7月15日 天皇陛下の生前退位について思う事

私は恥ずかしながら 不勉強なので 天皇陛下が生前退位を望まれたことが こんなに世間を大騒ぎさせることになるとは思っておりませんでした。突き詰めた表現をすると 天皇陛下も一人の人間なのです。しかし 我々庶民でさえ当然認められている人権が 陛下には殆ど認められていないように思います。我々庶民は 勿論庶民に生まれてしまったことを喜ぶつもりはありませんが 色んな意味で自由が認められています。

例えば職業選択の自由が私たちにはあります。勿論貧乏人ですから いきなりすごいお金持ちにはなれないかもしれませんが その方面の才覚があって 頑張ればたくさんお金を稼いでお金持ちにもなれる可能性があります。私は一度普通のサラリーマンになりましたが 一念発起してかなり頑張った結果 なんとか獣医師になれました。こんな人生が良かったのか悪かったのかは死ぬ時に 己の人生を振り返ってみて 納得が出来るのか出来ないのかで決まるのだと思いますが 一応はそこそこ頑張っているつもりなので 何とか納得して最後の瞬間を迎えたいと思っています。

所が天皇陛下は 天皇家の長男として生まれてしまったら 職業を選ぶ自由からして全く存在しないのです。現在の制度のままだと 父親である天皇陛下がお亡くなりになられると同時に 何の選択の余地もなく ほぼ強制的に 天皇陛下にならざるを得ないのです。そして自分が死ぬまで天皇陛下としての仕事を全うしなければならないのです。現行の制度では 生きている間は退位してのんびりした老後を過ごす事すら許されていらっしゃらないのです。

皇族の方々も あえて表現すれば 普通の人間なのですから ごく当たり前にやってみたい仕事や趣味、遊びの類もあるはずです。我々庶民なら 勿論制約はありますし 費用の面などで制限されることもあるのでしょうが ある程度やりたいことをやりたい様にできる自由があります。例えば 男なら特に若いうちは 当然風俗のお世話になってみたい欲望があるものですが 皇族の方々ともなれば 恐らくはその方面の遊びは許されないでしょう。

天皇陛下を中心にどの範囲の方にどの程度の 警護や制限が働いているのか さっぱり見当がつきません。勿論皇族の方の警護であるのなら 失敗は許されないのでしょうから 警護する方々も凄く大変かもしれませんが 警護されている方たちにも 相当なストレスが働いているのではないでしょうか。私はこれまでも 勿論これからも警護される身分になることはありえませんから 気楽なものですが。

詳しいことは存じ上げませんが 歴史の乏しい知識によると 天皇が生前に退位されて 上皇になられていた時代は結構長くあったように思います。いつの時代から どのような理由で 天皇陛下の生前退位が認められなくなってしまったのか 全然予想もつきません。確かに昔には 上皇となられた方が 今上天皇に対して 強い影響力を持ってしまって いろいろと良からぬことが起こってしまったという事実はあるみたいです。

しかし普通の人間には 仕事を引退してのんびりとした老後を過ごす自由があります。私もあと少ししたら のんびりと優雅な老後を過ごすことを楽しみにして 最期のひと踏ん張りをしている所です。天皇陛下は勿論天皇陛下になられてからまだ三十年足らずですが 皇太子であられた時代から 天皇に準ずるお仕事を それこそ物心ついたころから遂行されておられるのです。

天皇陛下としてのご公務が 私たちの想像するよりもはるかに激務であられるのは 間違いの無い事でしょうし その激務の疲労が蓄積されて その寿命を縮めてしまわれる心配があるのなら 早目に引退されてのんびりしていただいて 少しでも長生きしてくださることを望まない国民はほとんどいないと思います。天皇陛下は祭りごとには関わられるが 政治的な発言や行動は一切認められておられないのだそうです。従って生前退位を認める法改正についての発言も 政治的な発言とみなされるために 許されないのだそうです。すべての日本国民と象徴として 働かれている天皇陛下が 健康上の理由でそのお仕事を十分に果たすことが難しくなってきたから 生前退位を望まれるのであるのなら 国民は拍手を持って受け入れる気持ちのはずです。

なんとか天皇陛下のひょっとしたら生まれて初めてかもしれない 個人的なご希望を述べられたのかもしれませんから そのお気持ちを大切にするような成り行きを心から期待しております。

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