3月8日本日は忠犬ハチ公が亡くなった日です

日本人なら忠犬ハチ公の名前をご存知ない方は少ないと思いますが 東京の渋谷駅で既に亡くなってしまった飼い主の帰りを待ち続けた忠犬です。日本人は忠臣蔵が大好きな国民性ですから 亡き飼い主に忠誠を尽くしたハチ公は生前から相当に人気があったそうです。ただハチ公の飼い主は初代が待ち続けられた東京大学の教授の上野さんですが亡くなられてから上野さん宅で面倒がみれなくなり結構何軒もの家をたらい回しにされました。たらい回しにされた理由は ハチ公が結構暴れん坊で面倒をみるのが大変だったからみたいです。

結構犬好きで大切に面倒をみてくれた方もいらしたみたいですが ハチ公が懐かず結局渋谷の家に舞い戻ったりしていました。ハチ公は初代の飼い主には忠義を尽くしたけれど その他の飼い主に対しては全く心を開かず 結構偏屈な頑固者だったのかもしれません。

そのうちにハチ公が渋谷駅に入り浸りみたいになってしまったようです。最初は近所の飲食店や子供から虐待を受けた時期もあったそうですが 何度か新聞にハチ公の行動が投書されてから 人気者になり虐められることはなくなったそうです。人気者になってからは渋谷駅もハチ公の存在を公認する形になり 晩年は多少は落着けたみたいです。

ハチ公が死亡したのは十二歳の時で初代飼い主さんの上野さんが亡くなってから十年以上経っていました。実際に面倒をみてもらったのが一年余りの事ですから その忠義の尽くしようは銅像まで建てられて称賛されるに値するのかもしれません。当時としてはかなりの高齢であり殆ど野良犬の様な生活をしていた割には天寿を全うできたのだと思います。

死後に解剖された結果 死因としては心臓にフィラリアが多数寄生しており 内臓に悪性の癌が見つかったそうです。たらい回しにされたり虐待された時期もあったみたいですが自分の意志を貫いて立派に最期を迎えたのですから 会いたい飼い主に会えなくて寂しい気持ちは尽きなかったのかもしれませんが ハチ公は犬としてはとても幸福であったろうと思います。

私は自分の意志で犬を飼ったことがありません。病院に舞い込んできた犬の面倒を死ぬまでみたことはありますが その子が亡くなった時はすごく寂しくてしばらく仕事をしたくなくなりました。一般的に動物は人間よりも寿命が短くて 飼い主よりも先に寿命を終えるのです。私は仕事柄動物の死と向かい合う事が多いのですが 出来るだけ感情移入しないように努力しています。他人の動物の死でも病院を始めた頃には相当にへこみました。その動物の死が自分の至らなさに起因するのではないかと自問自答して苦しみました。

他人の動物の死ですら 見た目は平然としていますが かなりダメージを受けるので自分の意志で飼い始めた動物の死は想像以上に大きなダメージを受けそうで怖くてとても動物を飼おうという気にはなれません。病院に舞い込んできたから 仕方なしに面倒をみていた犬ですらへたり込んでしまいました。なかなか立ち上がる元気が出ませんでした。ですから私は自分が死ぬまで動物を飼おうとは思いません。

私は実の母親を数年前に亡くしました。父親も今は元気にしていますが来年米寿を迎えますからいつ亡くなっても不思議ではありません。若い頃からリュウマチを患い 元気でいた母親の記憶が殆ど無いようなものなので77歳で亡くなった時には それなりに覚悟が出来ていて 予想していたほどには落ち込みませんでした。

父親は私以上に短気で すぐに手の出る恐ろしいオヤジでしたので 若い頃には相当反発して顔を合わせても殆ど口をきかないような関係でしたが ここ数年は結構仲良く話が出来ます。私が下戸なので酒の相手が出来ないのが申し訳ないです。勿論経済的には完全に独立していますが 精神的な支えにはかなりなってくれているみたいなので もし失ったときにはそのダメージは母親の時とは比べ物にならないくらいに大きいと思います。

ただ人間を含めて動物は生まれてきた時からいつか死ぬことは決まっています。父も自分が思っていた以上に長生きできて 思い残すことはないようなことを口にしていますが 私はとても88歳まで生き延びられそうにないのでその気持ちは多分永遠に理解できないと思います。自分の死を迎えるときに生まれて来てよかったと思えるような人生をおくれたら最高に幸せだと思いますのでそんな風に思えるように頑張って生きていこうと思います。

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