12月12日 手術の経過と今後の見込み

 本日退院してから初めて診察を受けに市民病院へ出かけました。 傷口に詰めてあったガーゼを取り出して 中を消毒しました。傷口の回復は至って順調の様なのをきいて安心しました。ただ傷口がかなりでっかい穴ぼこになっているので そこに食べ物が侵入しないように仮説のふたを作ってもらいました。一週間後にきちんとしたふたが出来上がるので取り敢えず仮説のふたで辛抱するように言われました。今後は傷口の穴ぼこが歯ぐきが盛り上がって平らになるまで待つことになりそうですが 完全に盛り上がるまでは数か月かかるだろうと言われて少しがっかりしました。

 私としては傷口の抜糸が終わればほぼ通常の生活に戻れるのだと自分勝手に思い込んでいたからです、まあ、今更焦ってもしょうがないのでのんびりと完治するのを待つつもりです。食べるときに傷口にふたをしなければならないのが面倒ですし 結構違和感があってあまり美味しく食べられませんが まあこれにも慣れるより仕方がないので少しずつ馴染んでいこうと思います。まあ術後の経過としては 非常に順調との事ですので そのことを素直に喜びたいです。

 今日は昼から腫瘍の摘出手術をしました。飼い主さんから電話で予約を受けて 以前と同じくらいの大きさだと言われていたのでそのつもりでいたら 実際に診たところ私が以前に診察した時の二倍くらいに大きくなっていました。カルテに腫瘍の直径を記録しあるので間違いがないのですが まあ毎日見ている飼い主さんにすれば殆ど大きさが変わらなく感じてもしょうがないのかもしれませんが 手術をする私としては 結構驚きました。少しぐらい大きくなっていても やることは同じなので 文句を言わずに頑張りました。腫瘍の手術の場合 もしその根っこを少しでも残してしまうと そこから又再発するので 時間をかけて丁寧に腫瘍を残らず取り除きました。まず同じ部分からの再発は起こらない自信があります。

 外来の診察で診察して治療をするのも 勿論私の仕事ですが 手術をするときは一瞬の油断が死に直結しているので その緊張感から仕事をやり遂げた充実感が味わえるので 緊張するし疲れるけれど 手術は結構好きです。でも、私の病院でこれまでに手術は千回以上行っていますが 麻酔をかけただけで死んでしまった子が二人いました。

 当院では麻酔をかける場合 例えば心臓に病気を抱えているとか高齢である場合は術前検査をしっかりとしますが 若くて健康な子の場合は 術前検査をいたしません。亡くなった二人の子はどちらも若くて元気な子だったので勿論術前検査をしていませんでした。胸のレントゲンを撮り 血液検査で肝機能と腎機能をチェックするとなると 約一万円位飼い主さんの負担が大きくなります。心配な子の場合は勿論検査してからしか手術を実施しませんが 一般的に若くて元気な子の場合には殆ど分かりきった結果の出る検査をすることは 今後もないと思います。勿論術前検査をしたからと言って 完璧に手術の危険性を示唆してくれるとは限りません。体質的に麻酔薬と相性の悪い子と言うのは 極稀にいることは否定できませんが より慎重に手術と取り組むことで 解決していくしかないと思います。

 私の仕事は手術に限らず常に動物の健康と命に関わる仕事をしていますから 真剣に取り組みうっかりしたミスを絶対にしないように心掛けようと改めて決意致しました。たまにはビシッとしたブログの締めくくりで終わりたいと思います。

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