3月13日 ノラ猫を預かるときに 失敗して 右手を負傷してしまいました

当院では ノラ猫の避妊手術を半額で請け負っております。まあ半額と言いましても 避妊手術の場合 麻酔をかけてお腹を切開して 子宮と卵巣を摘出して 縫い合わせますから キチンと皮膚がくっつくのに十日かかりますので その間病院で預かって面倒をみて 十日後に抜糸をして手術が終了となりますから 預かっている間にも料金が発生しますので そこそこの金額になってしまいます。本日連れてこられた方は 猫が大好きで ノラ猫に餌を与えて面倒をみておられます。
ノラ猫に餌を与える事は 決して褒められる行動ではないと思いますが 但しこの方のばあい ある程度その猫が馴染んでくれたら 何とか頑張って確保して 当院に連れてこられるので これまでにも何匹もそのようにして連れてこられたノラ猫を預かって 避妊の手術を実施しました。大好きなので ほっとけなくて ついついえさを与えてしまうのだけれども せめて面倒をみている猫たちが 子供を産んで増えてしまう事だけは 防ぎたくて 自分が勝っているわけでもないノラ猫を 何とか確保して 当院まで連れてこられるのです。本当に猫を大切に思っておられるうえに 責任感もある素晴らしい人だと 私は思っております。
ノラ猫にも 人と同様に 穏やかで馴染み易い性格の子もいれば 絶対に少なくとも私とは 仲良くなってくれなくて 私の顔を見るたびにシャーシャーと威嚇してくる好戦的な子もいます。本日お預かりした猫は 体重が六キロもあって 凄く大柄であり 勝つ相当に好戦的な子でしたので 連れてこられたときに入っているかごから 手術のために麻酔をかけるためのかなり小型のかごに移すときに いつもは何とかすんなり移動できるのですが 何しろ体がでかいので はみ出してしまって 一旦診察室に飛び出されてしまいました。
バスタオルを三枚重ねにして二つ折りにしたもので 何とか飛び回っているその子をひっ捕まえて 小さなかごにやっとのことで押し込みました。診察室の綿花や常備薬は飛び散ってしまいましたし おしっこまで撒き散らされてしまいましたので 相当に診察室自体が被害を受けましたが 捕まえた時に 私の右手を噛まれてしまい 皮手袋を使用しておりましたが 親指の付け根を負傷してしまいました。厚手の皮手袋もありますが 分厚い分 捕まえた時の保持力が弱いので どうしてもいつも薄手の手袋を使用します。もろに噛まれると 負傷してしまう場合もありますが しっかりと捕まえられるので 何とかかごに放り込む事ができました。
右tの親指の負傷は 時間が経過すると 腫れ上がってきて 親指がいう事を聞いてくれなくなってしまいますから 速やかに手術を始めました。
勿論普段通りには 右手が動いてくれませんけれど 何とか素早く手術を終わらせようと努力しました。お腹を開けてみると 予想されてはいましたが 出産直前の大事が四匹も入っていましたので 普通の手術よりも猶更大変でしたが 割と麻酔状態が安定してくれていたし 血管も丈夫で予期せぬ部分からの出血もありませんでしたので 割とスムーズに手術を実施できました。無事にきちんと縫合を終えるまで 何とか右手の親指が動いてくれましたので 十日後には無事に退院できるでしょう。まあ抜糸をするときにも また麻酔をかけなければなりませんから 一悶着あるかもしれませんが その時はエリカラーが装着されているはずですから 何とかなるでしょう。
猫に噛まれることは 診療しているときには 時々起こります。最初の頃は 翌日にはパンパンに腫れ上がって 痛みも相当なものでしたが ある程度経験を重ねると 自然に免疫力が形成されるみたいで 今ではそれほどひどい目には合わなくて済みます。今回も傷口をきちんと消毒しましたし 強い目の抗生剤を服用しましたので 恐らく明日になっても そんなに腫れ上がることはないだろうと期待しております。仕事だからしょうがないことと 諦めてはおりますが やはり暴れる動物と格闘するのは 正直恐ろしいし 現実に負傷することもしょっちゅうですが この仕事も今年いっぱいだと思えば 全然平気に思えます。

ブログ一覧