12月10日 直腸脱のハムスターが 深夜に運び込まれてきました

丁度十二時ごろで そろそろ寝ようとしているときに電話がかかってきて 対応すると 夕方までは何度もなかった ゴールデンハムスターの肛門から 腸が飛び出しているので 直ぐに診て欲しい との事でしたので 直ぐに来院してもらいました。この種類は ハムスターとしては大きな体格ですが 何しろ小さな生き物ですから 直ぐに体調の異常が 死につながりますので 迅速な治療が必要です。慌てて診察室の照明を点灯して 暖房のスイッチを入れて温めました・表のシャッターを開けた途端に駆けつけてこられましたので 慌ててカルテを作成して 直ぐに治療を始めました。
体格はそこそこ立派でしたが ここの所 下痢が続いていて 近所の病院にかかったのだけれども もらった薬を飲ませても 便の状態が良くならないという話でした。当然便の回数が増えていて お尻 肛門回りが晴れていて触ると噛みついてくるぐらいに 違和感が強かったみたいです。お尻の状態を診ると 確かに直腸が一センチ以上も飛び出していました。腸の状態は 充血していて腫れ上がっていましたから 相当に痛そうだし かなり出血しているみたいです。飛び出している腸の部分を取り敢えずは所毒液で洗浄して 浸透麻酔を含んだ潤滑剤を塗り 肛門内に押し戻そうとしました。
普通は 潤滑剤を塗れば 割とすんなりと肛門内に収まってくれるのですが この子の直腸は晴れ上がりがひどいので なかなか収まってくれません。焦らずに飛び出している直腸をマッサージして 解していると 何とか肛門内に収まってくれました。但し 収納するのに相当に苦労しましたから このまま放置すると 直ぐにまた直腸が飛び出してくる可能性が高いので しばらくの間肛門を 医療用の瞬間接着剤で 閉じ合わせておく必要があると判断しました。このような事態を予想して用意してあった接着剤で肛門をある程度しっかりと閉じ合わせました。これでしばらく間時間を稼いで 肛門が閉まりを取り戻すことを期待しようと思います。
以前に来院した犬で 同様の状態の子がいましたが その子の場合 これが三度目の直腸脱だという事で はみ出した直腸を収納して 接着剤で仮止めしましたが 十分もしないうちにまた脱腸してしまいましたので 致し方なく麻酔をかけて 肛門が開きすぎないように 三か所ほどナイロンの糸で縫合しました。高齢犬だったので 麻酔をかける事にも不安はありましたが 直腸脱の状態で放置しておくわけにもいきませんので 敢えて縫合してしまいました。それで何とか その時の直腸脱は治まりましたが その子もやはり普段から便が下痢気味だったので 検便をして寄生虫がいない事が確認できましたので 整腸剤をある程度長期間服用してもらって 便の状態を改善させれば 何とか脱腸を繰り返さなくなってくれました。
この病気は 体質にもよりますが 慢性的に繰り返す状態になってしまうと かなり厄介ですから 何とか今回限りで 治まってしまってくれることを期待します。内服で甘くて飲みやすい抗生剤と整腸剤のシロップを出しましたので そんなに嫌がらずに飲んでくれると思いますので 相当にぐったりした状態でしたから 早く元気を取り戻してほしいと思っております。

ブログ一覧