1月4日 モンスターペイジェントが来院しました

昨夜の一時ごろに 急患の電話がありました。口から血を出しているとの訴えでした。老犬のミニチュアダックスという事なので 歯石による歯周病で歯茎から出血しているのかもしれません。肺からの出血による喀血かもしれません。胃からの出血による吐血の可能性も考えられます。口からの出血に備えて 血液検査やレントゲンの準備をして病院のシャッターを開けて患者が来院するのを待ちました。

所が電話があってから一時間を過ぎても来院しません。老犬という話だったので ひょっとしたら死亡したのかもしれません。勿論寿命が尽きて死亡しても致し方のない事ですが そのような場合は速やかにこちらにもその報告の電話があってしかるべきでしょう。こちらから電話をかけて ようやくその事情を知るケースも年に数回は経験します。

その様な場合、こちらは時間外に、それも深夜や早朝に緊急患者に対応できる準備をして待機していたのですから、当然キャンセル料を請求します。そんな時の患者の言い分は不思議なくらいワンパターンです。「電話をかけた時にキャンセル料を取られるという話は聞いていないから、そんなもの払えない」です。

確かに こちらも時間外に電話を受けた場合、患者の状態を確認してから来院する意思の有無を確認します。来る気があるのなら名前と住所と電話番号を確認してから 来院してもらう流れになります。確かにその電話でキャンセルした場合にキャンセル料を請求するような話は普通しません。しかしその言い分が通るのなら 電話で話した時に 治療をした時には治療費を請求するという事も話していません。こちらが治療費を請求しても 治療費を請求されるという話を聞いていないから払わない 等とそんな輩は理不尽な主張をするのでしょうか。

こちらは縁もゆかりもない他人からの電話を受けて その言葉を信じて深夜や早朝に治療の準備をしてそこそこの時間を待機しているのです。動物が来院前に死んでしまって 結果的に何もしなかったとしても キャンセル料を請求するのは 当然の流れであるはずなのに こちらが無茶な要求をしたかのように平然と拒否されてしまいます。まあ、こちらも時間外の早朝や深夜に治療をすれば2~3万円を短時間で稼がせていただくのですから その類のリスクがあるのは覚悟しておかなければならないのかもしれません。

昨夜も枚方市内の飼い主で ましてや深夜の一時に一時間以上たっても来院しないので もう来ないだろうと思ってシャッターを下ろそうとしたら、やっと来院しました。それだけのんびりと来院する位だから 緊急性は低いのだと判断して 慎重に問診をしてカルテを作り始めました。高齢であるだけに食事の与え方やきちんと予防しているのか否か、過去の病歴などが診断するうえで重要になって来るからです。「

飼い主は問診などいいから一刻も早く診察しろ、という雰囲気を醸し出していましたが、急いで診てもらいたいのなら 本来30分もかからない所から何故一時間以上もかけてのんびりと来院したのでしょう。こちらの質問に適切な答えが返ってこないので 仕方なく診察室に入るように言いました。

診察台に乗っている患者を初めて診たら 驚きました。殆ど呼吸をしていないのです。五秒に一回ぐらい弱弱しい呼吸をしています。聴診器を胸に当てたら 心拍も3~4秒に一回ぐらいで 辛うじて心臓が動いている状態でした。体温を測っても低すぎて体温計では測定できません。「なんでこんな状態になるまでほっといたんや」と私の正直な気持ちを思わずつぶやいてしまいました。

取り敢えずドライヤーを持ち込んで 犬の体をさすりながら温めました「この犬は90パーセント以上すでに死んでいますよ」と言って体をさするように飼い主を促しました。私のつぶやきがお気に召さなかったのか 飼い主は不貞腐れて体をさするんのを手伝おうともしません。それどころか診察室から出て行ってしまいました。しょうがないので他の付添いの飼い主に体をさするように指示しました。

身体をさすってもらいながら これからすることとしてはまず採血できるかどうか心臓が止まりかけていますから 不安ではありますが 血液の検査をして、必要に応じてレントゲンを取る事を説明していたら、診察室を出て言った飼い主が 「直ぐにつれて帰る」と言い出しました。

飼い主に治療の意志がないのなら 仕方がないので 体を温める処置もすぐに止めて帰ってもらう事にしました。正月の深夜二時ですから正月料金の一万円と深夜料金の一万円 合わせて時間外対応料として二万円、診察料として 実際には体を温める治療を始めていましたが分けるとややこしいので五千円請求しました。

所が 二万五千円の請求がまたまたお気に召さなかったみたいで ブーブー文句を言い出しました。三人で来院していましたが 三人が三人とも一斉に文句を言い出したのです。こちらとしては至極まともに対応したつもりですし 請求した金額も 誰に聞かれても恥ずかしくない金額だと確信しています。

結局一悶着があって ようやく持ち合わせがないので二万円だけ支払って 残額は翌日に支払う約束になりました。こんな輩が約束を守るとは思えないので 念の為残額をきちんと支払う事と住所と名前を一筆書いてもらいました。まあ一応証文はとりましたが それでも踏み倒す奴は平気で踏み倒します。

