10月17日 1849年の本日 ショパンが39歳で亡くなられました

私も還暦を過ぎてしまいましたので この年になってくると 私よりもずっと若くして亡くなられたのに 後世に残る多大なる功績を残された方が 沢山いらっしゃることに 悲しい気持ちになります。私は このブログで何度も書きましたが ピアノの練習を十数年励んでおりましたので ショパンには特に思い入れがあります。ショパンの作品で 初めて弾いたのは 多分有名な「子犬のワルツ」だと思います。この曲はかなり有名でしたから おそらく初めて知っている曲を練習できたので 熱心に頑張りましたので 割と短期間で上手に弾けるようになった気がします。まあ技術的にも簡単な曲だったからかもしれませんが。
私は 発表会で割とショパンの曲を弾いた思い出があります。ショパンのマズルカや ノクターン ワルツ ポロネーズなどが先生から与えられて 頑張ってチャレンジしました。ワルツは 私の当時の技術よりも若干高めの曲でしたので 相当にてこずりました。でも本当に美しくて魅惑的な曲でしたので 大好きになり 何とか本番で聞く人にこの曲の良さを伝えたくて 懸命に練習しました。私は 腰抜け野郎ですから 非常に本番に弱くて 普段なら十回のうち九回はうまく弾けるバートを 大抵本番では失敗しますし 落ち着いてじっくりと聞かせたいバートを 駆け足で弾いてしまい 何にも伝えられなかったりする場合が多かったのです。でもその時に弾いたワルツは やっぱり懸命の練習に裏付けられた自信があったからか 奇跡的にすべてが上手くいって弾き終えることができました。私の人生 上手くいかないことだらけですから この時に人生のピークを迎えてしまったのかもしれません。
ポロネーズは はっきり言って 先生の選曲ミスではなかったのか と今でも思っています。私はピアノを弾く人間としては 致命的に手足が短く 従って指も太くて短いので 最初からこの曲を弾きこなすのは 無理だったのではないかと思います。勿論 大曲 難曲を与えてもらいましたから 名誉なことなのですが 上手く弾きこなせなくて 人前で恥をかくのは 私自身です。まあ子供が習っているピアノの発表会ですから お客さんといっても 殆どが出演者の家族や友達ぐらいしかいませんから 今から考えるとなんであんなに緊張していたのか不思議に思えますが とにかく大観衆の前で自分のピアノの腕前を披露するわけで 失敗したら大恥をかいてしまうぐらいの感覚でした。私はこのブログで何度も告白していますが 極端なあがり症の腰抜け野郎ですから 結果的には 勿論本番では上手く弾けませんでした。
それ以来 ショパンの曲は 他人が演奏するのを聞くのは 好きだけれどあんまり弾きたくないような苦手意識を持ってしまいました。所が 結果的に 私が自分なりに納得できる演奏が一度でもできれば 二度とピアノが弾けなくなってもいい と言うぐらいに 思い入れの強かった曲が やはりショパンのバラードの一番でしたから 不思議なものです。この曲にチャレンジするきっかけを作ったのは 一つ目の大学の同じクラスにいた ピアノがものすごく上手い友人でした。私も小学生のころからずっとピアノを習っていましたし それなりに一生懸命に練習していたつもりでしたので 私よりもピアノがうまいと感じる知り合いはあまりいませんでした。妹は 大阪音大のピアノ科を卒業していますが 実のところ私のほうが上手かったのではないかと自惚れております。事実子供のころには 同じ先生に習っていましたので 同じ発表会に出演していましたが 大抵私のほうが後からの出番でした。発表会の出演順は 出番が遅い方が 上手い人であるのが 相場です。
そのすごく上手な友人は 背がすらっと高くて 指もすんなりと長くて 十度(ドから二つ上のミまで)が簡単に弾けるので 身体的にピアノを弾くことで恵まれていたのは事実ですが その練習法がかなりストイックで すごく影響を受けておりました。その友人に勧められたのが ショパンのバラードの一番でした。最後のコーダの部分は相当に難しいけれど その前の部分までは 私の技術と表現力でも何とかかっこが付きそうなので 頑張ってみたら とアドバイスされましたので 勿論この曲はもともと大好きだったので 駄目もとで チャレンジしてみました。演奏時間は 一般的に六~七分で終わる曲ですが 初めの部分から少しずつ練習を始めて 問題の最後のコーダの部分まで 何とかインテンポ(一般的に演奏されるテンポ)で一年ぐらいかかりました。最後の難関のコーダの部分は 私の指の短さでは どうにも対応できなくて 納得のいく演奏がいくら頑張って練習を重ねても出来ませんでした。
まあ人間それぞれに持って生まれた器の大きさがあるのでしょうから どんなに頑張っても叶えられない願いがあることを思い知らされた時かもしれません。まあ私がどんなに頑張ったって ナーちゃんをお嫁さんには出来ないようなものでしょう。人生いろいろな問題と直面しますが 簡単にあきらめるべきではないのでしょうが 自分の大きさや立場を理解して 高望みすべきではない場合も少なからずあることを 実感させられた瞬間だったように思います。それでも私は ショパンが大好きです。このとても演奏するのが難しい曲を いとも簡単そうに弾きこなされているピアニストの方々を 心底尊敬してしまいます。

 

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