3月10日 夜になって 子宮蓄膿症の手術をしました

子宮蓄膿症という病気は 読んで字のごとく 本来胎児を着床して育てる場であるはずの子宮内に細菌が侵入して 大々的に増殖して 膿みとなり 大量に貯留してしまう病気です。原因は 子宮内に細菌が侵入して増殖してしまうわけですから 細菌を殺してくれる薬 作用の強力な抗生物質を 大量に投与して 細菌数が減らせれば 治る可能性がありますが 何しろ子宮内というのは 大切な胎児を育てる場所ですから 細菌にとっても 天国のような環境であり あっという間に増殖が進んでしまい その肉体に多大な悪影響を及ぼします。従って 抗生物質の投与という内科的な治療法は 殆どの場合焼け石に水で 効果が期待できず 膿みのたまりにたまった子宮を卵巣とともに摘出する 外科的な治療 つまり手術という治療法しかありません。
当院では 年間十例ほど つまり月に一回ぐらい この手術を実施しておりますが 殆どの場合 飼い主さんがペットの異常を感知して 来院されて 診察をして それまでの経過を確認して その子の現状を把握して 必要な検査 主に血液検査になりますが を実施して この病気と診断した場合 そのまま入院してもらって その日のうちに手術を実施します。この病気の場合殆ど手術しか 根本的な治療法 将来的な解決策が ありません。何故か この病気の患者さんは 夕方に来院されることが多いので よる病院を閉めてからの手術になる場合が多いようで 不思議ですが 文句を言っている場合ではありません。
十一歳とそこそこ高齢のトイプードルでしたが 心臓は丈夫でよい心音を響かせていましたので 食欲が落ちて体力を消耗していましたから 勿論不安材料もありましたが 躊躇なく手術を薦めて 直ちに決意していただけました。手術を怖がって 内科的な治療を希望される場合も ありますが 大抵はほとんど効果が見られず 結局は手術を選択することになりますが タイミングが遅れた分 体力が確実に落ちていますから 手術時のリスクが上がってしまいます。手術が 恐ろしい気持ちはわからないでもありませんが 先生に薦められたら 素直に従われた方が 賢明な場合が多いように思います。
本日の手術は そこそこスムーズに終えられました。麻酔もすぐに安定状態になってくれましたし 膿が溜まった 子宮は 予想していたよりも大きかったですが 血管がそんなにややこしい所にはびこっていなかったので 短時間で摘出することができました。皮膚が薄かったので 縫合に少し手間取りましたが まあ順調に終えられましたので きれいにくっ付いてくれるでしょう。あとは速やかに麻酔状態から覚めて ここ数日なくなっていた食欲が 戻ってくれれば一安心です。
今後の経過を見ないと 何とも言えませんが 面倒な手術を無事終えられましたので ホッとしております。幾つになっても 何回経験していても 大変な手術に挑む場合 緊張しますけれど 何とか無事にやり遂げられたときには 何とも言えない達成感が味わえますので 私は手術が嫌いではありません。手先が不器用であることは 間違いないので 手術が得意である 上手である なんてことは思ったことがありませんが 術後良い経過をたどってくれることを祈りながら 精一杯頑張りますので 術後の傷跡も半年後には見分けがつかないぐらいに奇麗に治ってくれている場合が多いので そんなに下手糞ではないように思います。
何とか無事に手術を終えられましたので 普通の方なら ビールでも飲んで気持ちをいやすのかもしれませんが 下戸の私は 冷えた麦茶をチーズをおつまみに頂いて 元気を回復させようと思っております。そんなわけで 疲れ果てましたので 本日のブログはここら辺りで終わりに致します。

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