3月19日 消費税の増税について思う事

消費税が現在の8バーセントから10パーセントに上がるのは 一応来年の四月からと決まっています。今日のニュースで取り上げられていましたが 何処とかの何たらというノーベル賞をもらった経済学者が 「来年日本の消費税を増税すべきではない」と発言したのだそうです。非常に不愉快な気持ちになりました。ノーベル賞をもらいはるぐらいやから 恐らくそれなりに博識な方なのでしょうが 日本の現状についてどれだけ正確に認識しているのか不明だし 何の責任も発生しない気楽な立場から 消費税の増税を望まない国民にとっては 耳触りの良い内容を勝手に発言しただけなのに マスコミがまた有難がって ニュースとして取り上げ報道してしまったら 権威に弱い日本人に増税反対の気運が高まってしまうのかもしれません。

一番心配なのは この学者先生のあくまで私的な見解を アベチャンが消費税増税の再びの延期への 口実にされてしまうのではないか と言う事です。アベチャンの一大マジック アベノミクスによって 一般庶民はアベノミクスを信じてアベチャンについていけば 自分たちの暮らしが少しでも楽になるのではないか という大嘘に度々騙されて 馬鹿みたいに自民党に投票して 絶対多数の議席数をアベチャンに与えてしまいました。そのおかげで安倍ちゃんが何年も総理の椅子に踏ん反り返っていられるのです。

しかしいくら大馬鹿な庶民でも アベノミクスについていったって 全く自分たちの生活が楽にはなっていないことにそろそろ気づいていることでしょう。円安になったのは事実だし それによって輸出産業の業績が回復したのは間違いありませんが 要するにいくら大企業が儲かっても 一般庶民にまでその分け前は殆ど回ってこない事は どんなに鈍感な国民でもさすがに気付いているはずです。

次回の選挙は野党にとっては自民党の議席数を減らす大チャンスであるはずなのに 肝心の野党側のしっかりとした受け皿が見当たりません。民主党と維新の会の寄せ集めで慌てて新党を作ったところで 新鮮味もなければ 期待感も殆ど高まりません。次回の総選挙は野党にとってせっかくのチャンスなのに 結局は 自民党の天下は殆ど揺るがない結果に終わりそうです。

色々と噂されていますが 結局アベチャンは元々与党にとって有利な結果の出る確率の高いと言われている衆参同日選挙を決定するでしょう。幾ら面の皮の厚いアベチャンでも さすがにアベノミクスでは いまさら国民をだませないことは自覚しているでしょうから 消費税の増税を再び延期することによって 国民のアベチャンに対する評価の点数を稼ごうとするはずだと思います。

これまでの消費税の歴史を振り返ると 消費税を設けたり増税したりした政党は 必ず政権交代によって野党に成り下がっているのです。1989年の四月から竹下さんが総理の時に 消費税三パーセントが 始まりましたが 勿論他にも理由はありますが 日本新党の細川さんに政権交代が起こりました。村山さんが微妙に消費税をいじったら自民党に政権が戻りました。橋本さんが消費税を5パーセントにあげたら やっぱり民主党の鳩山さんに政権が移りました。野田さんが総理の時に 二段階で消費税を10パーセントにあげることを決めたら 現在のアベチャンが総理になりました。

消費税とは 納税する本人が支払う訳ではないので 形としては間接税に分類されます。所得税や住民税のように 納税する本人が直接支払う形の税金を直接税と言います。橋本竜太郎がテレビで発言した言葉が印象に残っていますが「我々政治家は消費税を間接税だと思っていましたが 国民の感覚では買い物をするたびに支払わなくてはなりませんから直接税なんですよ」と言うものです。サラリーマンにすれば 直接税である所得税などは天引きされて本人に渡されますから 感覚的には殆ど間接税なのかもしれません。

