7月10日 本日は語呂合わせで「納豆の日」なのだそうです

納豆は 私の大好物の一つと言ってもいいように思います。このブログには 既に何度も書いていますが 子供の頃は 苦手でした。ドロドロして糸を引いているのですから その見た目からしても とても人間の食べ物とは思えませんでした。私が子供の頃には 関西人は 納豆を食べない と言われていました。学校の友人に尋ねても 納豆と言う食品が 食卓に並んだことは一度もない という意見ばかりでした。私の両親は 福岡県出身でしたから 朝食が和食の時には 何時もと言う訳ではありませんが たまに思い出したように納豆が食卓に並んでいました。
納豆と言う食品は 日本では千年近くも前の文献に登場しているぐらいですから 相当な歴史がある食品です。その期限としては 聖徳太子の時代までさらに遡るのだそうですが 馬の飼料として用意した蒸した大豆を藁でくるんでいたら 自然に出来上がったのだそうです。細菌の働きによって 食品が化学変化を起こすことは珍しくありません。人間にとって有害な変化を腐敗と呼び 有益な変化を発酵と言うのだそうですが 稲わらに付着している納豆菌が 大豆を納豆に変化させたのです。それにしても 粘々と糸を引き アンモニアによるクサい匂いを放つ納豆を 普通ならせっかくの大豆を腐らせてしまったと思うはずなのに 最初に食べてみた人は相当に勇気があったと 感心してしまいます。
だって納豆は 初めてたべた時に直ぐに美味しいと感じる人間は かなり少ないと思うからです。子供の頃 我が家での朝食は トーストとコーヒーの洋食か 味噌汁にご飯の和食か ほぼ半々でした。どちらになるのかは 母のその朝の気分しだいだったように思います。ですから月に十五回位は 和食の朝ごはんだったと思いますが 納豆が食卓に登場するのは 月に二三回だったと思います。朝食のメニューとしては 味噌汁とごはんは定番でしたが 後は焼き魚がつけばおご馳走で 卵をご飯にかけたり 焼き海苔をお箸でご飯にくるんで食べていました。前の晩のオカズの残り、例えばコロッケなんか出てくれば 豪華なオカズだったと思います。
そして思い出したように 納豆が食卓に登場しました。スーパーで売っている 発泡スチロールの容器から 丼蜂に納豆が移されて 父がいつも一生懸命にかき混ぜて糸を引かせてから 卵やネギ、もみ海苔、辛子等の薬味と醤油を加えて さらに混ぜたものが 食卓の中央にどんとおかれます。中央に置かれますが 私と妹は 手を出しません。父と母が 熱々の白ごはんの上に ドロドロに糸を引いた怪しげな物体をかけて さもおいしそうに食べるのを 不思議そうに見ているだけでした。
両親に美味しいのか尋ねると 「とても美味しいけど 子供の頃はその美味しさがよく解からなかった」と言う返事でした。と言う事は 「納豆は子供にはわかりづらい 大人の味」という意味だと解釈しました。子供の頃は 背伸びして何とか大人の仲間入りをしたがるものです。納豆を美味しく食べられることが 大人への階段を一段登ることだと 考えて 何度も何度も自分のご飯に納豆をカレースプーン一杯ぐらいかけては 美味しく食べられるようにチャレンジしてみました。
中学一年生になって 声変りをして 口の周りに結構ひげが生え始めたころになって やっと納豆の美味しさを理解できるようになりました。口に入れて最初に感じる苦みや アンモニア臭を誤魔化すために 辛子、ネギなどの薬味を多い目に入れます。中学生になり 辛子やネギと言った薬味が食べられるようになり その有難味と言うか役割がわかるようになったので 納豆を美味しく頂けるようになったのかもしれません。玉子を加えて食べる場合がおおいのかもしれません。勿論卵を加えると 味が豊かになり 美味しくなるのは間違いないのでしょうが 私個人の好みとしては 納豆本来の味わい 苦みと混在する独特の旨味が ぼやけてしまうような気がしますので 卵を入れないで食べます。
一旦納豆の美味しさを知ってからは かなりはまってしまって 毎日のように納豆を食べていた時期がありました。場合によっては 晩御飯に 納豆の三パック入りを スーパーから買ってきて 一度に三パック分の納豆を丼蜂に放り込み 思い切りかき混ぜて 辛子、ネギ、もみ海苔等の薬味をたっぷりと放り込んで炊き立てのご飯に山盛りのっけて その晩のメインディッシュ インスタントの味噌汁でも あれば 大満足できる晩御飯にもなりました。安上がりで 簡単にできて 非常に満足感のえられる 便利な食材でした。
そんな私が 心臓病 具体的には不整脈が治まらない病にかかってしまいました。心臓に不規則な動きが始まってしまいました。血液の流れが スムーズにいかなくなってしまったために 血栓ができやすい体質になってしまいました。血液中に血の塊 血栓ができると 動脈に詰まってしまった場合 その先に血液が流れない状態を梗塞と言いますが 私の場合脳梗塞が心配されました。そこで 血液をサラサラにして 血栓ができにくくするための薬 かなり昔から使われているワーファリンと言う薬を飲み続けることが必要になってしまいました。
納豆には 凄く大量にビタミンKが含まれていますが ワーファリンはビタミンKと言う血液凝固因子を阻害することによって血液をサラサラにして固まりにくくしています。従って ワーファリンを服用している場合 ビタミンKを大量に含む納豆を食べることで その薬効が無くなってしまいますので 納豆を食べることを禁じられてしまいました。その為に 不整脈の治療を始めてから もう十年近く経ちますが 全く大好物の納豆を食べていません。ワーファリンと同じように血液をサラサラにして血栓ができにくくする薬で ビタミンKとは異なる血液凝固因子を阻害する働きのものが開発されました。
そちらの薬に切り替えれば 納豆を食べることは許されるようになりますが 開発されたばかりの新薬なので 薬価が高いのです。当然薬代がかなり高くつきます。貧乏性の私は ずっと続ける薬ですから 少しでも安く上げたいので ここ数年新薬への切り替えを辛抱しています。薬価と言うのは 世間の物価がどんどん上昇している時代でも 年と共に下がります。もう少し辛抱して 薬価が下がってくれるまで待つ事を決意しましたので あと数年は大好物の納豆を辛抱しようと思います。
納豆は血糖値を下げる効果が 多少なりともあるみたいなので 糖尿病の為には どんどん食べたい食品なのですが現在の所 辛抱していてもそれほど辛くありませんので もう少し辛抱します。健康であれば 好きなものを遠慮なく食べられますから 現在の所全くの健康体であられる 奥様は何にも制限が無くて羨ましい限りです。勿論自分の若い頃の不摂生がたたって 現在の心臓病と糖尿病を抱えた 不健康体になってしまいましたから 自業自得であることは自覚しております。遅ればせながら これからでも健康を大切に考えて 残っている私の人生が少しでも長持ちするように 努力していこうと思います。

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