1月1日 明けましておめでとうございます

子供の頃から思っていたのですが どうして新年を迎えることがおめでたいのか よく分りませんでした。年末の恐らくその年合うのが最後と思われる場合 別れ際に「よいお年をお迎えください」等と挨拶をして別れますが 良い年を迎える という意味もよく分りませんでした。時間と言うものは 何時も当たり前に過ぎていきますし 大晦日の24時間が 過ぎれば 極当たり前にあくる年の一月一日が始まるのです。別に何にも頑張らなくても 信念は自然とやってくるのです。どうして極当たり前に起こることが おめでたいのか ぶっちゃけ還暦になってしまった今でも私には あまりピンときません。
普通の御勤め人でご家族がいらっしゃれば 年末には 仕事もお休みになり 大掃除をしたり お正月を迎える準備をしたりして 年末を慌ただしく過ごされれば 無事に準備が整って 改まった気持ちで新年を迎えられる方なら いいお正月が迎えられて 少なくとも三が日位は お酒でも飲みながら テレビの正月番組でも見ながら わいわいガヤガヤ賑やかに楽しいお正月を過ごされるのなら おめでたい気持ちになられてもいいのかな とは思います。
でも私にとって 年末年始は 対応される病院の数がごく限られますから ある意味仕事のかき入れ時で 普段かかっておられない方からも 緊急事態になったら お電話を頂いて 診察させていただき 稼がせて頂けますから お仕事が忙しい方が 売り上げも上がりますし 正直充実感を味わえます。決してペットの緊急事態を待ちわびているわけではありませんが 困っていらっしゃる方のお役にたてて 幸せを感じられます。
ですから このブログを書きながらも ペットの緊急時のお電話をお待ちしている次第なのです。本日も 交通事故に遭遇してしまって 緊急手術を終えて 今このブログを打ち込んでおります。かなり危ない状態で運ばれてきましたが 何とか一命は取り留めてくれそうなので ホッとしています。毎年のこととはいえ お正月は 結構スリリングな手術を行いますので 勿論その分疲れますが やりがいを感じられる仕事が出来て 嬉しい限りです。
動物病院の経営は こんな風にやりがいを感じられて 肉体的にはしんどくても 達成感があり 幸せを感じられるときも勿論ありますが 一日も早くこの仕事を引退したいと感じるような事も 少なくありません。年末に来院した ヒョウモントカゲモドキが入院したことがありました。そもそも仕事の為だから仕方がないのかもしれませんが 一週間の出張の間 全く面倒をみないでほったらかしにしておいて 帰って来てからみたら 左目が掻き毟ったようで腫れあがっているので 診て欲しいという事でした。
診察すると 両目ともに結膜炎の状態がかなりひどいので 抗生剤と消炎剤の眼軟膏を 一日に数回塗布するように指示を出して 他に抗生剤と消炎剤を内服で処方して飼い主に投与してもらおうと思い そのように話しましたが 自分で薬を塗布したり 内服させたりする自信が無いので 入院させてくれと飼い主が言いました。犬猫はともかく それ以外の小鳥や小動物の場合 環境の変化のストレスが大きいので 入院させることには少なからぬリスクが伴う事や 軟膏の塗布やシロップを飲ませることはそれほど難しくないので 自宅で自分で面倒をみた方がいい と何度も説明しましたが どうしても預かってくれと飼い主が譲らないので 仕方なく入院と言う形で預かりました。もともと下痢気味であり 食欲も殆どない状態でしたから 私としては預かりたくなかったのですが 押し切られた形で預かりました。
まあある意味病院を信頼して預けてくれたのだと思えば 有難い事なので 何とか結膜炎と 全身状態を改善させて退院してもらおうと 出来る限りこまめに面倒をみることにしました。所が預かって一時間ほど 取り敢えずは体温が下がっていたので 暖かい環境に置いて元気が回復するのを待ちました。暖かい所で 多少は体温が上がったみたいで少しは活発に動けるようになってきましたので シロップの内服薬を飲ませようとしたら 急に泡状のものを 嘔吐し始めました。嘔吐を何度も繰り返すので 内服薬の投与は難しいと判断して 点滴での栄養補給と 制吐剤や抗生剤 消炎剤それに整腸剤などを混ぜて 皮下に注射することにしました。下痢も泥状で聞いていたよりも状態が悪そうでした。
それでも翌日には ある程度嘔吐と下痢が治まってきました。まあ一週間全然餌をもらっていないのですから 嘔吐や下痢として出るものが無くなっただけかもしれません。只見た目はある程度元気を取り戻してくれつつあるように感じて喜んでいましたが 三日目の朝には 完全に虫の息状態 いつ死ぬが分らない位の状態に悪化してしまいました。私としては うちの病院でできる治療を継続しても 残念ながら回復の可能性が低いと判断しましたので 何とか生きている状態で飼い主さんに返してあげたいと 飼い主に電話をかけました。何時まで持つかわからないので なるべく早く迎えに来てあげて欲しいと伝えましたが 仕事が忙しくて 何時ごろ迎えに行けるかわからないので 分ったら連絡をする と言う話でした。結局その日のうちに連絡が来ませんでした。
翌日までその子は 頑張ってくれましたが 夕方に力尽きて亡くなりました。結局その夜も飼い主からは 何の連絡もないままでしたので 病院を閉める時間に 飼い主に電話をかけると 留守電になっていたので 事の経過と結果を伝えて 少しでも早く遺体を引き取りに来てあげるようにメッセージを残しました。

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