3月1日 「退職代行サービス」なるものがあるのだそうです

私も 塩野義製薬に三年半ほど勤務して 退職しました。私の場合 高校を卒業して大学を受験したわけですが 獣医師になりたかったけれども 学力が足りなかったので 獣医学科には合格できませんでした。そこでごく一般的な大学に入学して 卒業して 公務員には興味が無かったので 民間の会社に就職したわけです。塩野義製薬は 社員を大切に扱ってくれる会社でした。その分 求められるものも大きくて 厳しかったです。製薬会社の営業ですから 病院を回って 医者に薬に関する情報提供して 自社の製品をアピールする と言えば聞こえがいいのですが 要は医者にこびへつらって 機嫌よく薬を使ってもらう事を目指すわけです。

塩野義は一流の製薬会社ですから 勿論私よりもずっと優秀な社員が沢山いて その方たちが懸命に働いておられるから 数十年後の今も 立派に一流企業であり続けているのだと思います。只 私は薬屋さんの営業が どうしても上手く出来なくて 徐々に慣れて 出来なかったことが少しずつでもできるようになることを願って 三年以上頑張りましたが やっぱりそれ以上続けることが辛くなりました。会社を辞めて一体どうすればいいのか最初は見当がつかず不安でしたが 自分の人生はまだまだ可能性があると考えて 会社を辞めることを上司に伝えました。特に引き止められることもなく あっさりと認められましたから 周囲の人たちから見ても 私がこの職場で働くことは 難しいと思われていたのだと思います。

会社を辞めてから もう一度受験勉強をやり直して 獣医学科を目指しました。何とか合格して 現在に至っているわけです。退職をするときは かなりのプレッシャーがありましたが 最後に課せられた自分の仕事だと思って 上司に退職を願い出ました。誰でも その会社に就職するときは 自分の意思で 自ら行動して 入社を認められたのだと思います。勿論 仕事の内容や 賃金などが 予想とはかけ離れている事等 珍しくもない話でしょうし 自分がその職種に向いていると思っていたけれども 全然不向きであった なんていう話は 日常茶飯事だと思います。

ですから自分に適していない仕事を続けるのは 自分にとっても その会社にとっても無益な事だと思いますので 辞める覚悟が出来た時が 仕事の辞め時だと思います。但し仕事は生きていくためには 必要不可欠なものですから 自分に適した仕事を上手く見つけるための努力が必要です。特に少なくとも一度は 仕事選びに失敗したのですから。まあ世の中には 色んな業種の 様々な職種の仕事がありますから 真面目に 懸命に働こうという気持ちがあれば きっと自分に最適な仕事は見つかると思います。

今では 終身雇用等と言う言葉は死語になっているのかもしれませんが 私が就職活動をしていた四十年前ぐらいの時代には 一度就職した会社に骨をうずめる覚悟の人が少なくなかっただろうと思います。私も出来たら せっかく一流と言われる会社に就職できたのですから 生涯勤めあげることを目指して入社したはずです。ただ仕事の内容が 私にとっては不向きだったので 退職を選択しました。辞めてよかったのかどうかは 分りませんが 今の仕事は何とか三十年近く続けていられますから 私には向いていたのかもしれません。

自らの退職を願い出るという行為は 確かにその決断をする時点までも相当な勇気がいる事だと思いますが 実際に仕事の関係者に申し出る行為は 凄く沢山のエネルギーを求められる行為だとは思いますが 少なくともその時点まで 自分の生活を支えられた 収入を保証してくれた会社に対する 最後の大切な御奉公だと思います。そんな重要な自分のけじめを 他人に代行してもらうなんて 少なくとも私には考えられません。無責任極まりない行為だと思います。

その会社を辞めるという事は 当然時期的には何時頃になるか分りませんが いずれは次の会社に就職することになるのだと思いますが そんな自分のけりをきちんとつけられないような無責任な人間では ほぼ間違いなく次の会社も退職せざるを得ないような状況になるように思います。次の会社を退職する時も またこの代行業者に頼むのでしょうか。こんな馬鹿げた企業は とっとと潰れてしまって 消滅してほしいものです。

ゆとり世代の弊害とは 義務を果たさず 責任を負わず 権利ばかり主張して 何か事が起こると 言い訳ばかりして 責任逃れをする人間を大量に作ってしまったことだと 誰かが言っていましたが、そんなゆとり世代にとっては 有難い代行業者なのかもしれません。会社の代表として 偉そうにインタビューを受けていた輩が いかにもゆとり世代の代表選手にしか見えませんでしたから。

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