7月15日 「海の日」なのだそうです

どうも自分が病院を開業してからは 祝日も仕事をしているからなのかもしれませんが 特に新しく制定された祝日には 馴染がないせいもあってか 興味が全くわきません。世間ではどのようにこの祝日を認知されているのでしょうか。子供にしてみれば 夏休み前の行きがけの駄賃みたいな連休ですから 勿論嬉しい存在なのでしょうが もともと祝日のなかった七月を八月に 大人の為に わざわざ作ったようなものです。何となく祝日のための祝日と言った雰囲気が感じられて 特にこの二つの祝日の存在には 私は懐疑的な気持ちになってしまいます。

本来の意味合いとしては 明治天皇が東北地方を巡幸されて7月20日に 明治丸と言う船で無事横浜港に帰って来られたので その日を「海の記念日」と言う呼び方をしておりました。当時はまだ 船による航海に国民が不安を持っていましたが 天皇陛下が無事に帰港されたので 国民も安心して船での旅が出来るようになったと言われている 大切な記念日だったのです。

そこで国民の祝日について取り仕切っている内閣府の木っ端役人どもが 自分たちの仕事をした爪痕を残したくて頑張って「海の日」という安易な発想の祝日を思いついたのでしょう。「海の恩恵に感謝し、海洋国家日本の繁栄を祝う」等と言う 本当に薄っぺらくて国民に全っく響かない 謳い文句でスタートしてしまいましたから 国民にとっては只の休日以外の何物でもない祝日としか認識されていないように思います。

それもスタートした時は 7月20日 と言う謂れのある日に固定されていましたが ハッピーマンデー法なんていう悪法の為に 毎年七月の第三月曜日 と定められてしまいましたから 本当にただの休日になってしまっております。 仕事を引退したら 毎日が日曜日になるわけですから 平日に祝日のような 普段は空いているはずの所が 混み合うかもしれない日は 歓迎したくないのであろうと思います。ゴールデンウィークなんていうどこに出かけても混み合う事が約束されている連休なんて 敢えて渋滞や行列を体験する為に出かけることはあるのかもしれませんが ひたすら自宅で静かにのんびりと暮らすことになるのであろうと思います。

一時期の日本人は 働き過ぎて世界から「エコノミックアニマル」なんて呼ばれた時期がありました。事実その頃の日本の経済力や技術力は 世界を席巻していたのかもしれません。しかし現在の日本は 人口が減少し始めた時期から その国としての勢いを一気に失ってしまいました。子供の学力なども一時期は世界のトップクラスでしたから 独創的でノーベル賞受賞者を量産することはないにしても 国民の平均的な知識力の水準は相当に高かったのです。所が世界のトップの座に安心しきって ゆとり教育なんて言う日本人の唯一の強みであった 平均的な学力を著しく低下させる愚かな教育改革を実行してしまい 世界のトップから自ら転げ落ちていってしまいました。

「メイドインジャパン」と言えば かつては世界が一目置くブランド力をほこっていました。所が現在では アジアの中でも中国 韓国に言いたい放題 やりたい放題を許している三流国に 成り下がってしまいました。日本と言う 国土が狭くて 資源も乏しい国が 唯一世界に誇れた 技術力を磨く努力を忘れてしまい その間に世界がどんどん技術力を高めてしまって あっと言う間に置いて行かれてしまいました。

そんなかつての勢いを無くして衰えてしまった日本が 今更必要性のない祝日を新設して 更にのんびりしてどうすんねんと思いますが 役人は何らかの自分の仕事の足跡を残したいので 形のある祝日を制定しようと頑張ったのでしょう。まあ一般的な国民にすれば 休みが増えてのんびりできるので 積極的な反対意見は出なかったのかもしれませんが こんな本来はキチンとした意味合いのある記念日だったのに つまらない 説得力と謂れのない祝日を作ることで キチンとした歴史のある祝日について考える気持ちをさらに薄めてしまうという愚かさに気づいている人間は ほんの少数のようです。

せっかくの海の日も 今年は冷夏の為か 海水浴場やプールは閑古鳥が鳴いていたみたいですから 全く無意味な祝日になってしまっていたように思います。勿論気象条件だけが原因ではなくて 国民に祝日を制定された意図が全く理解されていないからだと思いますから こんなくだらない祝日はさっさと廃止してしまった方がいい様に思うのは 私だけでしょうか。

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