11月21日 小さなマルチーズを二週間の予定でお預かりしました

私よりもそこそこ年上のご夫婦が大事に飼っておられるマルチーズがもう何年間も常連さんとして来院されているのですが 今度その子の面倒をみている飼い主さんが手術を受けるので二週間ほど入院するのだそうで その間お預かりすることになりました。入院される奥さんよりも そのご主人が更に年上なので 既に寝たきりの生活で 奥さんがいらっしゃらないとらちが日常生活が継続できない要介護状態なので 養護施設で一時預かりをお願いされたのだそうです。勿論その手続きも面倒でしょうし 寝たきりの方ですから送迎も大変だし かなりの費用が発生するのでしょうから ご主人を預かってもらうだけでも 色んな意味で負担が大きいみたいです。
更には かなり高齢のワンちゃん飼ってまでいるのですから 奥さんとしてはご自分が手術を受けるだけでも 精神的にも肉体的にもストレスが大きいのに 家族の預かり先を確保するだけでも 大変だと思います。この子は 病院の患者さんとしては 常連さんなのですが 当院がホテルの業務も行っていることをご存じなかったみたいで 以前にも似たような状況になった時に 近所のペットショップに預けたところ 滞在している間ずっと下痢が続いたのだそうで 余計に心配事が大きかったみたいです。今回は うちでお預かりしますから もし下痢が始まるようなら 原因を解明して 適切な処置をしますので 安心して預けられると仰っておられました。
預けられる犬にしたら 突然家から拉致されて 期限が何時までか分からないまま 見知らぬ環境に置かれるのですから その精神的なストレスは 人間が予想するよりも 遥かに大きいと思います。飼い主さん側の言い分としては 自分たちが遊びに出かけるわけではなくて 必要な手術を受けるためと 正当な理由があって 二週間ほど預かってもらうわけですが 預けられる犬からすると その理由も理解できないし 二週間たったら家に帰れる という希望すら持てないのです。ひょっとしたら 一生病院の入院室という 金属のすのこと金属の扉に囲まれた部屋に閉じ込められるのかもしれないという恐怖にずっと苛まれ続けるのです。
この子は 典型的な内弁慶で 家にいると 飼い主さんたちに威張り散らしており やりたい放題 噛みたい放題の生活をしていますが トリミングでちょくちょくお預かりしたら 病院では非常に大人しい 賢い子に変身します。勿論飼い主さんが 躾をする段階で舐められきってしまったがためにそんな困った状態になっているのですが きちんとした躾をしなかった 飼い主さんの自業自得のようにも思えます。ただこの子にしたら 病院にいる間は 遠慮しまくり 緊張しまくりの生活がしばらく続くのですから かなりしんどい思いをするのかもしれません。
以前にペットショップに預けられたときに 下痢が続いたのも そんな精神的なストレスが原因かもしれませんので 病院が暇なときは 私の足元でフリーの状態にしてあげて 事あるごとに声をかけたり 頭をなでたりして リラックスしてもらうように心掛けて 出来るだけ安心してのんびりと過ごしてもらおうと考えております。そうすれば下痢が始まらずに終わってくれるのかもしれません。少しでも快適に過ごして 元気よくご機嫌でお帰り頂くように 出来るだけの努力をしてみようと思っております。

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