12月16日 ワクチンが無事薬屋さんから届くようになりました

先日このブログで 厚生労働省が強権を発動して 全てのメーカーの全ての動物用ワクチンの薬屋さんによる病院への販売を禁止したことをお知らせしました。新聞にも同様の記事が掲載されたみたいでしたが 心配して飼い主さんからのお問い合わせが メールや電話で何件か頂いてしまいました。正直申し上げて うちの病院はそれほど患者さんの数が多くありませんから ワクチンをうつ機会もそれほど多くありません。うちは団体割引がありますから たまに一度に多数の動物に摂取することがありますから そこそこストックはしておきますが 薬屋さんから 次に届けられるのが何時になるのか さっぱり見当がつきませんけれども 突然通告されましたので かなりびっくりしました。
何か特殊な薬剤が 急に品薄や製造中止になってしまい 手に入りにくくて困った経験は ないでもありませんでしたが 全てのメーカーの全ての種類の動物用ワクチンが 突然販売ストップになってしまったのはここ数十年でもなかったと思います。お役所にしてみれば たまには自分たちの存在をアピールしたくて 強権発動したいのかもしれませんが その影響が出る下々のものの気持ちを考えたことがあるのでしょうか。
例えばある種のワクチンによって 重篤な副作用 具体的には死亡事故が相次いで発生した と言うような事実があるのなら 取り敢えずは当面販売禁止にするのも致し方の無い事かもしれません。所が 今回の販売禁止になってしまった発端は 製薬メーカーから報告されたデーターに不備があった と言うような事らしいのです。少し前に自動車の燃費について 多少水増しの報告がなされていた それも調べていくと芋づる式に幾つものメーカーで同様の不正が発覚したことがありました。その為に 少なくとも関与が疑われる車種は 販売できなくなったみたいでした。
勿論 正確に報告すべきデーターを 自分たちに都合よく改ざんしていたわけですから 許されるべきことではありません。厳しい処罰が科せられるのは 致し方の無い事だと思います。でも実際に購入して走らせるユーザーから見れば 燃費が幾らか低くなるぐらいの事は それほど困ってしまう事ではないと思います。反ってその不正を値引き交渉の材料として買いたたくチャンスと考える人もいたかもしれません。走行中の安全性に関わる事ならば 話は別ですが 多少燃費をごまかして報告していた位は それほど大げさに騒ぎ立てるほどの事ではなかったように 私は思います。
今回のワクチンの件にしても 安全性を脅かす類の欠陥なら 勿論永久に販売禁止にすべきだと思いますが 報告されたデーターの不備位の事なら メーカーへの厳重注意位で済ませておいても 良かったのではないかと思います。数日前に薬屋さんから 連絡が入りまして いくつかのメーカーから徐々に販売が許されることになったのだそうです。当院で扱っているワクチンは 当面心配がなくなりました。正直ほっとしました。動物病院で 予防接種に対応できないと言う事は 喫茶店でコーヒーを切らしているような状態ですから 本当にヒヤヒヤしました。
只当面の危機は脱しましたが 結局の所 販売禁止の理由も納得のいくものではありませんでしたし 禁止が解かれた理由もきちんとした説明がありませんから よく分っていません。結局のところ おかみが下した販売禁止の判断も 禁止が説かれた理由もはっきりとは分からずじまいでしたが 下々のものとしては おかみの下した裁断に従うしかありませんから 極めて不愉快な事です。所詮 私のような小さな存在が文句を言っても 何にも始まらないし 何にも起こりません。悔しいけれどもこれが現実と受け入れざるを得ないのでしょう。

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