3月11日 東日本大震災から八年が経ちました

八年前のその日 その時間に私は よく覚えていませんが 獣医師会の集まりで 確かゴミの処理の仕方についての 何処かお役所の職員が前に立ってのレクチャーを受けておりました。どこかの立派な建物の会議室でパイプいすに座っておりましたが 退屈な話に眠らない様にだけ気をつけていたら 何となく床がユラユラと蠢いているような感覚で 窓にかかっているブラインドがゆっくりと揺れていましたので どこか遠くで地震が起こっているのかな と思っておりました。退屈な講義がやっと終わって 車で病院に戻ると 奥様がテレビのニュースを見ながら 東北で大きな地震があり その後の津波による被害が甚大であることを教えてもらい 驚きました。

私は阪神大震災の時も その瞬間まだ暗いうちの明け方に ぐらっと揺れを感じて 私はおろかにも 本棚と食器棚の間に立ち 手を突っ張って倒れないように 足を踏ん張りました。結果的には 枚方市は 大して揺れもしないで済みましたから 殆ど被害を受けない程度の地震だったからよかったようなものですが もしもっと大きな揺れで 立っていられない位であったなら 本棚や食器棚の下敷きになってしまって 大けがをしてしまう所だったのかもしれません。

あとから冷静になって振り返って 自分の取った行動の軽率さを反省しながら テレビをつけると 神戸の辺りを中心に巨大な被害が出ていることを知りました。二階の寝室から 一階の病院へ降りてみましたが 薬棚からプラスチック製の薬瓶が一つだけ床に転がっているだけで 被害は殆どありませんでした。「のど元過ぎれば熱さを忘れる」とか[人の噂も75日」といいますし 足を踏まれた方は その恨みを忘れないけれど 踏んだ方はいつの間にかその事を忘れてしまう等と言われますが 自分が大した痛みを感じなかったことなので 身近に起こった阪神大震災ですら 忘れてしまいました。ましてや対岸の火事であった東日本大震災の事ですから 申し訳ないですけれど 殆ど忘れてしまっております。

東日本の震災について 現在私が一番気にかかっているのは やはり原発の事故の その後の状況です。現在の一般的な日本の家庭での生活は 電気が無ければ成り立ちません。大量の電力は 残念ながら私たちの日常生活を維持するのに必要不可欠です。発電の方法としては 現在の所日本では 水力発電と火力発電 それに原子力発電が主力となっています。水力発電は ダムがあれば発電できますが ダムのある場所が普通は山奥で 電気を消費する地域と遠く離れているために 送電する際に相当なロスが出ることが 欠点とされています。火力発電とは石油系の燃料を燃やして 水を沸かしてその蒸気でタービンを回して発電しますので 電力を消費する地域の近くに建設すれば 水力発電の様なロスは発生しませんが 多くの二酸化炭素を発生してしまいますから 地球環境的には 温暖化を促進していまうデメリットがあります。

原子力発電は ウランの核分裂による発熱を利用して 水を沸かして発電しますので 二酸化炭素を発生しませんので 地球温暖化とは無縁のクリーンな発電であることと 燃料費が火力発電よりもかなり割安なので 安定した電力の価格を維持できる と言う大きなメリットもあります。但し 反応時の発熱をコントロールするために大量の水 即ち海水が必要なので どうしても海岸近くに建設する必要がありますから 地震の時に起こる 津波による被害が大きな事故につながる危険性がありますし 使用済みの燃料の処理などに 人類がこれまであまり経験した事のない大きな問題を抱えているのは間違いなさそうなので 万が一事故が起こった時には 取り返しのつかないような重大な被害が想定されますし 福島ですでにその事故が起こってしまいました。

現在 関西には原発は存在しませんが 原発銀座と言われている福井県との距離は 関西人が感じているよりもずっと短いのです。地震による津波のダメージによって原発に事故が起これば その規模によっては 関西も無関係ではいられないのです。福井県と京都府や滋賀県は接していますし 近畿の水がめである琵琶湖の水が 放射能に汚染されてしまったら どえらい被害が関西全域に発生するかもしれないのですから 他人事と考えない方がいい様に思います。

原発は メリットも沢山ありますが 万が一事故が起こった時には 福島県が証明したように 元通りに復興するのにどれだけかかるのか 未だにわからない位に大きなダメージを受けてしまうのです。現在福島県では 太陽光発電や 風車による 自然エネルギーによる発電に積極的に取り組んでいるのだそうで その成果は少しずつ上がっているようですが 発電した電力を保管しておくバッテリーや 各家庭に送電する送電網を 大手電力会社が独占してしまっていて 利用させてもらえないためにせっかく発電のための設備が少しずつ整いつつあるのに スムーズに事前エネルギーによる発電に舵を切れないでいる状態なのだそうです。

大手電力会社にしてみれば これまで自分たちが独占してきた電力産業を 維持したい気持ちもわからないでもありませんが福島全体が被った被害の大きさを考えれば 脱原発に向かう動きを上手くフォローしてあげる方向に動かないのが 腹立たしい限りです。世界の国々で 福島県産の製品の輸入を禁じている国が沢山あるのが現実ですから 出来るだけ福島がクリーンに生まれ変わったことを アピールするためにも 自分たちの既得権益やメンツなんか投げ捨てて 地道な自然エネルギーによる発電に協力してくれることを期待しますが 人間は強欲な生き物ですから 現実には難しいかもしれません。

かくいう私も 本日がたまたま震災の起こった日なので 色んなニュースに取り上げられているので 思い出しただけなのです。でも同じ日本人 何にも悪いことをしたわけでもなくてたまたま福島にお住まいだった人たちが沢山 辛い思いや悔しい思いを 現在も進行形で味わっておられるのは間違いない事なので 少しでもお役にたてることがあれば 協力したいと思います。ただ関西からは 距離的に遠すぎますので 例えば旅行に出かけて 観光で福島にお金を落とすのも 間接的ですが復興へのほんの僅かなりともの協力かもしれませんが 私はこの歳まで福島県を訪れたことがないので 仕事をしている間は難しいかもしれません。但し引退してから キャンピングカーで全国を旅する予定ですので 一番最初の目的地を福島県にしようと思います。

因果応報と言う言葉がありますが よろしくない行いをしたものが 苦しむのは 別に何とも思いませんが 東北で被災された方々は たまたまその地にお住まいだったというだけで 大きな被害を受け 亡くなられた方も凄く沢山おられます。まあ天災と言うものに文句を言っても始まりませんが 東北地方の一日でも早い真の復興を心からお祈り申し上げます。

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