2月10日 1904年の本日 日本がロシアに宣戦布告しました

所謂 日露戦争が開戦した日なのです。ロシアは国土も人口も 軍事力を含めた国力でも日本と比較にならない位の大国です。そんな大国を相手に戦争を仕掛けるなんて 常識では考えられない出来事ですが 何とかヨーロッパの列強と肩を並べたかった当時の日本は せっかく日清戦争に勝利して得た中国の租借地を ロシアを中心とする三国干渉によって 変換させられましたから ロシアへの恨みが募っていたのかもしれません。利害の一致したイギリスと日英同盟を結べたので 勢いづいて大国ロシアに宣戦布告してしまったのです。

その後 何度も映画化されていますが 旅順 203高地を乃木将軍が多くの犠牲を出しながら 何とか攻略して 東郷さんがバルチック艦隊を日本海で打ち破りましたから その勢いで アメリカの仲介によって何とかポーツマス条約を結べました。戦争としては 序盤戦で日本が勝利して その勢いでなんとか戦争を終結させましたから 一応は日本が勝利した戦争と言われています。

しかし当時の両国の状態としては 日本側は開戦と同時にダッシュして何とかロケットスタートを切れましたが そこまでで力を使い果たしていました。ロシアにすれば 日本から三国干渉などで掠め取った租借地を奪い返されただけで ロシアの領土には日本軍は全く侵入もしていませんから この時点での戦争終結と言われても 例えばライオンの尻尾にアリがたかって咬みつかれたくらいの感覚しかないはずです。

もし大国ロシアが本腰を入れて 日本との戦争に乗り出して来れば それこそ赤子の手をひねるぐらいに簡単に 日本は叩きのめされていたはずです。日本の外交作戦が功を奏して イギリスやアメリカがうまく仲介してくれたために 何とか日本が有利な状態のままで 講和条約を結べたのです。

所がロシアにすれば 米英が仲介したので 両国の顔を立てて 戦争を終わらせただけで 戦争に負けた等と言う感覚は全くなかったはずです。日本はスタートダッシュには成功しましたが そこまでの国力しかなくて 青息吐息の状態だったわけで 形の上では一応日本に軍配が上がりましたが 決してロシアに打ち勝ったわけではありませんでした。

日本にすれば 「眠れる獅子」と恐れられていた中国に勝ち 更に大国ロシアとの戦争にまで 形の上では勝利を収めましたから 日本が列強と言われた欧米諸国と肩を並べたと 勘違いしてしまったのだと思います。その為に日露戦争で結ばれたポーツマス条約で 日本は国民が期待したほどには 大きな戦果が上がりませんでした。

この不満と勘違いが 第二次世界大戦における 超大国アメリカへの宣戦布告と言う 愚行につながったような気がします。第二次世界大戦でも 真珠湾攻撃はフライングで かえってアメリカ国民の士気を高めてしまう失敗だったのかもしれませんが 序盤戦は日本軍が快調に戦線を拡大していきました。しかしアメリカが本腰を入れて戦争に取り組んでからは その圧倒的な物量作戦に圧倒されてしまいました。

第二次世界大戦は 日本が対外的な戦争で経験した初めての敗戦でした。それまでのもう少し規模の小さな戦争で敗戦を経験していたら こんな無謀であり悲惨な結末をむかえる戦争は起こさずに済んだのかもしれません。

兎に角 日本人は日露戦争と言えば 日本が勝利した戦争と思い込んでいるのかもしれませんが ロシアにすれば 決して日本に敗れた戦争と言う認識はないはずですから 両国の見解の全く異なる戦争が始まったのが 本日と言う話でした。

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