5月1日 私の高校の同窓生の輝く星である永長直人君が 紫綬褒章を受賞されることになりました

永長君の事は このブログで何度も自慢しておりますが 小学校と途中で転向しましたが中学校 そして高校まで かなり似たような道を歩んでまいりました。私もそこそこにはお勉強のできる子だったと思いますが 彼の学力は 既に小学三年生の頃から けた違いでした。小学校の三年生の時 確か一学期の途中だったと思いますが 彼が東京から転校してうちのクラスにやってきました。小学生ですから 直ぐにあだ名をつけようとしましたが ながおさと言う珍しくて大層な名前だったので 名字を音読みにして「えいちょう」と呼び始めました。
彼は普段はどちらかと言うと物静かな 目立たない男の子でした。小学生の場合運動能力が高いと 無条件にクラスの人気者になりますが 彼は運動の力はふつうでした。所が教室で授業を受けている時に 彼は豹変するのです。小学三年生なんて まだほんのガキですから 学校の先生の言う事は 絶対に正しいと信じていました。頭から疑ってみるなんてことはしたことがありませんでした。所が彼は 先生の発言やテストの問題に対して かなり懐疑的な気持ちで接していたようなのです。先生の発言にしろ テストの問題にしろ 曖昧であったり 答えが二通り以上になってしまうような表現に対して 直ぐにクレームをつけたのです。テストの問題のあやふやで不適切な表現を見つけると テスト中でしーんとしている教室の中に 彼の甲高い声「ミスプリントや」と言う言葉が何度も発せられました。
厳密にいうと ミスプリントではなくて 問題作成者の表現に曖昧で不適切な表現があった と言う事なのですが まあそこは子供の発言ですから大目に見ましょう。十日ほど経って彼のあだ名「えいちょう」に冠がつきました。「天才えいちょう」「ミスプリントの鬼えいちょう」と言うものでした。わずか十日ほどで クラスの誰もが認めるぐらいに 彼の学力がずば抜けていたのです。そして授業の受け方や教材の受け入れ方にも 根本的に我々凡人とは異なっていたことに誰もが気づいたのです。私もそこそこお勉強のできる方だと自惚れておりましたが 彼の足元にも及ばないことにたった十日で気付いたのですから 私たちも凡人なりに 適切な判断をして 非常に的を得たニックネームをつけたように思います。
数日前の同窓会の報告の所で 書きましたが 彼は高校の模擬試験で 数学ではいつも満点を取っていました。十段階の内申が十と九の子ばかりが集まっていて 200点満点で平均点が80~90点のテストでの話です。ちなみに私は一度も100店の大台越えをしたことがありませんでした。先生たちは 平均点が100点を超えないように そして最高点が130~140点ぐらいになるように 考えて問題の難易度を設定していました。所が 永長君だけが 何時も楽々と満点を獲得するので 我々が受けた年の数学の問題の難易度が徐々に上がってしまい その分当然全体の平均点が下がっていったのだそうです。
最後の模擬試験の時に 数学の先生たちが意地になって 高校生の知識の範囲では絶対に解けない問題を一問加えたのだそうです。さすがに彼も解けなかったみたいで 連続満点の記録は最後に途切れたのだそうで その時には 数学の先生たちが ガッツポーズを取ったのだそうですが あまりにも大人げない話のような気もします。まあ永長君にしてみれば その問題が高校生のレベルを大幅に超えている事には 当然気付いていたでしょうから 本当なら「先生ミスプリントや」と叫びたかったのかもしれませんが 流石に高校生になっていましたから 辛抱したのでしょう。
その彼が 小学生の時に「将来の夢」と言う作文を書かされた時に 「将来は学者になって ノーベル賞を取りたい」と記していました。普通の小学校三年生は ノーベル賞の存在も意味合いも全然わかりませんから へーと感心するばかりでしたが 普通の子は「プロ野球の選手になりたい」とか[社長さんになってお金を稼ぎたい」女の子なら「学校の先生や看護婦さんになりたい」なんて可愛らしい事を書いている時に やはり彼だけは次元の異なる作文を書いていました。
紫綬褒章とは 学術や芸術 技術開発などの功労者やスポーツで顕著な成績を残した人に与えられるものなのだそうです。このような勲章の類は 望んで頑張って頂けるものではないと思いますが まあ彼の念願は ノーベル賞の受賞ですから 今回の受賞は 単なる通過点に過ぎないのかもしれません。学者や政治家の世界では 還暦60歳なんて まだまだ駆け出しの若造なのかもしれませんが できたらわたしがいきているうちに ノーベル賞を受賞してほしいものです。
まあどえらい秀才の 永長君と 同級生だったという事しか自慢の種がないのも 悲しいのですが 自分の身にそんな立派なことが今後とも起こるはずもないことは自覚しておりますので 友人の名誉を素直にほめたたえようと思います。

ブログ一覧