12月20日 相撲界のごたごたが予想以上に長引いています

私は 昔はスポーツ好きで プロ野球なんて 四十年以上にわたって ドラゴンズの熱狂的なファンでした。しかしある事件をきっかけとしてドラゴンズと言う球団自体が嫌いになってしまいましたので それ以来プロ野球への興味が全くなくなってしまいました。高校野球や社会人野球も同様に 殆ど興味がありません。ラグビーやアメリカンフットボールにも大学生の頃に凄く熱くなりながら 観戦していましたが 現在はほんの少ししか興味が残っていません。
相撲については 子供の頃に晩御飯を食べながら NHKの放送をいつも見ていましたから それなりに面白かったのだと思います。子供の頃ですから 学校で相撲を取ることが時々ありましたから。高校生の頃に 一部の友人たちと 平幕の力士を十人自由にピックアップして その合計の勝ち星数競う トトカルチョのようなゲームが流行しましたので ほんの短い間だけは 熱心に観戦していましたが そのブームが去ってしまってからは 興味が薄れてしまいました。
相撲について 最近関心を盛った事件は 朝青龍が問題を起こして引退した問題と 今回の日馬富士の傷害事件でしょうか。相撲道とは 伝統ある日本の武道の一つであり その根本的な目的は 「人間形成の道」にあると言われています。厳密にいうと 相撲はスポーツではなくて 武道の一つなのです。スポーツは 明快に強いものが勝てばよいのです。結果として勝ったものが強いと単純に評価されて構わないのだと思います。
所が 相撲がスポーツ化してしまい 本来の目的である「人間形成」が十分に完成されていない力士が 単純に本場所の取り組みで 一定以上の成績を上げれば 確実に番付が上がってしまうようになってしまったことに モンゴル人横綱の問題行動につながっているのではないでしょうか。現在は変化しているのかもしれませんが 以前は本場所で二場所続けて優勝またはそれに準ずる成績を上げれば 横綱に推挙されると決まっていました。昔の番付には 大関までで横綱と言う地位は存在しませんでした。つまり横綱とは 超別格の飛び抜けた存在 という位置づけだったのです。
力士としての力量が抜群であることは勿論ですが 人間としての品格、心構えなども 全てにおいて一流であることが 横綱と言う地位には求められていたはずなのです。所がいつの間にか相撲がスポーツ化してしまい 一定以上の成績を上げさえすれば 力士としての運動能力だけで 正真出来てしまう制度に成り下がってしまっていたから 今回のような不祥事が起こってしまったのではないでしょうか。勿論相撲は勝負事で 毎日白黒がはっきり結果として残ってしまいますから 負けるよりもかった方が 嬉しいし 地位も上がれば 給料も上がり 当然人気も出るはずです。
力士を育てる親方としても 強い力士をたくさん育てれば 収入も上がるし 部屋としても人気が上がり 優秀な若者が入門してくれるので どうしても取組に勝って結果を残すモンゴル人に対して 礼儀や人の上に立つものとしての心構えなどを 厳しく指導する教育を サボってしまっていたのではないでしょうか。兎に角強ければ 地位が上がり 給料が上がり 人気もついてくる世界ですから 強ければ下のものに対する心遣いなど必要がないと思い込んでしまうのは致し方のない事かもしれません。
そもそも今回の騒動のきっかけとなったのは 被害者とされている若手力士が 胎児な先輩と身近で過ごす大切な集まりの時に 携帯電話の電源を切っておかなかったことに問題があるように思います。普通の会社で上司との大切な打ち合わせの時に 携帯の電源を切っておかないミスをしたら 最悪の場合 それだけで左遷されてしまうかもしれません。大切な大先輩 ましてやそんな礼儀をわきまえないミスに対して厳しいと評判のある大先輩と同席するのに 形態の電源を切っておかなかっただけではなくて その電話に対して何らかの対応をしてしまったのなら 礼儀に厳しい先輩が腹を立てて それなりの厳しい指導というか 折檻をするのは 致し方のない事かもしれません。
今回の事件に関しては 勿論人間同士の関係として 暴力に訴えることは 一般的に許されるべきではないのは当たり前かもしれませんが 格闘家同志の集まりで 後輩が先輩に対して失礼な行動をとったのですから ある程度の厳しい肉体に苦痛を伴う指導があっても しょうがない事かもしれません。只結果として 大けがを負わせてしまったのですから 度を越していた指導であったことは間違いのない事でしょうが 二人きりの場で起こったのではないのですし 酒の場での出来事ですから 周囲の人間が上手くとりなして 事なき方向に持っていくのが順当だったように思います。
横綱としての成績も 年齢も経験も全てで日馬富士を大きく上回る白鵬がその場に居合わせたのですから 白鵬が適切に動いていれば 今回のような刑事事件にまで発展して 結果的に日馬富士の引退にまでつながってしまう残念な結果には ならなかったのではないでしょうか。携帯電話の扱いについては 公共の場などで 若い人たちの礼儀や心遣い 遠慮などが感じられない無作法な態度に 非常に不愉快な思いをしているのは 私だけではないのでしょうから 先輩の日馬富士の腹立ちも理解できない事ではありません。
それから不思議に思えるのが 貴乃花親方の 非協力的な態度です。可愛い、愛弟子が大けがをさせられたのですから 怪我をさせた本人に対して腹立たしいのは 分らないでもありませんが 貴乃花の意固地な態度には 自分に対する 相撲協会の冷遇に対する腹いせの様な気持が 感じ取れます。先代の理事長であった北の湖親方は 貴乃花を高く評価して重要なポストを与えてくれていたけれでも現親方にトップが交代してからは 急に閑職に追いやられたのだそうです。不愉快な気持ちになるのは 当然かもしれませんが 世の中 公務員であれ サラリーマンであれ チームに所属するスポーツ選手であれ そのトップが交代することによって 抜擢されることもあれば 干されてしまう事もあるなんて 日常茶飯事です。自分が干されているから と言って 相撲協会に対して 非常に非協力的な態度に出るのは 平成の大横綱と評価されていた現役時代の名声に 自ら傷をつける事のように思います。
そもそも相撲自体に興味が殆どないので 今回の事件が どのように転んでどんな決着がつくのか 私にとっては どうでもいい事ですが 日本の伝統文化がごたついているのは とても残念に思ってしまいますので みんなの納得できるような結末を迎えて欲しいとだけ書いておきます。

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