8月20日 エビフライの頭

 エビ、カニは食材として好まれる方が多いと思いますが エビフライは別に名古屋の方でなくても 嫌いな方は珍しいと思います。うちの奥様も結構お好きみたいで 食事に出かけた時割と注文されます。所が 頭の部分はお気に召さないみたいで殆ど食べられません。
 エビの頭の部分には内臓である味噌が詰まっています。子供の頃には詰まっている味噌が気持ち悪くて とても食べられませんでした。所が大学時代の友人とたまたま一緒にエビフライを食べた時に その友人が頭の部分をさもおいしそうに食べていました。私が残そうとすると欲しいというので差し出すと喜んでまたさも美味しそうに食べていました。その時の美味しそうな表情が印象に残って その次にエビフライを食べた時に 私もチャレンジしてみました。
 エビの味噌はどんな味と問われても上手に表現するのが難しい微妙な美味しさでしたが 私も悪くないなと思えました。それ以来エビの頭はどちらかというと好物になり他人が残していると貰ってまで食べるようになりました。お寿司屋さんでもボタンエビなどを握ってもらったら 必ず頭の部分をあぶってもらって食べさせてもらうようになりました。だから奥様がエビフライの頭を残した時も必ず私が喜んで頂戴して食べています。
 カニみそもやはり 子供の頃は色彩的にも形状的にも とても人間の食べ物とは思い難く 勿論苦手でした。所がやはり大学時代の友人(勿論先ほどの友人とは別人です)が べっとりとカニみそのついた甲羅に 日本酒を注いで カニみそを酒に溶かして 非常に美味しそうに飲み干したのを見て 私もやってみたくなりました。ただし私は酒が飲めないので 甲羅に日本酒ではなくて お吸い物の御出汁を注いで カニみそを溶かして飲んでみました。初めてで何とも表現しがたいのですが 凄く美味しく感じました。それ以来カニみそを解したかにのみと混ぜても美味しいし カニみそだけを口に入れても美味しく感じるようになりました。私はたまたまこの二人の友人と一緒にエビやカニを食べなければその味噌の美味しさを知らずに生きてきたかもしれませんので 感謝しています。
 子供の頃食べられなくて 大人になってから当然味覚も好みも食習慣も変わるからでしょうが 大好きになった食べ物がいろいろとあります。以前にこの日記にも書きましたが 納豆がその代表です。それから。この季節には絶対食べたいのか焼きナスです。ナスビ自体が色的にもあまり子供の評判はよくなさそうですが その食感と言い ほろ苦い味も子供には受け入れ難いと思います。焼きナスを食べて初めて美味しいと感じたのは 高校の頃です。凄く暑い夏の日に おなかペコペコで家に帰り着いて まずは冷えた麦茶を大量に飲んでのどの渇きをいやしました。その後凄く空腹を感じて 食べ物を探しました。母親は外出中ですので自分で何か食べ物をつくろうかと思いましたがその頃の私のレパートリーはインスタントラーメンだけで とても暑いのでラーメンは食べたくありませんでした。ご飯は炊き立てみたいでタップリとありましたから、漬物か佃煮でもあればそれをおかずに食べようと思ったのですが運悪くそのたぐいのものがふりかけなどを含めても全然見当たりませんでした。冷蔵庫には母親が出かける前に用意したらしい焼きナスがありました。子供の頃にチャレンジして そのほろ苦さにへきえきとしたのを覚えていましたが他にないので少しだけ皿に取り 父親がしているように鰹節をかけて薬味に生姜をのせて 味ぽんをかけて食べてみました。カツオの良い香りを生姜がピリッとひき立てポン酢の酸味が茄子の甘さを強調して 凄く美味しく感じました。予想に反する焼きナスの美味しさに夢中になって食べてしまい あっという間に茶わん三杯のご飯と作り置きしてあった焼きナスの半分近くを食べてしまいました。それ以来ナスビ自体が好きになり いまでは田楽や麻婆ナスも好物です。焼きナスは一般的にはビールのあてかもしれませんが 下戸の私には素晴らしいご飯のお供です。

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