4月20日 日本の報道の自由度の低下が止まらないことについて

日本の報道の自由度は2010年が11位だったのが毎年低下していってしまい 今年はついに71位まで下がってしまいました。率直に申し上げて この現象は安倍政権が絶対多数を議席数を獲得してしまったことに起因していると思います。アベチャンは最初に政権についた時には 安定もしていなかったし 無責任にも職務を放り出してしまったけれども かなり陰湿でネチッコイ性格みたいだから 自分の意にそぐわない報道をしたメディアを その後差別して扱っているのだろうと 思います。その為に 各マスコミがアベチャンに必要以上に気を使わざるを得なくなってしまっていて どうしてもアベチャンを攻撃するような報道が 殆どできていないのだと思います。

結局こんなことになってしまったのは 選挙制度を小選挙区制に変更してしまったことから始まっているのだと思います。そもそも小選挙区制は二大政党が しっかりと確立されている国でなければ とり入れてはならないのです。何か重要な事案を選択しなければならないときに 黒か白か 是か非かもっと分かり易く表現すると イエスかノーかを決めるためにある選挙制度なのです。

例えばイギリスなら 保守党の意見に賛成なのか 労働党の意見に従いたいのか であり アメリカ合衆国であれば 民主党の言い分に納得できるのか はたまた共和党の言い分に一票を投じるのか といったように 保守系と革新系の二大政党がしっかりと確立されている国の場合は はっきりとどちらの党の言い分に国民が賛成したのか 明確に結果が出ますから 国民の意思が明確に反映された優れた選挙制度と言えるでしょう。

所が日本では 保守系の自由党と民主党が合体してできた 自由民主党が 単独で過半数を狙えるぐらいに大きな政党になってしまい その他の野党は 今では消滅してしまいましたが社会党が安定した野党第一党として君臨し 公明党や民主党、共産党などの野党が複数存在している 世界的に見ても一風変わった政党の力関係の国でした。

その風土と 日本独特の中選挙区制度が 非常によくマッチしていたのだと思います。そもそも選挙区制度としては 一般的には小選挙区制と大選挙区制の二つが一般的なのです。小選挙区制とは限られた選挙区から一人だけ当選者を決める選挙を行います。大選挙区制とは 選挙区が日本全土を対象とする選挙を行うのです。

中選挙区制度とは 一つの選挙区から三人から五人の当選者を決める選挙を行います。なぜ三人以上の当選者を決めるのかといえば 国民投票で国会議員を決める制度がスタートした時に 保守系で有力な会派がたまたま三つあったので 各会派から各選挙区で少なくとも一人は候補者を立てることが出来て 当選することが可能であるように という思惑で始まったのだそうです。

弱小野党が混在する日本の政局では たまたま中選挙区なら 地域によって弱小野党でも当選することが可能になりました。というか弱小野党でも何人かの当選者を輩出できる制度だったから 弱小野党が出現したのかもしれません。たまたまだけども日本人の気質に適合した選挙制度でした。日本人は意思表示するときに イエスかノーかはっきりと示さず 曖昧な表現をすることを好みます。政党についても 二者択一ではなくて いくつかの選択肢の中からチョイスする方が性に合っていたのかもしれません。

所が 細川さんや羽田さんが政権を取った時に 何をトチ狂ったのか 自民党にとってありがたいことこの上ない小選挙区制度を始めてしまったのです。小選挙区制度は二大政党で白黒つけられるけれど 弱小野党は消滅してしまう選挙制度なのです。その選挙対策として 共産党を除く日本新党や社会党、公明党 社会党などが寄り集まって 新進党という規模的には自民党に対抗しうる政党を作ってみました。しかしもともと根本的な考え方の異なる政党が 選挙の為だけに寄り集まっても上手くいくはずがなくて あっと言う間に空中分解してしまいました。

その為に自民党だけが巨大な与党となり 他の弱小野党が個々に自民党と選挙で対決しなくてはならなくなってしまいました。結果は目に見えていてたまたま自民党が大失態を演じた時にたまたま民主党が受け皿となって 政権交代が実現しました。しかし民主党のなれない人たちによる政権運営が長続きしないで 又自民党に政権が戻ってしまいました。

その時に偶然ナイスなタイミングで政権に返り咲いたアベチャンが 絶対多数の議席数を抱えて やりたい放題の政治を始めてしまいました。更にアベチャンのネッチコイ執念深い性格が反映されてしまって もしアベチャンの意にそぐわない報道をするとそのメディアは干されてしまうようになってしまいました。

その結果 民主党の野田政権の時には 報道の自由度は十一位と健全であったのが 僅か五年の間に七十一位という 非常に不健全な順位にまで低下してしまいました。この報道の自由度の低下は 外国からも心配 というか警戒されています。次の国政選挙は 与党に有利な結果が出やすいと言われている衆参ダブル選挙に恐らくなるのでしょうから 尚更アベチャンの地盤が強固になってしまいそうです。

アベチャンがどこかの国の独裁者のように 報道自体をコントロールしようとするところまではいかないのでしょうが 更に報道の自由度が低下してしまいそうで 心配です。何とかアベチャンを政権の座から引きずり降ろしてほしいのですが 民主党にはかつての勢いはありませんし、維新の党にも維新を起こしてくれるだけの魅力は全然感じられません。肝心の受け皿が出現しそうにありませんから 自民党の一人天下が続くばかりのように思われます。

かといって かつての中選挙区制度の復活なんて 自分たちにとって不利益にしかならない改革を自民党が行うはずもありませんから 当分は自民党の腐った政治に国民が心底嫌になるまで待たなければ どうしょうも無いような気がします。私が死ぬまでには 何とか政権交代が実現してくれると 世の中がその時だけでも 活気づくと思いますので楽しみにしています。

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