幸福について考えるのはあまり気がすすみません。人は誰でも幸福になりたい気持ちがあるのは真実だと思います。ただ人の価値観は千差万別だから　幸福について定義づけようとしたり　型にはめようとしても殆ど無意味だと思うからです。

私は幸福かと尋ねられれば　勿論いいえと答えます。ないものネダリかもしれませんが　もっと優秀な頭脳を持って生まれたかったし、もっともっと男前に生まれたかったです。私の外見に対するコンプレックスは相当強いと思います。勿論もっと男前に生まれて　女の子にモテたかったし　もっと沢山の女の子とセックスをしたかった　というのは男なら誰でも持っている欲求かもしれません。勿論、結局は現在の奥様という私にとっては有難すぎて　勿体ないぐらいの存在である女性と巡り合えたのですから　こんな外見でも十分に幸福だったのかもしれません。

お金を沢山持っていれば幸福と断言はできませんが　お金が足りなくてする苦労をしなくても済む分だけでも幸福なのかもしれません。経済的に余裕がある方が　他人に優しく出来るのかもしれませんから　情けは人の為ならず　と言いますが　他人に優しくしておけば　何らかの形で他人から優しくしてもらえる可能性が高まる分　やはり幸福なのかもしれません。貧すれば窮するとも言いますから　やはりお金がない事は不幸の一つと言えるのかもしれません。

但し、人間は見栄を張りますから　あまりお金に強い拘りを見せるのは何となく品格にかけるように判断してしまう風潮があるのは事実です。でもそれは、手の届かないところに実っているブドウは酸っぱいと思う狐の　所詮は負け惜しみの感情だとも思います。誰だって宝くじで数億円手に入れることが出来れば無条件で大喜びをするでしょう。

よき友人に恵まれるのも一つの幸福の形かもしれません。人間は寂しがりな動物ですから所詮一人では生きていけません。ただ、良き友人の定義も又なかなかに難しいと思います。自分に厳しい言葉をかけてくれるのが良き友人なのか　耳触りの良い言葉ばかりをかけてくれるのが良き友人なのか　判断の難しい事だと思います。客観的には　自分の事をよく考えて　あえて厳しい言葉をかけてくれる友人の存在こそ有難いように思いますが　現実ではつい人間は耳触りの良い言葉をかけてくれる人を傍に置きたがるものだと思います。なかなか信頼できる友人と巡り合いその関係を継続するのは難しい事かもしれません。

仕事にやりがいを感じられるのが一番の幸福かもしれません。仕事は生きていくうえで必要なお金を稼ぐ手段ですが　そこに遣り甲斐や誇りを感じられる人は　現実にはそんなに多くないと思いますが　　仕事というものはかなりの長きにわたって継続せねばなりませんから　確かに恵まれていると思います。私は一度大学を卒業して、いわゆる一流企業に就職しましたが　さっぱりやりがいを感じられず　長続きしませんでした。そこで一般の方よりもかなりまわり道をしましたが　もう一度大学に入り直して　動物病院を開業しました。

正直な所、うちの病院はそんなに繁盛しているわけではないし、かなりの恨みをかってしまった飼い主さんも少なくありません。でも自分なりに精いっぱい頑張っているつもりですし　それなりに感謝していただいている飼い主さんも　そこそこいらっしゃると思います。自営業ですから　自分が頑張った分だけ収入にもつながりますし　遣り甲斐と誇りを感じれることもたまにはあります。何時まで続けるかは未定ですが　老後の蓄えが十分に貯まるまでは　大いに頑張るつもりです。

結局私は　死ぬまで大切にしていきたい女性と運よく巡り会えましたし、それなりに遣り甲斐の感じられる仕事にかなり回り道をしましたがつけましたから　そこそこ幸福なのだろうと思います。奥様と二人でなんとか健康に暮らせて　仕事を継続できれば　それ以上に望むことはありませんから　現状を維持できるように今後も頑張っていくつもりです。