6月20日 カエルちゃんが 来院しました

種類としては イエアメガエルというものでした。正直 私としては ここ数年 飼育しやすいカエルとして ペットショップでよく販売されているらしい、という知識位しかありませんでした。カエルの治療の経験はありますが この種類を診察するのは 初めてでした。勿論 飼い主さんにその事実は予めお知らせしてありました。体長が十センチを超える位まで 成長して 寿命が十五~二十年と結構長生きするカエルだと認識しております。大切に そして上手に飼育すれば 犬猫よりも長い期間面倒をみてあげられるらしいので ファンが増えてきているのだそうです。爬虫類や両生類を飼育されている飼い主さんは 若い女性が多いのですが 今回来院された方も まだ子供さんが小さなお若いお母さんでした。
男の子が 池や田んぼで 身近にいるアマガエルを捕まえてきて 面倒をみているうちに カエルの魅力にはまってしまい お母さんがペットショップで購入されて 面倒をみておられるのだそうです。来院された主訴は お腹が何時より膨れて 仰向けにちょくちょくひっくり返るし 食欲元気がここ数日なくなってきているとの事でした。このカエルは 見た目が愛嬌があって可愛らしいのですが 食欲が旺盛なので ついつい餌特に生餌(ミルワームやコオロギ)を 与えすぎてしまうことが原因で 消化不良を起こして 腸にガスが貯留してしまい 腹囲膨満と食欲元気の減退が始まる場合が多いようです。
この子も 食欲が旺盛で 数日前まで ミルワームをパクパク食べていたのだそうです。このカエルは 密林の樹上で生活しているのだそうですが ワームや昆虫などと そんなにしょっちゅう遭遇できるわけがないので 二三日に一度 給餌をするぐらいで十分なのに ついつい食べっぷりがいいので 毎日餌を与えてしまい 消化不良から来る食欲の減退 元気の消失につながっているように思われました。そこで 消化を促進する薬と 腸に溜まったガスの吸収を促す薬 元気が回復する薬などを 混合して 甘く飲みやすいシロップにして 渡しました。何しろ体重が十グラムと小さな体ですから 点眼瓶で一回分量として一滴で適量になるように調整しました。
普段から 給餌するときに 簡単に口を開けてくれるのだそうですから 甘くて美味しい飲み薬ですので そんなに苦労しないで投薬できることと思います。胃腸の調子が回復したら 給餌の間隔をよく考えて 面倒をみてあげていただくように お願いしました。人間もそうですが 小さなカエルですから 適量の食餌を 適切なタイミングで摂取させるのは なかなか難しいのかもしれません。この種類のカエルは 丈夫で長生きするのだそうですから 給餌の量とタイミングを上手く調節できれば 直ぐに元気になってくれることと期待しております。
正直な所 は虫類や両生類は その心情を推し量るのが難しい動物のように思いますが 熱心に飼っておられる方々が良く仰るのは 今嬉しそうに笑っている とか 先生の事が好きみたいなしぐさをしています 等ですから 心底愛してしまえば その微妙な表情やしぐさが 読み取れるようになるのかもしれません。私はこの仕事をそろそろ引退しようとしておりますが なかなか は虫類 両生類の気持ちまでは 申し訳ありませんが 感じ取れないままに 仕事を終えることになりそうです。只今日来たカエルちゃんも つぶらな瞳で 可愛らしいなとは 思えるようになってきました。

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