4月10日  朝の挨拶について思う事

小学校の新しい学年がスタートしましたので 毎朝元気な小学生が集団登校で病院の前を通り過ぎます。うちの病院の前の横断歩道を渡るのが登校ルートになっているみたいで毎朝数人の大人が誘導に立っていらっしゃいます。最初は登校する児童の親御さんなのだろうと思っていましたが 数年ずっと顔ぶれが変わっていませんから 恐らくボランティアで自発的に参加して誘導されているのだろうと思います。

雨の日も風の日も 暑い日もあれば寒い朝もありますが ここ数年ずっと小学校の授業がある日はほとんど全部 誘導されていますから 大変立派な行動だといつも感心しています。今朝、そのうちの一人の女性が 割と大きな声で集団の戦闘で旗を持って歩いている子供に話しかけておられました。

普段から 誘導員の方が「おはよう」と声をかけると それに子供たちが「おはようございます」と答えるのが習慣の様になっていました。所がその子は 新しく最上級生になったので 新しく班長さんになったのでしょうが誘導員の方の「おはよう」に対して返事をしませんでした。

班長さんが返事をしないので その後に続くこともたちも 挨拶をせずに通り過ぎてしまいました。そこで誘導員の方が 班長さんに話しかけたのです。「班長さんが元気よく挨拶をしてくれないから 他の子まで挨拶をしてくれないんだよ」「明日から頑張って挨拶をしようね」と声をかけられていました。

班長さんはおとなしそうな男の子でしたので 恥ずかしそうに俯いて歩いていきました。その誘導員の方は「学校の先生がきちんと挨拶を教えないから、きっとできないのだろう」と残念そうに呟かれました。

私は挨拶 それも一番基本的な朝の「おはよう」の一言は 学校の先生に教わる知識ではなくて 人間が上手に生きていく為に必要なある意味最も大切な知恵であり 本来親に教わるものだと思います。親が責任を持って 最低限度の躾として子供に身に着けさせるべきことだと思います。

私も子供の頃に 朝の挨拶が上手く出来ませんでした。朝起きた時に最初に顔を合わすのは 当然家族です。子供が目を覚ます時間には 勿論親たちは起きていますから 後から起きてきた子供から 挨拶をするのが当然なことは 子供ながらも何となく分かっていました。でも恥ずかしくて なかなかはっきりと「おはよう」の一言が言えませんでした。

ある朝 父親から「なんで朝の挨拶がきちんと言えないんだ」と叱りつけられました。それで思い切ってかなり大きな弧で「お早うございます」と言ってみました。父も「元気にあいさつできるじゃないか」と嬉しそうににっこりと笑ってくれました。それ以来朝の元気な挨拶ができるようになりました。

初めて挨拶をするのには凄く勇気がいりますから 通りすがりの誘導員さんや 学校の先生に注意されたぐらいでは なかなかきっかけがつかめないように思います。私の父は非常に短気で怒りっぽい人間でしたが 逆にあっさりとしていて 根に持つタイプではありませんでしたから 思い切って挨拶して笑顔で褒めてもらったのが嬉しくて それを切っ掛けとして どんどん挨拶が友人や学校の先生にも元気よくできるようになっていきました。

挨拶ができるようになったのは父のお陰だと非常に感謝しています。今朝恥ずかしそうに俯いて通り過ぎた男の子も 旨く切っ掛けをつかんで 元気にあいさつ出来る子になってくれればよいのだがと思ってしまいます。きっかけさえ上手くつかめば 挨拶なんて極簡単なことになると思いますから。

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