5月28日 年をとると言う事

本日 ホテルでかなりの高齢犬(17歳)をお預かりしています。人間でいうと90歳近いご高齢ですから 慎重に丁寧に扱う必要があります。若い頃から来院して頂いている患者さんなので お預かりしていますが 年をとってからは かなり面倒な存在になっています。年をとっていますから 目も殆ど見えていない様子だし耳もあまり聞こえていなさそうです。筋肉も衰えてしまって ふらふらしながら立ち上がるのがやっとです。その上頭までボケてしまっていますから 迂闊に頭の辺りを触ろうとすると そういうときだけは素早く反応して 咬みついてきます。

正直申し上げて 非常に扱いづらい存在になってしまっています。当然ですが若い頃は 元気だしボケてもいないので それなりに懐いてくれて 可愛らしく思える犬でした。所が 現在はかなり困った存在になってしまっています。以前はお預かりした時に いつもシャンプーをしてきれいにしてからお返ししていました。所が現在では 下手に触ろうとすると やたらと咬みついてくるので さすがにトリマーさんがねをあげて もうシャンプーするのは無理だと言われました。

私も正直 ホテルの予約が入れば 有難いことだと感謝しますが この子の時だけは 面倒だと思ってしまいます。別に預かっている間は朝夕に裏の運動場にだして 暫くつないでおいて排便排尿をさせる事と餌、水を与えるだけですから それほど面倒なことはありません。しかしこの子は 運動場に出すまでがよろけてしまって一苦労だし、ボケているので排便排尿のタイミングがずれていて 犬舎の中でされてしまうことがしばしばです。更にエサや水を与えても多少は飲んだり食べたりしていますが 半分以上は器ごとひっくり返して散らかしてくれます。

まあ犬も人間も確実に年は取るわけですし 私自身もかなり年をとってきています。髪は真っ白になっていますし そのボリュームもかなり寂しくなってきています。目も見えづらくなっていますし 耳も確実に遠くなっています。ちょっとした階段を駆け上がればすぐに息が切れます。いずれは私も奥様に相当なご迷惑をかけることになるのかもしれません。その場合 自分が邪険に扱われるのが嫌なので このご高齢の犬に対しても 出来るだけ優しく丁寧に扱うように心掛けています。

私の場合は かかりつけの先生から 死ぬとしたら脳梗塞だと思っていてください、と言われております。非常に優秀な先生ですから 恐らくその予想は当たるだろうと思っています。脳梗塞とは 血液に塊が出来て それが脳の血管に詰まってしまって 起こる病気です。その為にワーファリンと言う血液をサラサラにする薬を飲んでいます。その薬を飲んでいるので 納豆や青汁は禁止されています。青汁はまあいいのですが 納豆はときどき無性に食べたくなることがあります。

兎に角脳梗塞で一気に死んでくれたらいいのですが 予想よりも軽く済んでしまって 障害が残ったまま生き残ってしまった場合が心配です。何しろ脳の血管が詰まってしまった後の障害ですから 体が思うように動かなくなったり 記憶のある部分が飛んでしまったり、まともに喋れなくなってしまったりすることが予想されます。私はまともに生きている現在でも 奥様に大変な迷惑や面倒をかけながら過ごしていることを自覚しています。

ですから人生の終わり際にまでなって 更に奥様に迷惑をかけることを潔しとはしません。かといって生き残ってしまってから 自らの人生を終わらせるだけの勇気も持ち合わせていないことは間違いありません。なので もしある程度年齢が進んでから 脳梗塞を発症した時には 一切治療を希望しません。障害が残りながら生きながらえても 自分が苦しくて惨めなだけですし 更に奥様に余計な負担をかけてしまうだけだからです。

なるべくそんな時が来ることは 先の話になってほしいのですが いずれそのような時が訪れるのは間違いないことですから その辺りの事を奥様や周囲の人間と十分に相談しておこうと思っています。人一倍怖がりな私ですから そんな日が来ないことを望みますが 何時か間違いなくそんな日はやってきます。人間生き様も大事ですが 見苦しくない死に様も大事だと思っています。

ブログ一覧