3月20日 朝方冷え込んだからかもしれませんが 朝一で ハムスターとセキセイインコが 緊急で来院されました

朝何時も七時ごろに起床して お風呂に入ろうとしていた時に 電話が鳴って ハムスターが朝見ると 冷たくなって動けなくなっているので 直ぐに診て欲しいとの事でしたので 早速来院していただきました。バイクに乗って大急ぎで来院されたみたいで 私が一階の病院におりて シャッターを開けて 暖房のスイッチを入れて カウンターに座りカルテの準備をしたころに 駆けつけてこられました。呼吸さえあまりできていない と言う状態だと聞いていましたので 診察室で 取り敢えずは冷え切った体を温める為に ドライヤーの温風を当ててみました。十秒ほど温風を当て 体をさすっていると ようやく大きく一息ついて 呼吸が再開しました。ジャンガリアンハムスターでしたが 栄養状態が極めて悪くて 十グラムしか体重がありませんでした。
この頃は 昼間はかなりポカポカしていて 下手すると暑さを感じる場合もありますが やはり朝晩の寒さは結構厳しくて ついつい暖房のスイッチを入れてしまいます。人間も一日の寒暖差が結構あるので 体調を崩しやすいのですが 小さな動物は 人間以上に気温の上下動が とても大きなストレスになる場合が多いのです。この子の場合 四か月ほど前にお腹に外傷が見つかってから それ以来ずっと抗生剤を内服させられているのだそうで 一月ほど前から 嘔吐を繰り返して食欲が普段の半分以下に落ちてしまっていたのだそうです。その為に極端に栄養状態が悪かったのかもしれませんが ほんの小さな傷のために 数か月にわたって 傷の消毒などを一切していないために 一向に治るけっはいがないままに 抗生剤の内服を長期にわたって継続してしまい 食欲が落ちて 体力を失い 寒さと言うストレスが致命的になってしまったように思われます。
一時的に呼吸が戻りましたが 心拍数が正常値の十分の一ぐらいでしたから 温めながら心臓マッサージを続けてみました。強心剤を注射して 何とか回復を試みましたが 残念ながら 心臓マッサージを頑張って続けてみましたが 数分後には 心停止の状態になってしまいました。ハムスターですから 元々の寿命が短いとはいえ まだ生後一歳にもなっていない子でしたから 何とか若さで回復に向かってくれないかと期待しましたが 無理でした。まあ連れてこられたときの状態から 飼い主さんがある程度覚悟をしておられましたので 死亡を告げた時もすんなりと納得していただけました。
こちらとしては 出来うる最善を尽くさせていただいたつもりでしたが 残念な結果に終わってしまい お会計をするときには 申し訳ない気持ちもございますが 開院時間よりも早くから 病院を開けて対応させていただきましたので 診察料 救急処置料 時間外対応料などを頂きました。ご自宅にお庭があるそうなので その片隅にでも 穴を掘って埋めてあげることをおすすめしました。事あるごとに この子の事を思い出してあげる事が 一番の供養になると思いましたので そのようにお話ししました。
さて その患者さんが帰られて ホッとする間もなく セキセイインコが冷たくなって動かないと 殆ど似たような症状の方から電話が入りましたので やはりすぐに来院していただきました。先ほどの飼い主さんは バイクに乗って駆けつけられましたが 今度の飼い主さんはもっと近所だったみたいで 自転車に乗ってやはり数分後に 駆けつけてこられました。先ほど使用したドライヤーをまだ診察室から片付けてもいませんでしたので そのままそのドライヤーで体を温める処置から早速始めました。数秒温風を当てると やはりほとんど動かなかったのが 足をバタバタさせ始めて 呼吸が戻ってきました。やはりこの子も寒さにより 命の危険にさらされていたみたいです。
何とか羽ばたいたりして 体を動かし始めましたので 更に飼い主さんにお願いして 温めながら 質問をして カルテを作っていきました。六歳とそこそこ高齢でしたので 回復してくれるのが難しいかなと思っておりましたが 体を温めながらマッサージを繰り返しておりますと 何とか意識も戻ってくれましたので 無事に回復してくれる可能性が 高まりました。使い捨てのカイロを渡して 家に帰りつくまで温めてもらう事と 呼吸や代謝を安定させて 体温を維持するための薬を注射して 更に飲み薬のシロップを点眼瓶に入れて渡しました。何とか暖かい環境を上手に用意してあげれば 昨日までの日常の生活に戻れるのかもしれません。帰り道に 自転車で振動を与えると それがまたストレスになりそうでしたので 慎重に自転車をこいでいただくようにお願いしてお帰り頂きました。
朝から 恐らく朝方の冷え込みがストレスとなって 命に関わるピンチに陥った小動物が 続けて来院されました。うっかりすると人間も風邪をひいたり ひょっとしたらひょっとして新型コロナ感染症を貰ってしまうのかもしれませんから 十分に体調管理には 気を付けて生活するように心掛けましょう。

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