12月16日 本日はベートーベンの誕生日です

私はベートーベンが一番好きな作曲家だと思います。交響曲に限ればチャイコフスキーやブルックナーも同じぐらいに大好きですがピアノソナタやミサソレムニスという作品がある分 ベートーベンが一番です。私はその作品も大好きですが ベートーベンのその生き方がなんともカッコよくて大好きです。彼は二十代から鉛中毒が原因とされていますが 難聴に苦しみます。54歳で亡くなりましたがその人生の約半分は耳が聴こえない状態でした。音楽家が聴力を失うという事は 画家が目が見えなくなることに等しいのです。

一時期自殺を考えたこともありましたが 強靭な意志力で立ち直り耳が悪くなってから尚更素晴らしい作品を生み出しました。彼は自分の生み出した素晴らしい作品を音楽として味わうことなく死んでいったのです。これ以上の不幸はないと思います。それから彼の活動していた時代は 作曲家とは貴族に雇われる使用人という立場で あくまで雇われた貴族の為の作品を作り出すことを求められました。生計を立てるためには致し方のない事だったのかもしれませんが 彼はそのような雇われ作曲家になることを拒否して 一般大衆の為に音楽を生み出しました。その生き様がとてもカッコいいと思います。

それから当時は 「オペラ」「バレエ音楽」「受難曲」「協奏曲」の四つのジャンルの音楽を完成させてやっと一人前の音楽家 と評価されていたのに対して「ピアノソナタ」「弦楽四重奏曲」「交響曲」「合唱付きオーケストラ作品」この四つのジャンルの作品を完成させてこそ、即ち宗教の影響を受けない評価こそが一人前の音楽家の証であると主張したところが 音楽家=芸術家と自らを表現したベートーベンらしくてまたカッコいいと思います。

私はベートーベンの音楽そのものも凄く好きだし その作曲家としての生きざまにも強いあこがれを抱きます。好きな作品としてはこれまでにも何度がこのブログで書いたと思いますが交響曲五番「運命」です。特に第四楽章が大好きで 聴いたら余程拙い演奏でない限りは殆ど涙ぐみます。

次に好きな曲が交響曲でジャンルが被りますが7番です。あまり有名ではありませんでしたが「のだめ」でヒューチャ―されたので 耳にされた方は結構いらっしゃるのかもしれません。演奏時間は40分ほどで大して長くありませんが 演奏するのにはオーケストラが偉くしんどい思いをする難曲なのだそうです。独特の弾むような曲調がが好きです。

三番目に好きな曲がピアノソナタ32番作品番号111番です。彼の最後のピアノソナタですが本人にしてみればたまたま最後の作品になっただけで もう少し寿命が残っていれば もっと素晴らしい作品が残っていたのかもしれません。とにかく作品番号100番台のソナタはピアニストにしてみれば聖域のような作品で 私もピアノは十年以上先生について習いましたが 技術力は勿論表現力でも全く歯が立ちませんでした。

ベートーベンが亡くなった52歳という年齢が当時の平均寿命と比べてどうなのかなんて全然分かりませんが とにかく晩年の作品は全く耳が聴こえていない状態での作品であることを考慮すると 本当に奇跡のような出来栄えですから もう少し長生きして素晴らしい作品を生み出して欲しかったと思います。

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