12月9日 麻薬金庫でトラブルが発生しました

このブログで何度も書きましたが 当院で手術などの為に麻酔をかけるとき 導入麻酔薬としてケタラールと言う薬剤を使用しています。以前は 普通の薬でしたから 問題なかったのですが どこかの馬鹿野郎がこの薬を玩具にして遊んでしまったために 麻薬と認定されてしまいました。別に麻酔の導入薬は他にも幾らでもあるのかもしれませんが 麻酔をかけるための薬 と言うのは直接命に関わってしまうお薬なので どうしても使い慣れていて 効果がよく分っている薬しか使いたくないのです。
但し麻薬と認定されてしまったケタラールを使用するためには 先ず講習を受けて麻薬施用者の免許を取得しなければなりません。それも有効期間がわずか二年の為に 二年ごとにその免許の更新の結構面倒な手続きをしなければなりません。今年の年末で免許の期限が切れてしまうので わざわざ健康診断を受けて 更新するための書類に書き込みをして 枚方市が管轄である四条畷にある保健所まで出かけてきました。
更に面倒なのが 麻薬を保管するためには普通の薬棚ではいけなくて わざわざ麻薬用の金庫を設置しなければならないのです。保管する薬の量が知れていますから 小さな金庫ですが 勿論金庫ですから きちんと施錠できなければなりませんし 簡単に持ち運びできないように その場に固定されていなければなりません。小さな金庫は手に入り易いのですが その場に固定する機能がついていないので 仕方なしに麻薬保管用の金庫をわざわざ購入しました。
鍵はキーを差し込んでかけるタイプと ダイヤルを合わせるタイプの二種類がついています。普段は面倒なので 鍵をかけない状態にしてあります。所が今日の午前中に事件が起こりました。トリミングでシャンプーをしていた犬が 大暴れをして 近くにあった麻薬金庫がびしょ濡れになってしまったのです。トリマーさんが慌てて その金庫の濡れた面をタオルで拭いてくれたのですが その時にダイヤルが少し回ってしまいました。その為に 普段はかけていないダイヤル錠が かかってしまって 扉が開かなくなってしまいました。
ダイヤル錠を開くための数字は メモしてありましたが 間抜けな事にそのメモ用紙を 紛失しないように 金庫の中に保管していたのです。仕方がないので 金庫を購入した時の納品書などを調べてみました。購入した会社の名前と電話番号が分りましたので 取り敢えず電話をかけて 事情を説明しました。口頭ではなくて ファックスでうちの病院の名称や 金庫の扉の下に記されていた五ケタの金庫番号を 送信してほしい とのことでした。指示通りに ファックスを送ると やがて返信があり ダイヤル錠のナンバーが分りましたので 開錠できました。取り敢えずはホッとしましたが 同じような失敗を繰り返さないように ダイヤル錠を開くナンバーをしっかりと安全でなくさない場所に保管しました。
本来なら 普段から金庫にきちんと施錠しておかなければならないのですが 面倒なので手を抜いていて 今回のような失敗をしでかしました。これを教訓にして せっかくメモしておいても役にたたないような間抜けな事は繰り返さないように 注意しようと思います。東北の地震の時 津波に対する避難所には 沢山の水や食料が保管してあったのだそうです。但し 重いので全て一階に保管してあり 全て津波によって流されてしまったのだそうです。東北の避難所では 教訓を生かして 大切な水や食料を高い場所に保管してあればいいのですが ちょっと心配ですけれども余計なお世話ですね。
いざと言うときの為に注意しているつもりでも 実際に緊急事態になってしまった時に 何の役にも立たないことが時々起ってしまいます。今回の失敗は すぐに対処できましたから それほど困ったことにはならずに済んで幸いでした。私ももうすぐ還暦 正真正銘の年寄りになってしまいますから 賢くて経験豊富な頼りがいのあるお爺ちゃんと思われるように 生きていきたいものです。

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