12月20日 結石による尿閉の猫の処置を 二ひき続けてやりました

寒い季節になると 尿に結石ができやすくなるのか 尿結石によるおしっこ詰まりは冬に多い病気です。これまでにも幾度となく 尿結石の処置をこなしてきましたが 一日に二例もやったのは 初めての経験でした。初めの子は これまでにも何度か尿結石による尿閉を経験している猫でした。この病気は ある程度体質的な要因がありますから 一度かかった子は 一旦完治しても 予防的に食事療法を継続しなければ 再発するケースが多いので これまでにも何度も食事療法を続けるようにお願いしているのですが 結局は続かなくて 今回も再発してしまいました。
病院としては 食事療法を続けていただくよりも 再発して処置料を頂いた方が 効率よく儲かるので あまり熱心に食事療法の重要性を 飼い主さんに説明しない獣医師も結構いるみたいですが この病気は 再発を繰り返していると 結石の詰まった尿道にカテーテルを挿管する処置が難しくなっていきますから 最悪の場合 カテーテルが入らなくて 尿道の出口をお腹に引っ張り出して固定する手術をしなければならなくなるケースもあります。そんなことになってしまうと 猫本人の不自由さも大きいですが 飼い主さんの面倒を見る手間暇も 非常に大変なことになってしまいますから 出来るだけ再発を防ぐために 食事療法を継続していただくことがすごく大切だと 私は思います。今回も飼い主さんに 療法食の継続をお願いしましたが どうなるのかは 飼い主さんのお気持ち次第です。
軽い麻酔をかけて 鎮静化してから 処置を始めましたが 今回が四回目の処置でしたので 尿道の壁が 本来はすべすべのはずなのですが これまでに結石が詰まったところを強引にカテーテルを通してできた傷がある分 デコボコがあるから詰まり易い状態なので 入り口から膀胱までに 五か所も結石が詰まっていましたので かなりの時間と労力を要しましたが 何とか辛うじて カテーテルを挿管できました。カテーテルから充満していた尿を輩出して 膀胱内を洗浄して カテーテルをおちんちんの包皮に縫合して留置しました。五日間ほど留置しておけば 何とか通常の排尿ができるようになるだろうと思います。あとは飼い主さんが 食事療法を継続してくれるかどうかで 予後が決まるだろうと思います。
二匹目の猫は まだ二歳と若くて 初めての尿道結石の子でしたので カテーテルの挿管も割とスムーズにできましたし カテーテルを抜いても 自発的に排尿ができそうなので そのままカテーテルを留置しない状態で お返ししました。ただしこの子が再発を繰り返すのかどうかは 飼い主さんの意識次第だと思います。私としては 食事療法の必要性と 重要性を 丁寧にかつ熱心にお話ししたつもりですが 私の気持ちが上手く伝わったかどうかは やっぱり飼い主さん次第です。これまでの経験から申し上げると 食事療法を継続される飼い主さんは 約半数で 残念ながら継続してもらえなくて 再発を繰り返すことになる飼い主さんも半数位いらっしゃいます。
本日処置した猫ちゃんたちの飼い主さんが 何とか食事療法の大切さを理解していただいて 継続していただけることを 心よりお祈りいたします。

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