9月5日 東京五輪招致問題について思う事

 もうすぐ2020年の五輪開催地が決まります。東京は結構可能性が高そうな下馬評ですが。福島の原発事故に関する警戒感が 日本国内での感じ方と海外の方々の受け止め方には雲泥の差がありそうなので 私はかなり難しいのではないかと思っています。
 大体五輪を招致できれば それだけでかなりの経済効果が期待される試算があちらこちらから発表されていますが 五輪後の事も考え合わせると 本当のところはどうなのでしょうか。決まる前から建設業などの五輪開催により儲かりそうな企業の株価が上昇している所が、いかにも胡散臭く感じてしまいます。
 もし本当に招致されれば五輪終了後には維持費ばかりを食って厄介者になるのが明白だけれども 国としてのメンツがあるのでそこそこ立派な箱モノが建設されるし古くなった高速道路の修復などにも拍車がかかりそうだし、競技を観戦するための観光客が五輪開催中は相当数見込まれますから特定の産業が一時的に潤うのは間違いないと思います。
 確実に税金が大量に投入されて 箱モノ建設や道路整備で ゼネコンにすれば有難い限りでしょうが その付けが回ってくる国民にとっては決して喜べる状況ではないように思います。オリンピックが終了すれば残った箱モノの維持費で莫大な税金がまた確実に無駄遣いされ続けるのです。そんなことは過去数回の五輪を開催した都市の現状をみれば明らかでしょう。
 その様なごく一部の企業の利益のためにしかならないと思われる五輪の招致を頑張っている東京の都知事は 先代の暴言吐きまくり知事と似たり寄ったりの困った存在だと思いますが まあ私は東京都民ではないのでぼやいても仕方が無いのかもしれません。
 もう一つ私が不愉快に感じる事は 「五輪開催が決まれば数兆円の経済効果」等という信用性のなさそうな試算に 国民が浮かれているうちに ドサクサにまぎれたみたいに政府が消費税を上げてしまおうとしているのではないかという疑問です。安倍首相は秋までに経済の動向を見て消費税を上げるのかどうか判断する等と適当なこと言って先延ばしにしていますが結局は五輪招致の結果待ちをしているだけだと思うのは私だけでしょうか。
 五輪開催で経済的に潤うのがごく限られた範囲の人たちだがごく限られた時期けだと思いますから アベノミクスと同様で実態の伴わないほんのまやかしの経済効果だと思います。そもそもアベノミクスという言葉が使われるようになってからかなりの月日が経ちますが 我々庶民の生活にとって何か有難い変化が見られているのでしょうか。我々の生活には直結しないけれど 様々な方面への税金の湯水の様なばらまきによる国の借金のさらなる増加、諸々の料金の値上げ、円安の影響で食料品などの輸入商品の値上がり、おまけに消費税のアップ、等など我々の生活は苦しくなる一方です。
 安倍首相とすれば憲法を改正するために高い支持率を維持したいのは分からんでもないけれど、実際にやろうとしているのは憲法を改正するハードルを下げる改正だけのように思えます。本当に日本の将来を考えているのなら 憲法改正のハードルを下げてから 日本の為に具体的にどのように憲法を改正していきたいのか示すべきではないでしょうか。その様なビジョンの見えない政治家に当分日本の首相を務められる体制が出来上がったのは私としてはすごく残念ですがそのような体制を選択したのは日本の国民だからいたし方が無いのだろうとも思います。

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