2月19日 近所の釣り堀について思う事

うちの近所にある釣り堀はいつもお客さんが一杯います。私は子供の頃に 少しだけ釣りにはまった時期がありました。確か小学校の三年生の時に同級生になった友達が たまたま釣り好きだったので その影響を受けて 暫く試しにやってみました。その友達に連れられて かなり遠い釣具屋さんまで 自転車を一生懸命に漕いで 出かけました。釣りを始めるので 竿などの道具を買いそろえるためなのですが 勿論釣具屋さんなんて初めて入るので その友人に勧められるままに 釣竿やはり、浮き 釣り糸、びくなどを買いました。

釣竿と言っても 近所の池でふなをつるためのさおですから 勿論リールなんかついていません。小学生だし初心者なので 一番安物の竿を選び購入しましたが 一揃い買いましたから そこそこの金額になり 小遣いが全くなくなってしまいました。取り敢えずは道具がそろったので その次の休日に 友人に連れられて 近所の釣りのできる池まで出かけました。

それまで釣りに興味がなかったので全然気づきませんでしたが 何と言う事もない池に 結構沢山の小学生や中学生 中には大人も混じっていましたが そこそこの人数が釣りをするために集まっていました。当時小学生が鮒を吊りするための餌としては 小麦粉に何だったか覚えていませんが混ぜ物を加えて作る練り餌を 指で丸めたものを針につけるか アカムシと言って ユスリカの幼虫なのだそうですが 小さなミミズみたいな虫を針に突き刺していました。

初めての私は当然餌の準備など出来ていませんでしたから 友人に分けてもらいましたが 友人は練り餌を準備していました。指で直径五ミリぐらいの小さな団子をつくり 針にくっつけて釣り始めました。その池の形はほぼ円形でしたが 多少凸凹があって その地形によってやはり釣りやすいポイントがあるみたいですが 勿論早い者勝ちなので みんな結構朝早くに出かけていたみたいです。割と朝には強い私ですが 友人と約束した集合時間がまだ薄暗い6時だったのには驚きました。朝寝坊の小学生なら その集合時間で諦めていたのかもしれません。

取り敢えず釣り始めてみたのですが 取り立ててビギナーズラックもなくて 全然つれません。知識も経験も全然ないので 釣れないのは当然かもしれませんが 師匠格の友人は 十センチ以下の小さな鮒を二三匹釣っていましたが それでも満足そうにしていましたから あまり大物を何匹も釣り上げるのは期待しない方がいいのかもしれませんでした。

所が 周囲を見渡すと 結構立派な鮒を何匹も釣っている人もいました。よく釣れている人たちを観察していると どうも餌が私たちとは違うようです。友人に尋ねると アカムシと言って釣具屋さんで買わなければならないのだそうです。釣り餌としては 安いものなのだそうですが 小学生から見れば 結構な値段がしたのかもしれなくて 友人は使ったことがないのだそうでした。

友人は私がサッパリ釣れないのに 小さいながらも二三匹釣り上げていましたし そこそこ知識も経験もありそうでしたが 大物を何匹も釣り上げた経験はないと言っていましたから やはり餌に原因があるのではないかと思いました。釣り道具を買いそろえて その月はすっからかんだったので 次の小遣いをもらってから アカムシを購入して 一人でその池に出かけてみました。

初めてみるアカムシですから 針に着けるやり方も分りませんでしたから 隣に座った人に教えてもらって 釣り始めてみました。前回は 初めてなので当然かもしれませんが一匹も釣果がありませんでしたから 殆ど期待していませんでしたが 十分ぐらいしたときに 生まれて初めての釣竿のあたりを感じました。

予想していたよりも ずっと重く感じて どうしようかと戸惑っていると 餌のつけ方を教えてくれた子が 慌てずに慎重に引き上げるようアドバイスしてくれました。リールの無い竿ですから 自分がそのままの姿勢から立ち上がればよかったのかもしれませんが 取り敢えず竿をたてると なんと二十センチ位の立派な鮒が連れていました。すごく興奮して 大きな声をあげてしまい 隣の子から注意されました。釣りの基本的な技術として 魚がえさに食いついた時をねらって合わせることが必要なのだそうです。

食いついた時に合わせれば釣り針が口の周囲にかかるので 釣り上げた時に簡単に針が外せますから 魚にダメージを与えずに済むのだそうです。私には魚が食いついた時に合わせる技術を勿論持ち合わせていませんでしたから 針を魚が飲み込んでしまいますから 外すのにかなり苦労をしてせっかく釣り上げたお魚さんに大きなダメージを与えてしまったみたいです。

結局三時間ぐらい釣っていましたが そこそこ立派な鮒を五匹も釣り上げることが出来ました。釣果が上がったのは 素直に喜ぶべきことなのかもしれませんが 私は正直な所 かなり後ろ暗い気持ちになってしまいました。釣りを始めるきっかけを作ってくれた友人は 練り餌を使っているために そこそこの知識と経験がありながら 小さな魚を少ししか釣れていなかったのに 私は アカムシを購入してやってみたら それこそ二回目に訪れたビギナーズラックだったのかもしれませんが 大物を沢山釣り上げてしまいました。

なんだか申し訳なくて それ以降にその友人に釣りに誘われても 断ってしまい 自然とその友人と勿論釣りとも疎遠になってしまいました。釣りにまつわる格言みたいなもので「釣りは鮒釣りに始まり、鮒釣りに終わる」と言うのを聞いたことがあります。正確には「ヘラブナ釣りに始まり、ヘラブナ釣りに終わる」なのだそうですが。

この格言にはいくつかの解釈があるみたいですが 要するにヘラブナ釣りには 釣りの基本的な要素がすべて詰まっていて 色んな種類の魚を釣ってみても ヘラブナ釣りが結局は一番面白い と言った意味合いなのだそうです。ですから決して鮒釣りが そんなに簡単な底の浅いものであるとは思っていませんが 小学生の頃にそんな少し苦い釣りにまつわる思い出がありますので それ以来釣竿を握っていません。

話を最初に戻しますが 私は釣堀で魚を釣った経験がありません。釣り堀には 勿論お客さんに吊ってもらうためにそこそこの魚を飼っているのだと思います。釣り堀で釣っても 勿論技術の差があれば 当然釣果にも違いが出てくるのでしょうが ある意味釣れて当たり前の環境で 釣って楽しいのでしょうか。

自分で色んな情報を集めて 釣れそうなポイントを自分で探して その場所で釣ってみて 例え全然釣れなくても 納得がいくのではないでしょうか。次こそ魚の釣れるポイントを見付けてやるぞ と言う気持ちになるのではないのでしょうか。最近はよく魚釣り禁止の看板を見かけますから 釣りに興味が無い私が知らないだけで 自然の池などで 魚釣りのできるところが殆どなくなってしまっているのでしょうか。

それにしても真冬の寒い朝から 早起きして釣りをするなんて 釣りに興味のない人から見れば 罰ゲームをやらされているようにしか思えませんが お好きな人にとっては楽しくてしょうがないのかもしれません。私も仕事をリタイヤしてからはクルーザーを購入して トローリングにチャレンジするつもりなので ボチボチ釣りに再チャレンジしてみようかと考えています。

当然奥様と一緒に始めることになりますが 何をさせても器用に上手にできるようになる奥様に絶対に敵わないことは十分に覚悟して始めてみようと思っています。

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