4月6日 日本ではもう長い事狂犬病が発生していないのに どうしてワクチン接種をしなければならないのでしょうか?

この時期になると よく飼い主さんからされる質問です。日本は島国なので 病気の侵入を水際で防ぎやすいから たまたまここ五十年以上一件も狂犬病の発生例が報告されていません。世界中を見ても 狂犬病が発生していないのは ニュージーランドやオーストラリア 英国とアイルランドと言った島国 ノルウェーとスウェーデンと言うスカンジナビア半島の国と言った他国との直接的な接触が遮断されやすい地理的な特徴のある国々に極ごく限られています。
ですから たまたま地理的条件に恵まれた日本国内では 長い事狂犬病にかかった犬が見つかっていないだけなのです。現役で働いている獣医さんでも 海外で患畜を見たことがある人はいるのかもしれませんが 自分の患者として狂犬病にかかった犬を診察した経験のある人は殆どいないでしょう。狂犬病による一年間の死亡者は毎年五万人以上いて 人間の歴史と同じ期間世界中で発生し続けているのです。世界の国々との交流が たまたま現在は新型コロナの影響で 殆ど途絶えておりますが 通常の状況に戻れば あらゆる国々と再び活発に交流が復活するでしょうから 何時日本国内に 狂犬病という病気が 侵入してきて蔓延してしまっても 不思議ではないのです。
事実 中国の武漢で発生した伝染病で 現在世界中がえらいことになっていることからも分かるように 日本は島国であるという地理的な条件に恵まれていて 防疫体制がしっかりしているおかげで たまたまここ数十年 狂犬病が発生していないだけなのです。第二次世界大戦中のころまでは 日本でも狂犬病にかかった犬は ザラに存在していたのです。なので 日本国内では有難いことに ここ数十年発生が見られてはいない病気ですが 飼い犬のかなりの割合の犬に ワクチン接種が習慣づけられていれば 万が一不運が重なって 狂犬病が日本に持ち込まれても まん延する確率が低くなるので 狂犬病予防法 と言う法律によって 日本では飼い犬をキチンと登録して 毎年狂犬病ワクチンの接種を義務付けているのです。
そして狂犬病という病気は 全ての哺乳類 つまり人間をも含めて 感染する可能性があり もし発病してしまえば 致死率は百パーセントの恐ろしい病気なので たまたま日本と言う島国であり 国民が義務付けられたことを 割と真面目に実施する習慣があったからこそ ここ数十年犬も人間も無事に過ごせているだけなのです。ですから 現在も世界中で蔓延している病気であり 全ての哺乳類に感染の危険性がある病気ですから 法律で義務付けられているから と言う理由だけではなく 自発的に飼い犬には 狂犬病ワクチンの定期的な接種をお勧め致します。
それから 狂犬病ワクチンを接種しておけば 何かトラブルがあった時に助かることがちょくちょくあります。例えば飼い犬が 他人を噛んだときでも 狂犬病ワクチンの接種が証明されれば ごめんなさいで済む場合も多いかもしれませんが もし接種していないとなれば 結構面倒な騒ぎになってしまったケースを何度も目撃しています。犬同士の噛んだ 噛まれた事件が起こった時でも もし加害者の噛んだ犬が狂犬病ワクチンを接種していて 被害者 即ち噛まれた犬の方が 接種していなかったりしたら 噛まれた被害者であるはずの犬の方が 立場が危うくなってしまうケースもあります。ですから 何かトラブルが発生した時の 保険的な意味合いでも 狂犬病のワクチン接種をお勧めします。
尚当院では 注射料金だけを頂戴しております。飼い主さんが持っていても無意味な 注射済票(四角い金属片550円)は販売しておりませんので その分お安くなります。更に団体割引もありますので 注射料金が 二匹なら二割引き 三匹以上なら三割引きになりますので 多頭飼いされている方の場合 凄くお得になりますので 是非当院での接種をお勧め致します。

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