ようやく不愉快な患者が返ってくれたので 四日の日に手術の予約が入っていましたから 私はは少しでも睡眠を取ろうとして布団に潜り込みました。するとまた電話がかかってきて さっき来院したのはオバはんでしたが 今度はオッサンからでした。私は明日の仕事があるので話なら明日かけ直すように言いましたが 私の要求が不当であることを延々と訴えていました。「動物病院の深夜の時間外料金についてのサイトを調べたが お宅の請求は高すぎる」等と主張していました。私も興味があるのでどのようなサイトなのか具体的に尋ねたら その話はしなくなりました。嘘をつくのならもう少し賢い嘘をついてもらいたいと思います。

とにかく私はこんなわけの分からない電話に対応したくないので 強引に電話を切りました。しかし繰り返し電話をかけて来てわけの分からないことをわめいているのです。しょうがないので かかってきた電話を無視していると ようやく迷惑電話は収まりました。

所がこのモンスターペイジェントにかけられた迷惑はこれだけでは終わりませんでした。翌日というか同じ四日の昼過ぎき奴らはまたやってきたのです。昼過ぎの休診時間で 手術が思いのほか短時間で終わったので 私は受付カウンターに腰かけて 確定申告の準備をしていました。普段なら自動ドアにつっかえ棒をして開かないようにしておくのですが うっかりつっかえ棒をかましていなかったので外から勝手に病院内に昨夜の輩どもに侵入されてしまいました。

意外にも昨夜の未払い金を速やかに支払いに来たのかと思いましたが 残念ながら違いました。来たのはまた三人でオッサンが一人とオバはんが二人でした。とりあえず私は私の許可もなく強引に病院に侵入してきたので 病院から出ていけと主張しました。所がこの三人の輩は また一斉に独自のわけの分からない理論を展開して話し出しました。

オバはんが言う事には 昨夜は私のきつい言葉遣いが恐ろしくて うっかり支払いをしてしまったが昨夜支払った金まで返せなどとほざいています。三人のオバはんに一斉に文句を言われて 恐怖を感じたのはむしろ私のほうです。もう一人のオバはんは 日付がすでに四日になっている時間なのに正月料金を請求するのはおかしいなどとまたまたわけの分からん理屈をほざいています。深夜の一時や二時は感覚的にその前の日にとらえるのはごく自然な事だと思います。ラジオの深夜放送でオールナイトニッポンというのがありますが その土曜日の放送は厳密にいえば日曜日の午前一時から五時までの放送を言うのです。そもそも正月料金をいつまで貰うかは 私の病院では私がルールブックですから私が決めることです。

私も人間ですから 感情があります。同じような時間帯に診察しても 飼い主さんが時間外に診てもらえたことを凄く喜んでくれて その感謝の気持ちをダイレクトに訴えてこられた場合は 時間外対応料を頂かないケースもあります。逆に私の神経を逆なでするような飼い主具体的には動物を大切にしていない輩などからは シッカリト時間外の料金も頂きます。

私が病院から出ていくように何度求めても 居座って喚き散らして私の仕事の邪魔をするので 警察を呼ぼうとしたら オバはんの一人が自分が電話をすると言い出したので お任せしました。さすがに警察が到着した時に自分たちが不法侵入していたらば立場が悪くなるという事は幾ら馬鹿でもわかったようで やっと病院から出ていきましたので 私も事務仕事に戻りました。

ようやく警察が到着したようで オバはんが涙ながらに必死に警察のオッサンに訴えている気配でしたが 馬鹿はこれだから困ります。警察は原則として民事不介入なのです。警官はいきり立っている人のガスを抜くためにニコニコしながら話は聞いてくれますが 聞いてくれるだけで終わりです。病院内にももう一人の警官が入ってきて 住所や名前を確認します。何か言いたいことがあるかと尋ねられたので 昨夜から迷惑電話をかけられたり ついさっきも病院に不法侵入されて退去を求めても応じないし、証文のある金額の請求をしても払おうとしないので困っていると私が受けた被害をせつめいしました。きちんとした被害届を出すのなら警察署まで出向いてもらわないと困るという事だったので これ以上被害が発生するようなら そのようにすると話して 帰ってもらいました。三人の輩も警察と同時に消えたようなのでほっとしました。

サービスを提供する側とサービスを受ける側で トラブルが発生することは珍しくないと思います。そのようなばあい、サービスを提供する側が 近所の評判や口コミへの悪影響を恐れて どうしても下手に出る場合が多いのかもしれません。その為にサービスをする側が増長してどんどん理不尽な要求をするケースが 増えているように思います。

そもそも今回の当院のケースの場合は 迷惑電話を掛けられて安眠を妨害されたうえに 不法侵入してきて仕事の邪魔をされましたし、結局きちんと支払いもなされていないことなどから 明らかに私が被害者であるのに 相手の名前も住所も守秘義務の為に公開できません。所が私に散々迷惑をかけてくれて輩は うちの病院の名前を出して 悪口を言ったり インターネットに書き込んだりしてやりたい放題なのです。

こんなことはもちろん初めてではないので 私の病院の評判の悪さは半端なものじゃないことは分かっています。でも私を信頼して 当院に通って頂ける飼い主さんも それほど多いとは言えませんが 確実にいらっしゃいますから その方たちとのつながりを大切にして あと数年この仕事を頑張ろうと思います。

ブログ一覧