3月24日 縫い直しの手術をしました

その子は 当院以外の病院で 昨年末に 乳腺腫瘍の手術を実施しました。普通は 術後十日目辺りに抜糸して その後皮膚がきれいにくっ付いてくれて そのまま無事に手術終了に なるはずでした。所が その子がかなりデリケートな性格だったみたいで 術後傷跡に違和感を感じたせいか せっせと舐めたくってしまったようです。その為に 殆どくっ付いていたはずの皮膚が また少し開いてしまって 中のお肉がはい出してきてしまいました。その時点で当院に来院されましたので 取り敢えずは傷口を舐めないようにエリカラーを巻いて 消毒してもらい化膿止めの抗生剤の軟膏を塗ってもらいました。傷口から 汚い膿らしきものが滲んでいましたので 抗生剤と消炎剤を内服薬としても投与してもらって 何とか内科的な治療で 回復してくれないかと考えて しばらく治療を試みましたが 残念ながら上手くいきません。
絶対に傷口を舐めないように エリカラーを絶対に外さないように 飼い主さんに申し伝えてありましたが どうも食事がしづらいことを理由に エリカラーを外している時間が結構あったみたいで なかなかうまく回復してくれなかったようです。当然術後 抜糸までの間もエリカラーを付けていたはずですが どうやら飼い主さんが自分の判断で エリカラーを外していたために きちんと術後の傷口が回復しなかったのであろうと思われましたが 今更そんなことを咎めても 無意味なので黙っておりました。
内科的な治療を頑張って継続しましたが きちんとした解決につながらないと判断しましたので 本日傷口の縫い直しの手術をすることに決めました。一度切開して 縫い合わせた部分の近所を再度切開するわけですから 当然普通の状態の手術よりも 自然な状態に戻すのに 余計な手間暇がかかりますし 完全にきれいな状態に戻してあげられるかどうかは 分かりませんが 外科的に肉がはみ出している部分の周囲を切除して縫合するしかないと思われましたので 手術に踏み切りました。
手術としては 簡単な部類ですから はみ出した部分の周囲を十分に余裕をもって切除して縫い直ししました。結局皮膚を十一針縫いましたから そこそこの大きさの傷口になりましたが 今度こそ厄介な状態にならないように 丁寧に切除して 細かく縫合しましたので 恐らく殆ど跡形もなく回復してくれると思います。但し 飼い主さんが勝手な自己判断で エリカラーを外したりしなければ という条件が付くのかもしれません。夕方 その子をお返しするときに 繰り返してエリカラーを抜糸の日まで絶対に外さないようにと お願いしました。もし外していたら ほぼ間違いなく傷口はきちんと治らないし 当院としても責任をもって治療を行えないので そのつもりでいてもらうように 結構厳しくお願いしましたので 恐らく大丈夫だろうと思います。
よその病院の 尻拭いのような手術でしたが 当院で手術した子の 術後の経過が思わしくなくて よその病院にご迷惑をおかけしているケースもあるのかもしれませんので 出来るだけ丁寧に対応させていただきました。まあ近所のご同業の方々は 商売敵であるとともに 助け合うべき仲間だと考えておりますので 誠意を込めて手術させていただきました。何とか 十日後には奇麗にくっ付いて この手術騒ぎが無事に解決してくれることを 願っております。

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