7月11日 近所にあるパン屋さんが 知らないうちに店じまいをしていました

私は 朝食でもどちらかというと 和食派です。ホテルなどで どちらかを選ぶときには 大抵和食をチョイスします。所が奥様は パンが大好物なので 洋朝食を選ばれます。お昼ご飯も 簡単に済ませるときは 調理パンや菓子パンで 済まされます。私はお昼も出来たらご飯を食べないと元気が出ないような気がしますが 奥様がパン好きなのを知っていますから お付き合いすることも多くなりました。
藤阪ハイツの近所にあるパン屋さん「マロニ」は 病院から近いという理由で 近所を通りかかった時に ちょくちょくパンの購入に出かけておりました。所が最近は あまり出かけなくなっていました。理由は 去年位に パンの単価が一斉に値上がりしたからかもしれません。諸悪の根源「アベノミクス」のせいで 円が値下がりしました。円の価値が下がってしまうと 日本の所有している全ての財産の価値自体が低下してしまう事を意味しますから 決して喜ぶべきことではないように思います。円安の為に当たり前ですが輸入商品の値上がりが 起こりました。パン屋さんにとっては 小麦粉と言う輸入に頼っている食品を原材料としますから もろに円安のダメージを受けてしまいました。
但し 小麦粉の値上がりは 何処のパン屋さんでも同じように足かせになって 商品の値上げせざるを得ない状況になったのは致し方の無い事かもしれません。パン一個当たり10~20円くらい値上がりしたように思います。消費者も 円安の為に小麦粉の価格が高騰したことは 誰でも知っていましたから 商品の値上がりは 不愉快だけれども受け入れざるを得ないと判断できたように思います。しかしこの「マロニ」と言うパン屋さんの場合 単価を少しずつ値上げしたうえに 商品がひと回り小さくなってしまったのです。
消費者としても 原材料の値上がりから 商品の多少の値上げは受け入れられますが 更に商品が小さくなってしまっては 購買意欲をなくしてしまいます。原材料の値上がりを 商品の値上げでまかなうか 若しくは値上げをしないで 商品を少し小振りにするか どちらかだけであれば 恐らくお客さんも納得してくれて 購入を継続していたはずです。私も月に一二回位は コンスタントに「マロニ」でパンを買っていましたが ここ一年ほど 値上げをした上に 一回り小さくなったパンを 買わなくなっておりました。
本日の昼に 「マロニ」の数軒隣の家に往診に出かけましたので 久し振りにそのパン屋さんで 昼ご飯を購入しようかと考えました。所が お店にはシャッターがありていて 貸店舗の看板が目立つように置かれていました。すぐ近所なので何時ごろどんなことが起きたのかと思って 往診に出かけた飼い主さんに尋ねると 「二三か月前に 急に店じまいしてしまったみたい」と言う事でした。一年前までは コンスタントにパンを購入していた私が この一年間 全く通わなくなっていた間 やはり他のお客さんも 商品の値上げと パンのサイズの縮小 のダブルパンチに 一気に足が遠のいていたみたいで 正直に売り上げが低下して 店じまいをせざるをえなかったのでしょう。
そこそこ美味しいパンを売っていた店の様に思っていましたが 値上げとサイズの縮小の 両方に手を出してしまったのは はっきり言って企業努力が足りなかったのだと思います。お客さんは パン屋さんが頑張ってくれていると感じられれば 受け入れてくれたのでしょうが 楽な方向 結局はお客さんが一方的に不利益を被る道への方向転換を 受け入れてくれませんでした。その為に潰れてしまったのは ある意味致し方の無い事かもしれません。
パン屋さんも 動物病院も ぶっちゃけた話 お金を稼ぐために仕事をしています。お金を稼いで 生計を立てるために働いています。全ての人が生きていくために必要なお金を手に入れるために やることは様々ですが それなりに一生懸命に働いているはずです。うちの病院も 私が不器用な生き方しかできませんから もう少し上手に立ち回れば もう少し流行っている 儲かっている病院になれたのかもしれませんが 何とか最低限の老後の蓄えを 貯め込むのが精いっぱいでした。まああと少し仕事を続ければ のんびりとそこそこ優雅に老後を過ごせそうなので 病院の仕事に感謝することが必要だと思います。
パン屋さんと言う商売が それほど儲かる仕事ではないのかもしれませんが 商品の値上げと同時にサイズの縮小という 安易な道を選択してしまったために それまで通っていくれていたお客さんを一気に手放すことになってしまったのでしょうから この事実を教訓にして これから先ほんの数年ですが 病院の仕事に真摯に取り組んでいこうと思いました。

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