10月24日 犬の後肢の指にできた腫瘍を摘出しました

 三歳のミニチュアダックスの後ろ足の小指と薬指のまたの部分に腫瘍が出来てしまいました。本人は殆ど気にしていないので 大きくならなければ 放っておいても構わないと思ったのだけれども 一月で二倍近くに大きくなってしまったので 摘出することにしました。腫瘍に良性と悪性があるのはご存知の方も多いと思いますが 簡単に言うと良性とは大きくなるスピードが非常に遅くて その数が増えない腫瘍を言います。ですから逆に悪性とは 大きくなるスピードが速くて しかもその数がどんどん増殖する腫瘍のことです。
 この子の腫瘍は残念ながら大きくなるスピードが速かったので 悪性であり増殖する可能性も高いと判断したので摘出しました。腫瘍の大きさは直径が1センチ位で腫瘍の摘出手術をするものとしては大きいと言えませんが 指の股の部分であり皮膚に余裕がないので 根っこが残らないように十分に抉り取ってからの 皮膚の縫合が結構面倒でした。足の指先の良く動く部分でもあるので通常よりも細かい間隔で四針縫いました。
 傷口を舐めないようにエリカラーを装着するのですが 後ろ足の先でありダックスは胴体が長いのでかなり大きめのカラーを使用しました。ご飯が食べ辛いかもしれませんが 十日後の抜糸まで辛抱してもらうより仕方がないでしょう。
 大分前に別の子で 同じ部分の手術をした時にもやはり同様に大きめのエリカラーをして返しました。ところがその子か十日後に抜糸に来た時にはエリカラーが小さく切り取られていました。飼い主さんが言う事には エリカラーの為にご飯が食べ辛そうだったので 小さくエリカラーを切ったとの事でしたが 案の定傷口にはしっかりと口が届いたために縫合糸は全部無くなっており 傷口は完全に開いてしまっていました。勿論術後に返す時には不自由だろうけれども10日間の事だから辛抱させてくださいと 丁寧に説明してありましたが 飼い主さんの勝手な判断による行動の為に 一回り大きく縫い直しの手術をせざるを得なくなりました。
 当然ですが エリカラーは何も犬に対する嫌がらせで装着しているのではなくて 傷口がきちんと治癒するために必要だから装着しているのです。せめて 勝手な判断でエリカラーを切り取るときに電話で病院に確認を取ってもらえれば 縫い直ししなくても済んだのだと思います。くれぐれも病院の指示には素直に従うようにお願いします。
 縫合した部分が良く動く場所であり 足の先で汚れやすいので 毎日消毒して抗生剤の軟膏を塗布してもらうように渡しておきました。きちんとした飼い主さんなので 十日後には無事抜糸が出来ると思います。

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