1月18日 久し振りに野良猫の避妊手術をしました

避妊の手術とは 開腹して 子宮と卵巣を摘出する手術です。手術の結果 勿論望まれない妊娠する可能性が無くなりますが 同時に乳腺腫瘍や子宮蓄膿症などの病気の心配もなくなりますし、性格が穏やかになって 扱いやすくなる傾向も認められるなどの 幾つものメリットが考えられます。この野良猫は 家の物置に産んだばかりの子猫を引き連れてやって来て 居ついてしまったのだそうです。猫を連れてきた人たちは 将来的に猫を飼うつもりはないのだけれども 居ついてしまったからには可愛そうなので 追い出すつもりもないとのことでした。

ただこれ以上の数は とても受け入れられないので 離乳した時期みたいなので 親猫の避妊の手術を思いつかれたのだそうです。キャリーバックに餌を入れておいたら バックの中に入り込んだので 慌てて扉を閉じたら 何とか確保できたのだそうです。ですから 連れてきた人たちも全く抱っこもできない位に 人馴れしていない猫みたいなので 抜糸までに仲良くなれそうな可能性は少なくて 恐らく抜糸するときにも麻酔が必要になると思われます。

今までにもその家に居ついてしまった猫の避妊の手術は何度もしていますが 飼い主さんというか 猫を連れてきたおうちの人の話によると 手術が終わり十日後に抜糸をしてから 放してやると その家の人たちにえらい目に遭わされたような気持になるからでしょうが 直ぐに立ち去ってしまって 二度と顔を見せなくなるケースも少なくないみたいです。

野良猫を連れてきたおうちの人にすれば 良かれと思って避妊の手術をしてあげるのですが 勿論本人の同意を得ているわけではありませんから 手術を受けた猫にしてみれば その御宅とは相性が良くても 住んでいる人との相性が良くないと判断してしまうのかもしれません。手術をしてあげたおうちの人にすれば 野良猫の手術の場合は 当院では半額にサービスしていますが それでも抜糸までの十日間は入院も必要ですから 例え半額になっても ウン万円の費用が掛かってしまいます。

野良猫を連れてきた人にすれば わざわざ確保して 病院まで送り迎えもして ウン万円も支払って 結構大変な思いをしているはずなのに 手術をしてあげた猫には嫌われてしまうのですから 割の合わない出来事なのかもしれませんが まあその猫一家に居つかれてしまうよりも 出て行ってもらった方が 結果的には良かったのかもしれません。

手術をされた猫は 手術を始めるときに 筋肉注射で導入麻酔薬を投与されるときに 多少は怖い思いと痛みを感じるのかもしれませんが 手術が終わって目が覚めてみれば 傷口を舐めないように首にエリカラーを巻かれてはいますが 直ぐに歩き回れるぐらいですから 術後の痛みは殆ど感じていないのだと思います。抜糸までの十日間は 勿論犬舎の中だけの生活になりますが 暖房は効いているし 雨風にさらされることもなくて 餌も朝晩にきちんともらえますから 好き勝手に歩き回れる自由こそありませんが 野良猫でいるよりもずっと快適な生活のはずです。

極たまに十日間面倒をみている間に懐いてくれて そっと抱っこして抜糸のできる子もいますが 殆どの野良猫は抜糸をするために簡単な麻酔をかけなければならなくて そこでまた病院に対して嫌な感情を持ってしまうからなのかもしれませんが 結局は殆ど仲良くなれないままにお別れになってしまいます。

本日手術した子も恐らくは全然懐いてくれそうにもありませんから 寂しいお別れになってしまいそうです。でも取り敢えずこの子からは望まれない出産は無くなりますから 小さなことですが 野良猫の増加を防ぐのに少しでもお役にたてたのかもしれません。

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