という田舎の 更に片田舎の地域でしたから 教える内容も教科書に毛が生えた程度のかなりレベルの低い授業内容でしたから 教えていてもあんまり張り合いが感じられませんでしたが 週に四日働けば月に十万円以上は稼げましたから 生活のためにそれなりに頑張っていました。

大学の同じクラスで やはり塾の先生のアルバイトでガンガン稼いでいる友達がいました。その友人はかなり大きな規模の塾に通っていました。話を聞いていると いわゆる高校受験を目指した塾で 生徒もそれなりにやる気がありそうで 面白そうに感じました。一度見学に出かけてみると 私が普通の大学生よりも年齢が上なので それなりに貫録もありそうに見えたのかもしれませんが 何時頃から働けるのかとか 担当したい科目を問われました。

一応中学生相手なら どの科目でも教えられる自身はありましたが 数学や英語はライバルが多いだろうと考えて 一番競争率の低そうな国語を担当したいと答えました。案の定 国語の先生は数が少ないみたいで 見学に出かけたその日のうちに 中一のクラスの国語の授業を試しにやるように 指示されました。

初めてみる教材だし 勿論教室も受け持つ生徒も初めて なのでかなり途惑いもありましたが まあぶっつけ本番で授業を始めてみました。塾の偉いさんが教室にやってきて私の授業の様子を見るのかと思っていましたが 教室には生徒しかいませんでした。取り敢えず自己紹介をしてから 面白おかしく授業を始めました。私も一応は関西人ですから 中学生をおだてて透かして 関西から来たおもろいオッサンになり切り50分間の授業を終えました。

後から知ったのですが その教室にはマイクが仕掛けられていて 授業の最初から最後までが一言残らず 塾長たちのいる部屋に流れていたのだそうです。その授業の様子から判断して 私は無事その塾の国語の講師として採用が決まったようでした。大きな塾ですから 各科目ごとに担当の講師が複数いました。国語の講師としては もと中学校の教師崩れのおばさんが何人かいました。しかし私は そのおばさんたちに負けたくなかったので 自分なりに努力して 中学レベルの国語の文法などを徹底的に勉強し直して 中学生に分かり易く かつユーモアたっぷりと面白おかしく説明しては 中学生が苦手な文法の知識を理解してもらうべく 懸命に授業を頑張りました。

その結果 その塾で進路指導に大変重要視される模擬試験の予想問題を作成して売り出しているのですが その問題集の国語の編集責任者のような役割を任されるまでになりました。塾からは正式に国語の講師として働かないかとの打診まで受けましたが 私としてはあくまで大学に通うための生活費稼ぎでしかありませんでしたから勿論丁重にお断りしました。

と言う訳で塾は 一時期の私の生活を支えてくれる大切なアルバイト先でした。その節は大変お世話になりました。勿論現在でも直ぐに塾の国語の先生としてバリバリ働ける自信がありますが 残念ながらこの歳になってはどこも雇ってくれないでしょう。中学生の職業体験学習で 今年も十一月にまた中学生が病院にやってきます。その子たちと話すと塾の教室で生徒と馬鹿話をしていたことが懐かしく思い出されることでしょう。

 

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