１８９４年の本日　日本で初めて時刻表が売り出されたのだそうで　時刻表記念日と言われるようになりました。このブログでも何度か書いていると思いますが　私は一時期　時刻表にはまってしまい　毎月毎月交通公社の大判の時刻表を購入していた時代がありました。当時一冊が千円ぐらいしましたから　結構高価なものでしたが　毎月今月号が発売されるのを楽しみにしていました。

時刻表は基本的に列車の発着時間を羅列してある本ですから　その内容は　臨時列車がある場合を除いては　全然変わり映えしません。発着時間の改正が行われるたびに買い替えれば　それで事足りるはずでしたが　毎月はしる臨時列車や季節限定で走る特別列車の情報　新しくできた列車の情報などが知りたくて　毎月喜んで購入していました。

以前にも書きましたが　時刻表があると時刻表旅行ができるのが楽しいのです。その季節だけ走る臨時列車を利用して　紹介されている地方のお祭りなどを尋ねる旅行を企画するのが何とも楽しかったです。特にはまっていたのが岐阜大学時代で　学生ですから時間はたっぷりとありますが　何せ貧乏学生でしたから　時刻表旅行で　妄想して安上がりに旅行気分を味わっていました。時刻表はそこそこの価格がしましたが　妄想旅行をよりリアルにするためには致し方のない出費として納得していました。

妄想旅行はたいてい金曜日の夜に出発して月曜日の朝一で出発した駅に戻ってくるのが定番でした。旅行の予算は　サイコロを振って出た目の数×１００００円でした。サイコロで六の目が出れば　凄くリッチな旅行が楽しめましたが下手して一の目が出た時にはとんでもない貧乏旅行となりました。

リッチな旅行の場合はそこそこのホテルに宿泊します。宿泊するホテルも時刻表から選んで　その地方の特産品などを食べたり　お土産を買って帰ります。貧乏旅行の時には　運賃だけでお金がほとんど消えてなくなりますから。食料もおにぎりなどを持参して　ひどい時は駅のベンチで一泊する辛い旅行になりますが　自分で決めたルールなので　必ず旅行の予算以内で戻ってくるスケジュールを時刻表で立てました。お金は全然ないけれど　時間だけはたっぷりとある学生時代の楽しみでした。

私は実際に出かけない旅行ですら　綿密にスケジュールをたてないと気が済まない性分でしたから　本当に旅行に出かけるときには　猶更きっちりとした予定をたてました。何時何分に目的地の駅に到着したら　そこからバスに乗る場合は大判の時刻表ならほとんどのバスの時刻表までカバーされていましたから　バスに乗る予定まで立ててしまいました。

よく行き当たりばったりで　気分次第で旅行をする方が気楽で楽しいと仰る方がおられますが　私から見れば　行き当たりばったりではせっかくその地を訪れても　見どころを見逃してしまうかもしれませんし　効率よく見て回れないと　なんだかすごく損した気分になりそうなので　行き当たりばったりの無計画な旅行は私には絶対にできません。

私は旅行は一期一会だと思っています。その土地をそのタイミングで訪れることは二度とないと思いますから　せっかくその地に出かけたのですから　出来るだけ有意義に過ごしたいと思うのです。余裕のある方なら　またその地に別の機会に　例えば別の季節に訪れたら　また違った楽しみが見つかるかもしれない位にのんびりと構えられるのかもしれませんが　私はせっかちですし　けつの穴の小さい人間なので　また旅行する機会があれば一度来たことのある土地よりも未知の土地を訪れたくなると思いますから　本当に一期一会になってしまうと思います。

最近は旅行といえば　ディズニーランドですらちんけな軽の車を転がして出かけるぐらいですから　殆ど列車を使っての旅行は縁遠くなってしまいました。車の旅行は　荷物を車に積みっぱなしにできるので　凄く楽ちんで気に入っていますが　勿論運転はそれなりに神経を使いますし　疲れます。列車の旅には車では味わえない　のんびりとした気楽さと風情がありますから　もう少し年を取って運転がしんどくなったら　せいぜい鉄道を利用しての旅行を楽しもうと思っています。