3月10日 地域猫活動について思う事

一昔前までは 飼い主のいない猫の事は一様に野良猫と呼んでいました。所が近頃では 地域猫活動というのが 全国各地で広まっているのだそうです。地域社会の承認を得た、ボランティアや活動団体が主体となって、野良猫が繁殖しないように去勢手術を行い、施術済みの印とし耳カット等の目印をつけ、給餌や排泄物の処理を行いながら管理を行っていく活動のことなのだそうです。即ち 野良猫の中には 団体が地域猫と認めて面倒をみてもらえるラッキーな輩がいるらしいのです。

枚方市の保健所でも 平成28年度から 地域猫活動の団体にそれなりの援助をすることを考えている と言う事を先日の狂犬病の説明会の時に耳にしました。同時に昨年までは犬の避妊の手術に対して助成金を出していたのに 今年からは犬は打ち切って猫の手術だけに助成金を出すように変更されることになってしまったのだそうです。この助成金の制度はもともと狂犬病の予防をした犬を対象にスタートしたのですが 何時のまにやら本末転倒のような気がするのは私だけでしょうか。

犬の場合はその年度に狂犬病の注射をしていることが一つの条件になっていましたから ある意味助成金が狂犬病予防注射の誘い水みたいに作用していた部分もありましたが 猫の場合はハッキリ言って何のくくりもありませんから 枚方市以外の猫が紛れ込む場合もあるかもしれませんし 助成金の対象を猫のみにしたことは如何なものかと思います。

現在野良犬と言うのは殆ど存在していません。狂犬病と言う恐ろしい病気が人間も被害者になる可能性があるので 飼い犬に対してはその予防注射を義務付けるとともに 野良犬は人間に危害を加える可能性もありましたから 積極的に駆除されてしまったので 野良犬は殆ど存在していないはずですし 以前は多かった放し飼いをする飼い主も激減しているはずです。うっかりと自宅の外でうろうろしていたら 野良犬と間違われて捕獲されてしまうかもしれないからです。例え首輪をしていたとしても 飼えなくなった無責任な飼い主が放す場合や 脱走を繰り返して飼い主が放置してしまう場合などもありますから。

その点 野良猫は現実には糞や尿の被害等で ある意味犬以上に人間の生活と密接な関係があるにもかかわらず 猫には狂犬病の様に恐ろしい人畜共通の伝染病が無かったことを言い訳にして 役所がほったらかしにしてきたつけが 今頃になって回ってきたのかもしれません。役所としても住民の苦情などが相次いて 放置しておくわけにもいかず やっと重い腰をあげて 猫問題に取り組んでいる姿勢をアピールするために 猫の避妊の手術に対する補助金を増大するとともに 地域猫活動をしている団体を応援しているようなポーズを取らざるを得なくなってきた という所ではないのでしょうか。

保健所からの活動団体に対する援助とは 具体的には活動補助金を出すことになりそうですが このことにも私は如何なものかと思います。どこでどのように生活しているか把握できていない猫の 給餌は簡単でしょう。決まった時間に決まった場所で餌をまけば自然に猫は寄り集まってくるでしょう。しかし排せつ物の処理は 至難の業だと思います。餌場にトイレでも置いておけば そこに人間の期待通りに排泄してくれるとでも思ったいるのでしょうか。

役所がそのような団体を援助すると言う事は ある意味その団体が役所からのお墨付きをもらったようなものなのかもしれません。私は具体的に幾らぐらい援助するのか知りませんが 少なくともその団体が一年間にそれ相当の頭数の避妊、去勢の手術の実施の実績をあげることが必須う条件にすべきではないかと思います。そしてその団体の所在地の近所に住んでいる住人が 猫の排せつ物による被害を受けた場合には 迷惑をかけた猫に餌を与えたのがその団体とは特定できなくても 直ぐにその後始末にその場所へ駆けつけて 住人が納得するまで謝罪をすることぐらいは 義務付けてもいいのではないかと思います。仮にも住民の血税を使ってそのような団体に金を渡すのであるのなら それぐらいの覚悟をもって活動している団体としても援助を受けるべきだと思います。

勿論 地域猫活動を頑張っておられる方々に 頑張っていただきたいという気持ちは私も 強く持っていますが 猫に餌をやって自己満足に浸っているだけでは はっきり言って糞尿被害を受けている方から見れば 完全に加害者としか考えられないような立場であることは十分に自覚して頂きたいのです。当院はずっと前から 野良猫の避妊、去勢手術は半額で行っています。もともと料金設定が凄く安いうえに その半額になりますから 補助金まで受けられたら 金銭的な負担は相当に軽くなるはずです。大いに利用して頂いて 野良猫でも地域猫でも呼び方などはどうでもいいのですが その増殖を抑えるお手伝いを積極的にさせて頂くつもりでおりますので どうぞよろしくお願い致します。

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