誰だって苦労して稼いだお金から税金なんて 支払いたくないのは当たり前でしょう。消費税は 毎日買い物をする人にしたら 毎日買い物をするたびに 幾らかずつ支払わなければなりませんから 一番ダイレクトに税金を払わされている感覚が実感してしまうのでしょう。そんな消費税を作ったり増税したりしたら 国民は必ず強く反発して 政権交代を成し遂げてきたのです。

今回の消費税を10パーセントにあげることは 確かに時期的には野田さんの政権の時に決まりました。しかしその決定をするときには自民党も承諾していたはずです。つまりアベチャン自身も 自民党の総裁ではないので表立ってはいませんが 増税を承認しているのです。それなのに 8から10パーセントにあげる時期を延期した時には さも鬼の首でも取ったかのように 国民に尻尾を振ってみせて点数を稼ぎました。

今回も総選挙が近い時期なので さらに延期をして 国民の心証を良くしようとしているのは見え見えです。自民党が野党であった時期に総裁を務めた谷垣さんは 今回の消費税増税についても キチンと時期を守るべきであると発言しています。正論だと思います。政治家であるからにはいったん決まった約束事は 例え国民の反感を買おうと きちんと実行していくべきだと考えます。

谷垣さんは自民党の総裁になりながら 総理大臣になれなかった 数少ない凄く不運な方だと思います。私の知っている限りでは 河野さんも同様だったと思います。谷垣さんからアベチャンに総裁が変わったとたんの選挙で自民党が大躍進をしましたから 何かアベチャンが救世主のようなイメージになってしまいましたが 谷垣さんは苦しい野党時代に 地味だけれども精一杯総裁としての務めを果たしておられたように思います。

その不運な谷垣さんが また国民にとっては耳触りの悪いことを発言されていますから また風当たりのきついことにならなければと心配してしまいますが アベチャンの国民への点数稼ぎがまたまた始まらないことを祈っています。延期すれば 数兆に及ぶ税金が減りますから あげることを前提に予算をたてられている福祉関係の支出に対応できなくなってしまいます。延期する事を考えるのなら その支出が出来なくなることについての納得のいく説明をするべきだと思います。

そもそも私は消費税が8から10パーセントにあがること自体が それほど国民の経済にダメージを与えるのか否かについて 大いに疑問に思っています。簡単に表現すると今まで100円で買えていたものが102円になるということだけです。私が普段買い物をするのは スーパーで食料品を買うぐらいのものですが 野菜なんか収穫量との兼ね合いで 同じようなレタスが 100円で売っていたり200円で売っていたりしても さして驚きません。粉薬を溶かすシロップを作る為に砂糖が安ければ買い置きしておきますが普段は一キロが200円ぐらいしますが 運がいいと一キロ100円で買えることもあります。

台風が来たりして 野菜全体の収穫量が減少すると 殆ど全ての野菜の価格が三割から五割ぐらいは簡単に値上がりしてしまいます。魚や肉はあまり買いませんから よく分りませんが 要するに流通量が減少すれば価格が上昇するのは 資本主義の基本的な原則だと思います。つまり何が言いたいのか要約しますと 少なくとも毎日消費するので毎日買い物をする食料品の価格は 私が知らないだけで殆ど固定されているものも少なくないのかもしれませんが、普段からかなり上下動があるように思います。ですからこれまで100円だったものが102円になったとしても 少なくとも私は影響を実感できません。

うちの病院も殆どが現金商売ですから 消費税が八から十パーセントに上がったら 単純に二パーセント売り上げが増えることになりますが それほど嬉しいとは思わないと思います。消費税の支払いも勿論増える訳ですから。但し患者さんに渡す明細書の計算が八よりも十パーセントの方が 分りやすくなり殆ど電卓を使わなくても済む分有難く感じるかもしれません。

長々と書いてきましたが 要するにどっかの学者が 無責任な立場で日本の政治の重要な課題に口出しされたのが不愉快だったことと こんなつまらないニュースをアベチャンがまた自分の得することに利用しようとしている気配が感じられて腹立たしかったと言う事です。

ブログ一覧