消費税を８パーセントに引き上げたいと言い出したのは　民主党の野田首相でした。勿論それだけが理由ではありませんが　総選挙で国民の反発を招いて民主党惨敗、自民党が政権与党に返り咲きました。自民党としてはつらい立場である野党の時期に頑張っていた谷垣さんから非常にラッキーなタイミングで総裁になった安倍ちゃんが別に何の功績もないのに　民主党がズッコケてくれたおかげで　歴史的大勝となる選挙の立役者の様に祭り上げられました。

増税法案自体は　民主党政権時代に可決されましたが　自民党は近いうちに総選挙をするという野田さんの手形をもらって同意しました。確かにその時期に安倍ちゃんは自民党のトップではありませんでしたが　自民党も同意の上で増税法案が成立していたのです。実際に増税されたのは安倍ちゃんが首相の時でした。でも安倍ちゃんは国民の機嫌取りのために８パーセントを１０パーセントに引き上げる時期を先延ばしして見せて　鬼の首でも取ったかのように国民にご機嫌取りをしたのです。わずか一年半先送りにしただけでは何の意味もないのにさも自分は国民の生活のために頑張っているというパフォーマンスでした。

次に安倍ちゃんが繰り出した国民へのご機嫌取りがアベノミクスです。確かにそれまでの政権がやろうとしてなかなか実行できなかった円安への誘導に成功しましたから　それまで苦しんでいた輸出に関わる産業は一気に息を吹き返しました。株価も上昇傾向でデフレからの脱却も可能でありそうな雰囲気を醸し出しました。そして一般庶民の給料までが上昇するという安倍ちゃんマジックに見事にひっかかって　総選挙でせっせと自民党に投票してしまって安倍ちゃんに絶対多数の議席数を与えてしまいました。

円安と言うのは　輸出と輸入　いわゆる貿易をするときの各国の貨幣の交換率において　日本の円の価値を下方修正されたことなのです。輸出に頼る傾向のある日本としては　円が安くなれば受け取れる代金が円に換算すると増えますから　表面的には儲かることになりますから　有難いことのように勘違いされている方が多いのかもしれませんが　円の価値が下がったと言う事は　日本の所有する資産のすべての価値が　それだけ下がってしまったことになりますから　決して手放しで喜べることではない事に気づくべきだと思います。それから円高による差益を殆ど実感できていなかったのかもしれませんが　円安による差損は　輸入に頼っている食料品の値上がりと言う形で　確実に国民の生活に負担をかけていることを忘れないようにすべきだと思います。

絶対多数の議席数を持ってしまいましたから　安倍ちゃんのやりたい放題時代の幕開けです。憲法改正は上手くいきませんでしたが　徐々にその本性を現し始めました。アベノミクスが幾ら進んでも庶民の収入が全く増えないばかりか　税金などは目立たないように上がって庶民の生活を苦しめていますし　年金なども受給額も目立たないけれど確実に減少傾向にありますし　ますます一般庶民が苦しい生活を強いられていることに　さすがにおバカな国民も気づき始めています。

そこで安倍ちゃんが始めた国民に対する次なるパフォーマンスが軽減税率だと思います。食料品などの生活必需品はお金持ちも庶民も必ず購入するものだから　税率を低くしよう　と言う小手先だけのパフォーマンスです。高率の消費税の先輩であるヨーロッパ諸国でも導入されていますが　メリットばかりではないようです。

第一に軽減する商品の線引きに公平性　客観性が反映されるのかどうか凄く疑問に思えます。食料品でも贅沢品なら軽減する必要はないのか　どの商品を贅沢品と指定するのかなど非常に複雑で細かい取り決めが必要になりそうです。取り決めが細かくなればなるほど　面倒な作業が　その商品を扱う業者さんに降りかかってきます。

よく例に出されているケースが　ファストフードなどをイートインすればそのままの税率で　テイクアウトすれば軽減税率が適用される場合です。そのお店で食べるのは贅沢で　持ち帰って店外で食べれば贅沢ではないのでしょうか。納得できる方がいらっしゃれば　納得できる根拠を説明してください。

軽減するにしても　全商品が一律に軽減されるのでしょうか。商品によって軽減される率が変わるのでしょうか。もし一律に軽減されないとすれば　軽減率を巡って　相当にもめることが予想されます。国民みんなが納得できるような軽減率なんてあるのでしょうか。動物病院の場合は軽減税率には当面関係無いように思いますが　サービス業でも軽減率が反映されるとしたら　対岸の火事ではなくなるのかもしれません。

何にしても　安倍ちゃんの国民へのご機嫌取りのためのパフォーマンスとしか思えない事で　国民に面倒な作業が押し付けられそうで　結局は国民の負担ばかりが増大しそうで心配です。一刻も早く安倍政権が惨めな終末を迎えることを切に望みます。