3月2日 今日はカレンカーペンターの誕生日です

1950年生まれですから 生きていれば64歳のおばあちゃんですが 32歳という若さで帰らぬ人となった為に、ジェームスディーンと同じように私の心の中では 30歳前後の成熟した女性のイメージのまま存在しています。カーペンターズという兄妹デュオがいたことも今どきの若い人ならご存知ないのかもしれませんが、その妹でありボーカリストであるカレンは、私の知る女性ボーカルの中で最高にチャーミングな存在でした。その独特の低くて張りと伸びのある声は 他のだれにもまねできない輝きがあったと思います。

1970年代 私が中学から高校に通っていた時代にカーペンターズは どちらかというとハードなロックがもてはやされた時代であるにもかかわらず ソフトロック的なテイストでヒット曲を連発してくれました。私の一番好きな曲は「雨の日と月曜日は」、一番好きなアルバムは「アソングフォーユー」です。このアルバムは当時の事ですから勿論レコードの時代ですが それこそレコードが針で擦り切れるぐらいに繰り返し繰り返し聴きました。私の中で一番繰り返し聴いたアルバムはこれか若しくはビートルズの「ラバーソウル」だと思います。「雨の日と月曜日は」は今聴き直しても 涙がこぼれそうになるくらいの名曲であり 名演奏だと思います。

中学に入学してから 小学生の頃はテレビ一辺倒だったのが ラジオにのめり込みました。初めて聞く洋楽は新鮮であり、まず最初に魅入られたのがビートルズの名曲の数々でした。でも私が興味を持ってメンバーの名前と顔を覚えた頃にはすでに解散する時でした。解散してから後を追うようになけなしの小遣いをためてはせっせとビートルズのレコードを買い漁りました。ビートルズのレコードしか持っていなかった私が初めてビートルズ以外のアーチストのレコードを買ったのがカーペンターズでした。カレンの歌声はそれほど魅力的でした。勿論リチャードのアレンジが素晴らしいからカレンの歌声がより魅力的になったのは十分承知していますが あまりにカレンの声は最高でした。

大学に入るころには興味がピアノを中心としたクラシックに移ってしまったので 私の中でのカーペンターズの存在は少しずつ薄れていきました。そしてすっかりカレンの存在を忘れていた83年の二月に突然カレンの死のニュース それも拒食症が原因というショッキングな出来事で 驚きあまりに若くして逝ってしまったカレンに凄く悲しみました。それまでにも拒食症という病気があることは耳にしていましたが まさかその様な病気であの光り輝いていたカレンが死にいたるなんて全く信じられませんでした。

久しぶりにカーペンターズの歌を聴き直してみました。勿論、その素晴らしさは全く色褪せていませんでした。時代はレコードからCDに移り変わっていましたので CDを買い直して聴いてみるとレコードよりもさらに鮮明にその音楽性の素晴らしさやハーモニーの分厚さに改めて感動しました。

カレンの存在はもうこの世の中にはありませんが レコードから形を変えてCDとしてその素晴らしい歌手としての足跡は確実に残っています。その音楽に触れることで カレンの存在を確かに感じられます。今また久しぶりにCDでその歌声を聴きながらこのブログを書いていますが、カレンは幸せだったのかどうかと思ってしまいます。歌手としては勿論紆余曲折あったと思いますが名曲、そしてヒット曲に恵まれ凄く幸せだったと思いますが プライベートでは結婚生活もうまくいってなくて離婚寸前だったみたいだし、拒食症になるぐらいだから精神的にも極度に追い込まれていたのでしょう。名声もあり、金銭的にも余裕はあったのでしょうから もっと気楽にのんびりと人生を楽しむことを考えれば きっと長生きできたのにと思ってしまいます。まあ、私のような凡人には理解できない次元で悩んでいたのでしょうから 今更何を申し上げてもしょうがありませんが 歌手としてはいわゆるおばさんになって 味のある歌声を聴かせて欲しかったのになあと思ってしまいます。ここで改めて陰ながら 心よりカレンのご冥福をお祈りいたします。

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