8月16日 今年初めてツクツクボウシの鳴き声を聞きました

セミやトンボも種類によって 出没する時期が異なります。セミは名前の通りハルゼミがまず初夏に泣き始めます。うちの地域では アブラゼミ 続いてクマゼミ ニイニイゼミなどが鳴き始めます。夏のピークが過ぎてから泣き始めるのがツクツクボウシです。お盆を過ぎたとたんに ツクツクボウシが鳴き始めましたから やはり今年の夏も終わりに向ってスタートを切ったのかもしれません。心なしか 朝夕は少し涼しくて クーラーが無くても何とか過ごせるような気候になってきました。
トンボもセミ同様に 登場する時期があります。毎年暖かくなってくると 最初に目にするのが ムギワラトンボやシオカラトンボです。続いて 夏の盛りにはオニヤンマやギンヤンマを見かけるようになります。秋が近づいてくると ショウジョウトンボやアキアカネ 等の赤とんぼの類が姿を見せてくれるようになります。ですからそろそろ夕暮れ時に 赤とんぼの群れを見かける時期になってきたのかもしれません。
小学生の頃には 私の夏の最大の楽しみは 蝉取りでした。プールで泳ぐことよりもずっと楽しかったです。夏休みでもいつも通りに起床していた私は 朝ごはんを食べると 直ぐにでも網と虫かごを持って出かけたいのですが 我が家では午前中の涼しい時間は 宿題や当時ならっていたピアノやマリンバの練習が義務付けられていました。私が子供の頃には 真夏でも午前中はそこそこ涼しかったからかもしれません。何しろクーラーなんて どんなお金持ちの家にもなかった時代ですから 扇風機だけが頼りでした。
昼ご飯を食べ終わるとすぐにでも出かけたいのですが 丁度一番暑い盛りの時間帯ですから やはり母親から外出の許可が下りませんでした。妹と母と三人で お昼寝タイムでした。今なら大変ありがたいのですが 子供の頃は 全然眠くないし 外では蝉が大声で鳴いて 私を呼んでいましたから イライラしながら時間が過ぎるのを待ちました。太陽が少し傾いてから ようやく外出の許可が出ますから 勇んで蝉取りに出かけました。
私は情けない事に 子供の頃から目が悪くて 眼鏡をかけていました。ですから木にとまっている蝉をなかなかうまく発見できません。蝉取りに出かけた時によく一緒になっていた友人がいました。彼は 別に悪い奴じゃないけれども 学校のお勉強は サッパリできない人でした。教室で授業中は 私の方が完全に優位な立場にいたように思います。しかし彼は 凄く目がいいのと 蝉の鳴き声の発信場所を聞き取る能力が優れていましたから 耳も凄くよかったのかもしれません。蝉取りの場所では 完全に彼にイニシアチブを持って行かれていました。
普段 若干優位な立場にいるつもりでしたから 彼の風下に立つのは凄く悔しいけれども 現実に蝉の捕獲数に歴然とした差がありましたから 如何ともしがたかったです。でもガキだった私は 彼の方が上等の補虫網を持っていたからだ 等と言い訳をして 誤魔化していました。実際に彼が使用している補虫網は 数千円するものでしたし 私の網は 近所の文房具屋で購入した二百円の網でしたから 道具の優劣が 蝉の獲得数に反映しているだけだと 自分に言い聞かせて 気持ちを慰めていました。
しかしそんな風にして 頑張って捕獲したセミを 私は虫かごに入れて 満足そうに眺めるだけでした。そして数日でみんな間違いなく死にますから 死んでしまえばゴミ箱にポイするだけでした。蝉の人生は地中で何年も過ごして ようやく成熟して地上に這い出てきて 羽化してから ほんの十数日の短い地上暮らしです。そのわずかの時間のうちに交尾して子孫を残すために オスはメスを求めて ひっきりなしに鳴きつづけるのです。そんな僅かしかない地上での時間を 私は捕獲して 虫かごで最期を迎えさせるという 非常に残酷な仕打ちを繰り返していました。
今から思い返せば 蝉取りはなんと残酷な遊びだったのでしょうか。不思議と中学生になったとたんに 蝉取りに興味をなくしてしまいました。まあ夏休みは バレーボール部に入部しましたので 殆ど毎日その練習がありましたから せみとりどころではなくなってしまったのかもしれません。もう少ししたら 暗くなってくるとコオロギの鳴き声が聞こえてきます。そうなれば待望の秋もまじかかもしれませんから もう少しこの暑さを辛抱しましょう。

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