6月28日 お隣さんとの隙間で子猫が亡くなっていました

二三日前に 微かに子猫が鳴く声が 二階でくつろいでいる時などに聞えていました。動物病院と言う仕事柄 面倒をみてくれるであろうという安易な考えで 病院の前などに捨て猫などを置きっぱなしにされる事がよくあります。私も動物が好きでこの仕事を始めましたし 動物が元気で長生きしてくれるために頑張っているつもりですから 捨て猫などの動物を出来たら保護してあげたい気持ちはあります。しかし いちいち病院の近所に置き去りにされた動物を引き取って面倒をみていたら きりがありません。

ですから原則として 病院の近所に置き去りにされた動物には 一切ノータッチに徹することにしています。朝病院のシャッターの前に子猫たちが置かれていたとしても 患者さんの出入りに邪魔になる場合は位置をずらしますが それ以外には一切手を触れないようにしています。結局その日の仕事終りにシャッターを閉めるまで 同じ状態のままです。置き去りにした人間が 時間外にどうなったのか確認に来る場合が殆どみたいで 一日たっても一切面倒をみてもらえていないことが分ったら 翌朝には 影も形もなくなっている場合が多いです。

今回の鳴き声が聞こえていた子猫も 似たような状況なのかもしれない と私はあえて探そうとも 状況を確認しようともしませんでした。それでも一応気にはなっていましたから どこかに子猫が置き去りにされていないかと チェックはしてみました。しかし子猫の気配を感じられませんでしたので どこかにその子猫が自力で移動したのか 置き去りにした人が引き取ったのかしたのだと思っていました。

所が 今朝奥様が表のシャッターを開けて 真ん中の支柱をお隣さんとの境の部分に立てかけようとしたときに 子猫が倒れたまま動かないのに 気が付きました。報告を受けた私が確認に行くと ハエがたかっていましたから 死後一日以上たっているような様子でした。放置すれば腐敗が進み 臭いもするし不衛生なので ビニールの袋にその子猫の遺体を入れて 段ボール箱に詰めました。市役所に連絡して 動物の遺体を引き取りん来てもらいました。

その子猫が倒れたいた場所が お隣さんとの隙間のちょうど真ん中辺りでした。その為に病院の手前からも奥からも その子猫の気配を察知できなかったのだと思います。その子猫が病院の近所に置き去りにされたのか たまたま病院とお隣さんの隙間に紛れ込んできたのか 分りませんが その泣き声が聞こえていた日は雨が降っていましたから 家と家の隙間ですから それほどずぶ濡れにはなっていなかったのかもしれませんが まだ体重が一キロにも満たないような幼いネコでしたから 雨に濡れた寒さと空腹で力尽きたのだろうと思います。

もしそのような状態にいる子猫を見たら さすがに私も放っておくことは出来ないで 取り敢えずは濡れた体を乾かしてあげて 栄養価の高い食べ物を与えて 元気が回復するまでは面倒をみて上げたろうと思います。病院ではこれまでに 特殊な事情で猫二匹と犬一匹を引き取って面倒をみました。いずれも大した病気もせずに老衰で亡くなるまで面倒をみました。もし亡くなる前に 遭遇してしまっていたら ひょっとしたらこの子猫を 久し振りに病院で面倒をみることになっていたのかもしれません。

しかし残念ながら 出会ったのが亡くなった後だったので そのような関係には発展しませんでした。野良猫も 運が良ければ猫好きな人と巡り合えて 飼い猫としてのんびりとした人生を過ごせる子もいますし 今回無くなってしまった子猫みたいに たまたま見つかりにくい場所にいたために 亡くなってしまう子もいます。まあ人間の人生だって 何の努力もせずにぐうたらに生きている人が 宝くじにでも当たって 一生のんびりと楽ちんに生きていける場合もあるのかもしれませんし、頑張って勉強して 一生懸命に働いても 仕事が上手くいかなくて 借金まみれの惨めな生き方を余儀なくされる場合もあるのかもしれません。

よく言われることですが 努力をしたからと言って 必ず成功するとは限らない。でも成功した人の殆どが それなりに人並みではない努力をしていたのだ と言う話です。私の人生も すでに終盤を迎えているのだと思いますが 勿論それほど成功した人生ではありませんでした。大学に二つも通って 人よりも相当に回り道をした人生でしたし 仕事が上手くいかなくて 死にたくなったことも何度もありました。

まあ私の人生の最大のラッキーな出来事と言えば 奥様に巡り合えたことかもしれません。奥様はそれほど美人でもないし スタイルもいいとは言えないように思います。まあ見てくれの最悪な私とならべば それほど悪くはないのかもしれませんが 奥様はしっかり者ですし 頭の回転がすごく早くて 記憶力も抜群ですし しっかりとしたビジョンを持って 人生を歩んでおられます。私にはないものを沢山持っておられますから 奥様と一緒に死ぬまで過ごせれば それなりに幸せな人生だったと思える自信はあります。だから私はどちらかと言うと ラッキーな人生だったのではないかと思っています。

亡くなってしまった子猫は 不運だったとしか言いようがありませんが もう少し見つかり易い場所にいてくれたら 恐らくは引き取って面倒をみていたような気がしますので とっても可哀そうに思いました。私の人生もこれからどんな不運に見舞われるかわかりませんから 一日一日感謝の気持ちを忘れずに 懸命に生きていこうと思います。

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